8年ぶりにドイツに行くことにした。ドイツに行くとなると、行きたいところ、乗りたい列車はいくつかある。とりあえずユーレイルグローバルパスを購入する。レイルヨーロッパから購入したが、キャンペーン期間中とのことで、5日間で1等車用が41,000円、2等車用が31,000円であった。前回は2等車用を購入したので、今回は1等車用を購入した。10,000円の差はあるが、5日で割れば1日2,000円の出費で1等に乗車することができるのだから、そこまで高いとは思わない。予約手数料込みで42,900円であった。
ヴッパータール(Wuppertal)という街に行くことは最初から決めていた。何年か前、全日空の機内誌『翼の王国』だったかと思うが、その記事でヴッパータールのことを知った。世界最古のモノレールがある街である。
ヴッパータールのモノレールを設計した人は、ドレスデンでもモノレールを設計しているという。ついでと言ってはなんであるが、今回はこれにも乗ろうかと思う。ヴッパータールとドレスデンはかなり離れているが、ユーレイルパスがあるので問題はない。
さらに、せっかくドイツに行くのだから、夜行列車にも乗りたい。前回ドイツで乗ったシティナイトライン(City Night Line)は既に廃止されたが、オーストリア連邦鉄道がナイトジェット(Nightjet)という夜行列車を運行しているという。せっかく乗るのであれば、できるだけ長距離乗りたいと思う。ウィーンからローマへ向かう列車が私にとって都合が良さそうである。これを予約した。この夜行列車がゼメリング鉄道という世界遺産にも認定されているルートを通ることを、予約後に知った。せっかくなので、昼間にもこの区間に乗ろうと思う。
また、前回は幹線の列車にしか乗車しなかったので、今回はそれ以外の路線にも乗車してみたい。
やりたいことが多く、色々試行錯誤しつつ旅程を組み立てた。フランクフルトから入り、1日目はフランクフルト、2日目はドレスデン、3日目、4日目はヴッパータール、5日目はザルツブルクに宿泊し、6日目は夜行列車に乗車、7日目にローマから飛行機で帰国することにした。
航空会社はアシアナ航空を利用することにした。往路は、羽田からソウル経由でフランクフルトに入る。復路は、ローマからソウル経由で成田へ戻る。ソウルからフランクフルトへの便はA380での運航で、ソウルから成田への便はA350XWBによる運行である。A380は2度目、A350ははじめてである。これも楽しみである。
そのような中での新型コロナウイルス感染症である。2月に入り、日本国内でもコロナウイルスの影響が見られるようになった。ヨーロッパでも、イタリアを中心に流行しているという。今回ばかりは旅行に行くかを悩んだ。とはいえ、症状がなく、東京では外出自粛の公的な要請等も出ていない以上、日本にいても通常通りの生活をするしかない。ドイツをはじめ今回旅行する国・地域では日本人の入国制限を行っておらず、また、外務省もそれらの国について感染症危険情報を出していない。それならば、旅行も行く方向で進めることになる。ただ、あまり意味はないと思いつつも、荷物の中に体温計を入れた。
出発2日前の2月27日の朝、アシアナ航空からSMSが入る。3月6日のローマ発ソウル行きの運休が決定し、7日のローマ発便に振り替えたという。ローマはコロナウイルスの流行地域から外れているが、流行地域を夜行列車で走ることになっている。流行地域の拡大もあり得る。夜行列車の代金はもったいないが、アシアナ航空に、帰りの空港を変更できないか聞いてみることにした。アシアナ航空も予約変更の電話が殺到しているのかオペレーターになかなか繋がらなかったが、繋がったら話は早かった。6日のフランクフルト発への変更の可否を聞いてみると、運休を理由とした予約の変更は無料で可能とのことであり、希望通りの便をとることができた。
そのため、出発前日に旅程を大幅に組み替えることになった。ドレスデンのホテルは既にキャンセル不可の料金で予約しているため、ここは確定である。それ以外のホテルはキャンセル可能の料金で予約をしていたため、一旦キャンセルする。当初の目的であったヴッパータールと夜行列車は外したくないので、それを念頭に旅程を組み直した。
さらに、旅行出発後の3月2日、ドイツ国内でもとりわけノルトライン・ウェストファーレン州で新型コロナウイルス感染症が広まっていることが分かった。新たに予約をした夜行列車の終着であるデュッセルドルフ、さらにヴッパータールはこの州にある。今回の旅行、私が行くところをコロナが先回りしている感がある。ヴッパータールの名前は挙がっておらず、この期に及んでコロナのために回避するまでもないような気はした。ただ、この時点でヨーロッパの乗り鉄を楽しく感じており、近々また来ようかと思い始めていたので、夜行列車にはそのまま乗ることにしつつ、ヴッパータールは次回に回すことにした。
ヴッパータールに行かないとなると、1日余ることになる。ちょうどそのとき、アシアナ航空からソウル発成田行きの搭乗便の運休と予約変更の案内があったので、それを理由に旅程を1日短くできるか、アシアナ航空に相談をした。飛行機に空きがあるとのことで、5日のフランクフルト発に変更してもらうことができた。
なお、旅行した3月前半において、私が見る限り、訪問したドイツおよび周辺諸国の人々の新型コロナウイルス感染症に対する危機感は相当に薄いように感じられた。コロナ注意などといった表示は見かけなかった。列車に乗ったり街を歩いたりしている限り、彼らが何か衛生に気を遣っている風もなかった。いわゆる咳エチケットも浸透していないように見えた。もちろん、マスクをしている者はいなかった。彼らも家に帰ればいつも以上に手洗い、うがいをしていたのかもしれないが、この状況では広まるのが時間の問題のように感じられた。
また、日本人やアジア系に対する偏見の目はあって然るべきものと思っていたのだが、少なくとも私に関する限りそれもまったくなかった。列車では向こうから話しかけられることもしばしばであった。ドイツ人とコロナウイルスの話になったのも1回だけで、それも世間話の最中であった。いつも通りといった雰囲気であった。
2020年2月29日土曜日(フランクフルト泊)
2,新宿から羽田空港へ:東京空港交通:深夜早朝アクセスバス:2020/2/29【2020/2ヨーロッパ】
3,羽田からソウル(仁川)へ:アシアナ航空177便:2020/2/29【2020/2ヨーロッパ】
