万葉線は、富山県高岡市の高岡駅と射水市の越ノ潟とを結ぶ、12.9kmの路面電車の路線である。厳密には、高岡駅から六渡寺までが高岡軌道線、六渡寺から越ノ潟までが新湊港線であるが、旅客案内上は「万葉線」という一体の路線として扱われている。
1948年に富山地方鉄道が高岡から伏木港までを開業させたのが、この路線の始まりである。後に、途中の米島口から新湊までの新湊線、新湊から越ノ潟を経て富山までの射水線が開通し、高岡から富山まで越ノ潟経由で線路が繋がった。ただ、1966年に富山新港建設に伴い線路が分断され、また1971年に米島口から伏木港までの路線も廃止となり、高岡側は現在の形となった。なお、新港建設で分断された富山側の射水線は、1980年に廃止となっている。
上述の通り、もともとは富山地方鉄道の路線であったわけであるが、1958年に高岡から新湊まで、1966年の線路分断の際に新湊から越ノ潟までが加越能鉄道に譲渡され、以降、加越能鉄道によって万葉線が運行されていた。ただ、1998年に、加越能鉄道が、国からの欠損補助打ち切りを期に万葉線の廃止とバス転換の意向を表明、それを受けて地元で検討、協議がなされ、富山県や高岡市、新湊市(現・射水市)等が出資して第三セクター「万葉線株式会社」を2001年に設立し、2002年に事業が引き継がれ現在に至る。
2022/10/21:万葉線:越ノ潟→高岡駅
今回は、富山駅から富山地方鉄道のバスで新港東口まで向かい、その停留所の目の前にある富山県営渡船堀岡発着場から渡船(越ノ潟フェリー)で越ノ潟に渡った。渡船の越ノ潟発着場の目の前が、万葉線の越ノ潟駅である。
万葉線の列車は日中15分間隔での運行であり、次の列車は14時22分である。堀岡発着場からの渡船が越ノ潟に到着したのは14時20分であったが、越ノ潟発着場の目の前が駅なので、慌てる必要はなかった。写真を撮った後、余裕を持って高岡駅行きに乗車することができた。
14時22分発の高岡駅行きは、1967年製造のデ7000形電車による運行であった。万葉線オリジナルの塗装に、居酒屋八五郎のラッピングがなされている。
車内はロングシートである。
出入口付近。
運賃表が掲示されていた。越ノ潟から高岡まで400円である。
降車ボタン。
後乗り、前降りで、運賃は後払いである。
天井には高岡市のマスコットキャラクター「利長くん」のシールが貼られていた。加賀藩の第二代藩主前田利長は、1609年に高岡に城を築き、城下町を作った。
整理券。
定刻14時22分に越ノ潟を出発した。越ノ潟から乗車したのは私だけであった。
沿線は単線であり、まずは越ノ潟を出て3つ目の中新湊、次いで六渡寺で越ノ潟行きと交換をした。
六渡寺までの新湊港線は専用軌道であるが、ここから先の高岡軌道線は併用軌道を走る。
吉久停留場にはホームがない。道路の一部が青色に塗られており、この部分が乗降場となる。道路脇に待合室がある。
新吉久停留場も同様である。
能町口停留場を出ると、JR氷見線の線路を越える。
米島口停留場の近くに万葉線本社と車両基地がある。
併用軌道を進む。
米島口停留場。
次の新能町停留場は、JR氷見線の能町駅が近くにある。
まもなく高岡駅である。
高岡駅では、万葉線は駅ビルの中へ進む。
終点の高岡駅には15時10分頃に到着した。越ノ潟からの運賃は400円であった。
万葉線の高岡駅停留所は、高岡駅ビル「Curun TAKAOKA」の1階にある。
2022/10/21:あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道:高岡→金沢
高岡から金沢へは、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道を利用する。2015年の北陸新幹線開通に伴い第三セクター化された、かつてのJR北陸本線の路線である。
次の列車は15時31分発の金沢行きである。
高岡駅の端には、城端線、氷見線の車両基地がある。
かつて北陸本線の時代には長大編成の特急や寝台特急も走っていたが、現在は最大でも6両編成だろうか。ホームの中間には柵が設置され、その先には行けないようになっていた。
15時31分発金沢行きは相当な混雑であった。富山県最後の駅である石動で少し空いたが、それでも立ち客が多い状況で倶利伽羅峠に入った。
石川県に入って最初の駅である倶利伽羅駅は、あいの風とやま鉄道とIRいしかわ鉄道の境界駅である。
倶利伽羅での乗降はさすがに少なかったが、七尾線との接続駅である津幡駅から先では再び乗客が増えた。
北陸新幹線の線路が近づくと、まもなく金沢に到着である。
金沢に近づく頃には、ラッシュ時の通勤列車のような状況であった。終点の金沢には16時10分に到着した。結局、金沢まで立ちっぱなしであった。
【2022/10北陸】(目次)
5,富山駅から越ノ潟へ:富山地方鉄道「14系統」:富山県営渡船(越ノ潟フェリー):2022/10/22【2022/10北陸】
6,万葉線:2022/10/21【2022/10北陸】【←本記事】
7,北陸鉄道石川線:北陸鉄道7000系:2022/10/21【2022/10北陸】
【日本の路面電車の乗車記録】
(北海道)
(東海・北陸)
14,豊橋鉄道東田本線:2020/1/11【2020/1東海】
5,富山ライトレール富山港線:2009/9/5【2009/9西日本】
(西日本)
16,浜寺駅前から天王寺駅前へ:阪堺電車:2022/8/28【2022/8近畿】
14,岡山電気軌道東山本線:2009/10/5【2009/10西日本】
(九州)
16,鹿児島市電:1系統・2系統:2022/9/11【2022/9九州】
18,鹿児島駅から鹿児島中央駅へ:鹿児島市電:2系統:1000形「ユートラム」:2021/12/13【2021/12九州】
【諸外国の路面電車の乗車記録】
(オーストラリア)
18,アデレード・メトロ:グレネルグ・トラム(Glenelg tram line):2013/2/21【2013/2オーストラリア】
(ヨーロッパ)
12,ドレスデン:路面電車:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
24,ベルリン:トラムM2系統:2012/2/27【2012/2ドイツ】
17,ベルリン:トラムM10系統:2012/2/27【2012/2ドイツ】
42,バーゼルの路面電車:2012/3/2【2012/2ドイツ】
(米国)
37,ロサンゼルス:メトロ・ブルーライン:2011/8/19【2011/8アメリカ合衆国】
11,シアトル:サウスレイクユニオンストリートカー(South Lake Union Streetcar):2011/8/13【2011/8アメリカ合衆国】
9,シアトル:リンクライトレール(Link light rail):2011/8/13【2011/8アメリカ合衆国】
(ロシア)
30,ハバロフスクの路面電車(1):2012/4/2【2012/3中国・ロシア】