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13,室戸から阿波海南へ:阿佐海岸鉄道:DMV:2023/10/21【2023/10四国】

投稿日:2023年12月6日

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DMVとは「Dual Mode Vehicle」、「デュアル・モード・ビークル」のことであり、線路と道路の両方を走行することができる車両である。日本では、JR北海道が2000年代初頭から開発、走行試験を行ってきたが、2014年、限られた資源を安全対策と北海道新幹線開通に集中させるという理由でDMVの導入を断念した。一方で、過疎化と少子化による乗客源に悩まされていた徳島県の阿佐海岸鉄道が、観光と地域の活性化を図り、2017年にDMVの導入を決定、こちらは順調に整備が進み、2021年12月に世界初のDMV営業運行を開始するに至った。

阿佐海岸鉄道のDMVは、平日の全ての便と土日祝日の1往復を除き、阿波海南文化村~道の駅宍喰温泉間を運行している。鉄道区間は阿波海南~甲浦の10kmで、こちらは1992年に阿佐海岸鉄道阿佐東線として開通した区間である。その前後の区間では自動車として運行する。阿波海南文化村から道の駅宍喰温泉まで、全線乗り通すと所要時間34分、朝は6時台から運行しているが、最終は17時台と早い。

なお、土日祝日の1往復は、甲浦からさらに南下して室戸まで足を伸ばし、全線乗り通すと約1時間半である。今回、乗車日が土曜日であるため、室戸まで直通する便が運行している。そこで、今回は室戸から阿波海南までDMVに乗ることにした。

DMVは全便予約制となっている。空席があれば予約なしでも乗車可能とのことであるが、確実に乗車したいのであれば予約するのが良い。予約は、高速バス予約でお馴染みの「発車オーライネット」で扱っており、座席指定も可能となっている。室戸側の始発地である「海の駅とろむ」から阿波海南文化村までは2,400円であった。

 

2023/10/21:阿佐海岸鉄道:DMV:海の駅とろむ→阿波海南文化村

土日祝日のみ運行の阿波海南~室戸便の室戸側の始発は「海の駅とろむ」である。室戸発便は、海の駅とろむを13時48分に出発し、室戸岬、室戸世界ジオーパークセンター、むろと廃校水族館、道の駅東洋町で停車の後、甲浦駅から鉄道区間に入る。

「海の駅とろむ」は、高知東部交通の室戸営業所から徒歩5分ほどである。今回は、奈半利駅を12時21分に出る高知東部交通の室戸行きのバスに乗り、13時10分頃に室戸営業所に到着した。

室戸営業所は、海側を走る国道55号より一本山側に位置する。海の方へ向かう。

「海の駅とろむ」に至る道には大量の幟が立っていた。風が強く、幟はバタバタとはためいていたが、よく見るとDMVの宣伝であった。「世界初」という文字が躍っていた。

 

海の駅とろむにはバスの待合室がある。この建物の横には公衆トイレがあり、奥には室戸ドルフィンセンターがある。

室戸と甲浦を結ぶ高知東部交通のバスが停車する。

徳島バスの大阪行きも海の駅とろむが起点である。

 

DMVの阿波海南文化村行きは、13時48分に出発する。。

 

待合室内。

 

敷地内にある室戸ドルフィンセンターは、イルカと触れあうことができる施設である。

 

出発10分ほど前に、阿佐海岸鉄道DMV93形気動車が到着した。ベースとなった車体はトヨタ自動車のマイクロバス「コースター」とのことである。

 

車道用のゴムタイヤの前に、軌道用の鉄車輪が格納されている。

 

後方も、車道用のゴムタイヤの後ろに、軌道用の鉄車輪が格納されている。(阿波海南文化村にて撮影)

 

停車停留所。

 

車内は、一般的なマイクロバスのそれである。

降車ボタンが設置されている。

 

前にはバスでお馴染みの案内表示器がある。

 

発車オーライネットでは座席指定が可能なので、2Dを指定していた。進行方向左側で一番前の1人掛け席である。DMVはバスモードから鉄道モードに入る際に車体が持ち上がるが、前の席に座っていた方がそれを実感できると聞いていた。

座席に座って前を見る。

 

阿波海南文化村行きのDMVは、定刻13時48分に海の駅とろむを出発した。客は私と後もう1名であった。国道55号を室戸岬方向へ進む。

 

