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19,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(1):2013/2/22【2013/2オーストラリア】

投稿日:2019年8月10日

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2012年2月22日火曜日。この日はジ・オーバーランド(The Overland)号でメルボルンに移動する。この列車は、オーストラリアの長距離観光列車を運営する"Great Southern Rail"が運行している列車で、メルボルンとアデレードの828kmを10時間ほどかけて運行する。

この列車の起源は、1887年まで遡る。その頃は、"Adelaide Express"あるいは"Melbourne Express"と呼ばれていたらしい。勿論観光列車ではなく、れっきとした都市間特急列車であったと思われる。1926年に"The Overland"と改称され、今に至るという。"Overland"という名称は、"overlander"、平原を移動する冒険家から来ているという。

かつては、寝台車や食堂車、コンパートメントなどで構成された、豪華な編成であったという。一部の車両は、ポートアデレードの鉄道博物館にも展示されていた。しかし、現在は、日中の運行となり、座席車のみの編成であり、食堂車も連結されていない。運行も週3日間のみと、寂しい感じである。

ジ・オーバーランドの乗車券は"Great Southern Rail"の公式WEBから、WEB限定、キャンセル・変更不可という制約付きの割引乗車券を購入していた。クレジットカード手数料や燃料サーチャージなどの諸経費も込みで、AUS$62であった。

"Great Southern Rail"からメールで送られてきたチケットによると、出発1時間前までにチェックインをする必要があるらしい。アデレードを出発するのは7時40分であるから、6時40分には駅に着いている必要がある。列車に乗るのに1時間前に駅にいなくてはならぬというのは解せないが、観光客向けの列車であるから、そういうものなのかもしれぬ。

また、ジ・オーバーランド号は、ホテルの向かいにあるアデレードの中央駅ではなく、郊外のパークランズターミナル(Parklands Terminal)から出発する。地図を見る限り、タクシーで10分くらいだろうが、タクシーがすぐに来るかは分からない。不安であれば前日にフロントで予約しておけばよいのだが、そこら辺はなんとかなるだろうという性格のため、何もしない。

 

目覚ましを5時20分にかけて眠りにつくが、寝坊したら計画がおじゃんになるので、その不安で、逆になかなか眠れない。ただ、それでも少しは眠ったようで、目を覚ましたら5時であった。二度寝したら起きられなさそうなので、起きて身支度を調える。

5時50分にホテルをチェックアウトする。フロントでタクシーを呼んでもらう。

ほんの2、3分でタクシーが来る。そのタクシーに乗り、パークランズターミナルへ向かう。運転手が、どこへ行くのかと聞いてくる。今日はメルボルンに行き、明日は列車でシドニーへ行くというと、笑っていた。鉄道に乗りにオーストラリアまで来たのかと聞くので、その通りだと答える。

アデレードの感想を聞かれたので、静かで良い街だが、ちょっと物価が高い、バスの初乗りが5ドル近いのはいかがなものかと言うと、全く以てその通りであるとの回答であった。物価の高さは、オーストラリア人も感じているようである。

駅まではタクシーで15分ほどで、6時10分に駅に到着した。代金はメーターでAUS$16.10也。これは日本とほとんど変わらないだろう。

この駅を利用するのは"Great Southern Rail"の列車だけのようである。あまり大きくはない。駅舎はわりと新しめに見える。

入ってすぐのところに、空港と同じようなチェックインカウンターがある。メールで送られてきたバウチャーを見せると、預ける荷物について聞かれる。スーツケースを預ける。バウチャーに引換券がホチキスされる。7時10分に乗車開始との説明を受ける。

荷物の引換券。

駅舎内の待合スペース。

時間が早すぎるせいか、まだ客はほとんどいない。構内にはカフェがあり、ここで朝飯にする。

大きなクロワッサン1つとコーヒーでAUS$9.10だったか。駅構内ということで高めの値段設定なのだろうが、もはやあきらめの境地である。クレジットカードを出すと、手数料を取るとのことであった。現金で支払う。クロワッサンは焼いて、さらにバターとジャムを添えて提供してくれる。美味しいが、腹にはたまらない。

売店が開いたので中を覗いてみる。ザ・ガン(The Ghan)とインディアンパシフィック(Indian Pacific)に関連するグッズは、例えば帽子、Tシャツやトランプ、コップ、キーホルダー、写真集など種々の物が売られていた。しかし、これから乗車するジ・オーバーランドのグッズは売られていない。歴史あるジ・オーバーランドはおまけに過ぎないのかと、いささか残念な感じであるが、何日も走り続けるザ・ガンなどと比べてインパクトが小さいのだろう。車内の売店を期待する。ちなみに、グッズは、物にもよるが比較的安価であった。

 

2013/2/22:Great Southern Rail:The Overland:Adelaide (Parklands Terminal) → Melbourne (Southern Cross Station)

アデレード7時40分発のメルボルン行き、ジ・オーバーランド(The Overland)号は、7時10分に乗車開始となる。ホームに出る。

乗車前に車両を確認する。先頭はディーゼル機関車である。

その後ろに、"Red"と名付けられた2等車が3両連結されている。ただ、前1両は全てのカーテンが閉じており、客扱いはされていない。2等車の次にカフェテリア。さらに後ろに"Red Premium"と名付けられた1等車が2両連結されている。2等車と1等車の違いは、座席が2+2か1+2かということと、若干の車内サービスにあるらしい。最後尾は荷物車である。チェックインの際に預けた荷物は、ここに置かれることになる。

ジ・オーバーランド号のロゴはエミューである。

奥の線路には、ザ・ガンの車両が停車していた。

車掌による切符の確認を受けて、"Red"の車両に入る。車内には、2+2の配置で座席が並んでいる。転換リクライニングシートで、全席が進行方向を向いている。

シートピッチはそこそこ広い一方で、窓と合っていない座席がある。私の席はギリギリ大丈夫であった。

しかし、右前の席はすぐ横が壁であった。さすがに、その席に指定された老夫婦は、車掌に交渉していた。

私の席は通路側であったが、アデレードでは隣客は来ない。来たら移動しようと思い、窓側に移る。結局、メルボルンまで隣客は来なく、窓側に座っていた。

座席の座り心地はよい。見た目以上にクッションが効いており、体にフィットする。座席の肘置きにはテーブルが収納されている。

背面ポケットには車内誌と売店のメニュー表が入れられてある。

客層だが、老夫婦が多い。あまり混雑しているという風はなく、空席も目立った。

デッキと車内を仕切る戸はない。さらに、車いす対応の大型のトイレのドアは客室側に向いているので、一番前に座っている人はトイレのドアと対面することになる。また、トイレの戸は押しボタン式の自動ドアであり、ロックも分かりづらいからかロックせずに使用している人も多かった。ロックがかかっていないからとトイレのボタンを押し、中の人と外の人がお互いに動揺しているということが、少なくとも2回はあった。

 

【2013/2オーストラリア】(目次

18,アデレード・メトロ:グレネルグ・トラム(Glenelg tram line):2013/2/21【2013/2オーストラリア】

19,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(1):2013/2/22【2013/2オーストラリア】【←本記事】

20,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(2) :2013/2/22【2013/2オーストラリア】

21,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(3):2013/2/22【2013/2オーストラリア】

22,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(4):2013/2/22【2013/2オーストラリア】

 

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