4,ソウル(仁川)からフランクフルトへ:アシアナ航空541便:2020/2/29【2020/2ヨーロッパ】
5,フランクフルト空港からフランクフルト中央駅へ:ライン=マインSバーン:2020/2/29【2020/2ヨーロッパ】
6,フランクフルト:東横INNフランクフルト中央駅前:コンフォートシングル:2020/2/29【2020/2ヨーロッパ】
7,フランクフルト中央駅(Frankfurt (Main) Hauptbahnhof):2020/2/29【2020/2ヨーロッパ】
2020年3月1日日曜日(ドレスデン泊)
8,フランクフルトからミュンヘンへ:ICE527:1等車:2020/3/1【2020/2ヨーロッパ】
9,ミュンヘンからホーフへ:ALX79859:1等車:2020/3/1【2020/2ヨーロッパ】
10,ホーフからドレスデンへ:RE3 74027:1等車:2020/3/1【2020/2ヨーロッパ】
11,ドレスデン:イビスドレスデンバスタイ(ibis dresden bastei):Standard room:2020/3/1【2020/2ヨーロッパ】
2020年3月2日月曜日(ウィーン泊)
12,ドレスデン:路面電車:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
13,ドレスデン:ドレスデン鋼索鉄道(Standseilbahn Dresden):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
14,ドレスデン:空中鉄道ドレスデン(Schwebebahn Dresden):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
15,ドレスデンからプラハへ:EC379:1等車:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
16,プラハ本駅(Praha hlavní nádraží):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
17,プラハからウィーンへ:レイルジェット:RJ373:1等ビジネスクラス:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
18,ウィーン:ノヴム ホテル プリンツ オイゲン(Novum Hotel Prinz Eugen):Economy:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
2020年3月3日火曜日(車内泊)
19,ウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof):ÖBBラウンジ:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
20,ウィーンからグラーツへ:レイルジェット:RJ71:1等車:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
21,グラーツ中央駅(Graz Hauptbahnhof):ÖBBラウンジ:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
22,グラーツからセントゴットハールドへ:S3・R4712:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
23,セントゴットハールドからソンバトヘイへ:R9113:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
24,ソンバトヘイからショプロンへ:R9163:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
25,ショプロンからドイチュクロイツへ:REX7640:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
26,ショプロンからウィーナー・ノイシュタットへ:R7156:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
27,ウィーンからデュッセルドルフへ:ナイトジェット:NJ40490:2020/3/3【2020/2ヨーロッパ】
2020年3月4日水曜日(フランクフルト泊)
28,デュッセルドルフからアムステルダムへ:ICE220:1等車:2020/3/4【2020/2ヨーロッパ】
29,アムステルダム中央駅(Station Amsterdam Centraal):NSラウンジ:2020/3/4【2020/2ヨーロッパ】
30,アムステルダムからハノーファーへ:IC147:1等車:2020/3/4【2020/2ヨーロッパ】
31,ハノーファーからフランクフルトへ:ICE1675・ICE377:1等車:2020/3/4【2020/2ヨーロッパ】
32,フランクフルト:ホテルモノポール(Hotel Monopol):Small single room:2020/3/4【2020/2ヨーロッパ】
2020年3月5日木曜日(機内泊)
33,フランクフルトからアシャッフェンブルクへ:RE55 4603:1等車:2020/3/5【2020/2ヨーロッパ】
34,アシャッフェンブルクからクライルスハイムへ:RE4383:2020/3/5【2020/2ヨーロッパ】
35,クライルスハイムからカールスルーエへ:IC2160:1等車:2020/3/5【2020/2ヨーロッパ】
36,カールスルーエからフランクフルト空港へ:ICE108:1等車:2020/3/5【2020/2ヨーロッパ】
37,フランクフルトからソウル(仁川)へ:アシアナ航空542便:2020/3/5【2020/2ヨーロッパ】
2020年3月6日金曜日
38,ソウル(仁川)から成田へ:アシアナ航空108便:2020/3/6【2020/2ヨーロッパ】
39,成田空港から東京駅へ:ジェイアールバス関東「エアポートバス東京・成田」:2020/3/6【2020/2ヨーロッパ】
※2012年のヨーロッパ(主にドイツ)旅行の記録はこちら