室戸岬には中岡慎太郎像がある。

 

13時54分に室戸岬に到着した。ここで多くの席が埋まった。先ほど奈半利からの高知東部交通のバスに乗っていた客も、何名かここから乗車してきた。

 

室戸岬を出ると、今度は北上する。

14時03分に室戸世界ジオーパークセンターに到着した。

 

14時09分に、むろと廃校水族館に停車する。2006年に廃校となった室戸市立椎名小学校を改修して2018年に開館した水族館である。

 

むろと廃校水族館を出ると、国道55号を40分ほど走る。

 

道の駅東洋町には14時48分に到着した。

 

道の駅東洋町を出ると、まもなく甲浦駅である。

 

甲浦駅には14時52分に到着した。

 

甲浦駅を出ると、スロープを上がり、かつての甲浦駅のホームの手前で一時停止する。

 

ここで、バスモードから鉄道モードに切り替わる。太鼓囃子にあわせて、車両前面がぐっと持ち上がる。車内からは見えないが、前のゴムタイヤは道路から離れ、前と後ろの鉄輪が線路に設置する。20秒ほどで太鼓囃子が終わり、「フィニッシュ」という音声で、鉄道モードへの移行が完了する。完了後、運転手が一旦外に出て確認をする。

 

ちなみに、ゴムタイヤは、前輪は浮くが、後輪は線路に接する。この線路に接した後ろのゴムタイヤが駆動輪となる。鉄車輪はガイド役にすぎない。

甲浦を出発した。速度が遅いからなのか、「ガタンゴトン」ではなく、「ガッタン、ガッタン」というジョイント音で進む。スムーズな走行であり、乗り心地も問題ない。

 

甲浦と宍喰の間に県境があり、DMVは高知県から徳島県に入った。

宍喰駅の手前に車両基地があり、かつて阿佐海岸鉄道で運用に就いていたASA-300形気動車が停車していた。

 

宍喰駅には14時58分に到着した。

 

短いトンネルがいくつも続く。

 

海部駅には15時05分に到着した。海部駅には、かつて阿佐海岸鉄道で運用に就いていたASA-100形気動車が停車していた。

DMVで運行する前は、阿佐海岸鉄道とJR牟岐線の境界駅はこの海部駅であった。ただ、DMVでの運行にあわせて、海部~阿波海南間の1.5kmがJR四国から阿佐海岸鉄道に編入、境界駅は阿波海南駅となった。

 

車窓から。

 

阿波海南駅が見えてきた。正面がJR牟岐線の阿波海南駅であるが、JRと阿佐海岸鉄道の線路は繋がっていない。

 

停留場に入る前に、鉄道モードからバスモードへ切り換える。再び太鼓囃子が流れ、それにあわせて、持ち上がっていた前面がぐっと下がる。鉄輪が格納され、前のゴムタイヤが地面に設置する。

 

阿波海南駅には15時12分に到着した。徳島方面の牟岐線に乗り換える場合はここで降りるのが良いが、次の徳島行きは16時08分である。時間があるので、終点の阿波海南文化村まで乗っていくことにした。

阿波海南駅からはバスモードで車道を走行し、終点の阿波海南文化村には15時15分に到着した。

 

阿波海南文化村は、博物館や食堂があわさった複合施設である。既にこの時間帯は食堂は閉まっていたが、お土産物を売る売店は営業していた。

 

阿波海南文化村を少し見学した後、バス停に戻ると、15時38分発の道の駅宍喰温泉行きDMVが停車していた。

 

阿波海南文化村から阿波海南駅までは約1km、徒歩15分ほどである。時間があるので歩いた。

 

阿波海南駅。

 

少し待つと、先ほど阿波海南文化村で停車していた道の駅宍喰温泉行きのDMVが阿波海南駅に到着した。

阿波海南駅でバスモードから鉄道モードに変更する。車体前部の鉄輪が出てきて、車体が持ち上がる。

 

鉄道モードになると、甲浦へ向けて出発していった。

 

【2023/10四国】(目次

12,奈半利から室戸へ:高知東部交通:安芸・室戸線:2023/10/21【2023/10四国】

13,室戸から阿波海南へ:阿佐海岸鉄道:DMV:2023/10/21【2023/10四国】【←本記事】

14,阿波海南から徳島へ:JR牟岐線:1200形:2023/10/21【2023/10四国】

 

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