「リゾートビューふるさと」は、土・日・祝日を中心に、長野と南小谷を松本経由で運行する臨時快速列車である。篠ノ井線姨捨駅から見る善光寺平、大糸線沿線から見る北アルプス、仁科三湖と、風光明媚な区間を走行するほか、沿線には観光地が多い。また、往路の南小谷行きでは、民話の語りや尺八・太鼓の演奏が行われたり、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で中断されているものの、穂高駅では30分の停車時間中に穂高神社参拝のツアーが実施されたりするという。
車両は、「リゾートビューふるさと」専属のHB-E300系ハイブリッド気動車が用いられる。2010年に製造されたこの車両は、ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせ、駆動力に電気モーターを使用しているという。先日、「ナイトビュー姨捨」で乗車した車両であるが、むしろ「リゾートビューふるさと」での運用が本業である。
2021/9/26:JR大糸線・篠ノ井線・信越本線:快速リゾートビューふるさと:白馬→長野
2021年9月26日日曜日。
長野から白馬まではバスで1時間であるが、列車を使うと松本経由となり、だいぶ大回りとなる。往路は14時に長野を出るバスに乗り、白馬駅に15時に到着した。せっかくなので帰りは列車にしようと思う。ちょうどこの日は臨時快速リゾートビューふるさとの運行日であり、白馬の出発が15時35分である。この列車は全車指定席であるが、えきねっとで予約状況を確認すると空席が多かったので、これに乗車することにした。
さて、白馬駅には有人の窓口がなく、「話せる指定席券券売機」が1台あるのみであった。長野までの乗車券と指定券は、既にえきねっとで予約を済ませており、発券するだけである。前に3名いたが、並び始めたのが15時10分であり、出発までまだ20分以上あるから大丈夫だろうと思っていた。ただ、前の2人の客は使い慣れておらず、コールセンターのオペレーターに問い合わせている。白馬駅にも駅員がいるので、その駅員が様子をうかがいサポートをするものの、切符の発券はオペレーターが行う。
前の2人が終わったのは15時30分であった。その次の客は幸いにもすぐに終わったが、私の番になったときには出発3分前で、すでに列車は入線していた。白馬駅の駅員が気を利かせて「どの列車に乗りますか」と聞いてきたので、「あの列車です」と告げる。さすがに駅員の表情が曇ったが、「えきねっとで予約してます」と告げると途端に安心した表情になる。えきねっとで予約している場合は、「えきねっと予約の受取」を押して、クレジットカードを挿入して列車を確認するだけで発券可能である。1分とかからず切符を購入できた。
ちなみに、発券に20分近く要した件の客も、聞いている限り、乗り継ぎが何度かある経路ではあったものの、複雑な経路の切符を所望していたわけではなかった。従来のような窓口での購入であればここまで時間がかからなかったのではないかと思う。
いずれにせよ、私の場合、「えきねっとで決済しているから発券は出発直前で」となりがちであるが、駅によっては20分以上時間があっても油断はできないなと感じた。
乗車券。白馬から長野までは2,310円である。アルピコ交通のバスは2,200円なので、バスの方が安い。
リゾートビューふるさとは全車指定席であり、指定席券は530円である。白馬から長野までは2時間55分である。
発券には時間がかかったが、15時35分発のリゾートビューふるさと長野行きには無事に乗車することができた。乗車前に写真を撮る余裕もあった。
白馬駅駅名標。
乗車列車。
全車指定席の列車であるが、松本まではワンマン運転である。
車内は空席が多かった。
座席。シートピッチは1200mmで、一般的なグリーン車よりも広い。
枕部分には"RESORT HYBRID"の文字が刻まれている。
頭上には何カ所かにモニターがあり、この列車では、前面に設置されたカメラの映像が映し出されていた。そのため、先頭にいなくても前面展望が可能である。
1号車の後ろの席には、長野県のマスコットキャラクター「アルクマ」が座っていた。
窓には、様々な「アルクマ」のステッカーが貼られていて、見ていて楽しい。
【→車内の様子についてはナイトビュー姨捨の乗車記録も参照】
リゾートビューふるさと長野行きは、定刻15時35分に白馬を出発した。駅員がホームに出てきて、手を振って見送ってくれた。
列車はワンマン運転であるが、アテンダントが乗務していた。南神城を出ると、アテンダントが、車内放送でこれから見える仁科三湖の案内をする。まもなく、進行方向右側に青木湖が見える。列車は時速30kmまで速度を落として走行する。
青木湖が終わると、次いで、中綱湖である。
中綱湖の先端まで来ると、簗場駅である。
そこから少し距離があって、海ノ口駅の手前から木崎湖が見える。
アテンダントが車内販売に回ってきた。「つがいけ雪どけサイダー」を購入した。200円である。
名前の通り、栂池の雪どけ水で作ったという
信濃大町駅には16時15分に到着した。白馬から信濃大町まで、普通列車は36分で走るが、この列車は、徐行運転をしていたため、ノンストップでちょうど40分である。
信濃大町では7分停車した。
信濃大町を出ると、松本まで、信濃松川と穂高に停車する。
アテンダントの案内によると、大糸線は、架線柱を北アルプスと反対側に設置しているところが多いという。
安曇追分駅では、普通信濃大町行きとのすれ違いのため数分停車した。
車窓から。
一日市場でも信濃大町行きの列車とすれ違うために停車した。一日市場と書いて「ひといちば」と読むことを、駅名標で初めて知った。
梓川を渡る。まもなく松本である。
松本には17時15分に到着した。ここで8分停車して、進行方向を変える。アテンダントが、車内を回って座席の向きを転換した。
少しホームに降りてみた。
17時23分、列車は、進行方向を変えて松本駅を出発した。
田沢駅の手前で、犀川と奈良井川の合流地点がある。犀川は、上流部では梓川と呼ばれる。先ほど大糸線で渡った川である。アテンダントが車内放送で案内をしてくれた。
再びアテンダントが車内販売に回ってきた。ホットコーヒーを注文した。300円也。
その後、アテンダントが、今度はゴミ袋を持ってゴミ回収に回ってきた。空いているからということもあるのかもしれないが、大変親切である。
聖高原駅で大月行きの列車とすれ違う。
姨捨には18時06分に到着した。往路の南小谷行きはここで16分停車するが、復路はすぐの出発である。隣のホームには、しなの鉄道の観光列車「ろくもん」が停車していた。「ろくもん」は車内で食事が提供される列車であり、見たところ、席はかなり埋まっているようであった。
姨捨を出ると、右手に日本三大車窓となっている善光寺平を見つつ山を下り、篠ノ井に18時20分に到着する。
白馬を出て2時間55分、終点の長野には18時30分に到着した。
【JR篠ノ井線の乗車記録】
長野から姨捨へ:JR篠ノ井線:快速ナイトビュー姨捨:2021/9/24
長野から松本へ:JR篠ノ井線:特急しなの6号:2021/9/20
塩尻から長野へ:JR篠ノ井線:特急しなの11号:グリーン車:2021/9/11
7,姨捨駅(長野県・JR篠ノ井線):2006/12/2【2006/12信越】
【JR大糸線の乗車記録】
10,松本から糸魚川へ:JR大糸線:2007/5/15【2007/5甲信越】
【観光列車の乗車記録】
(JR北海道)
10,JR釧網本線:くしろ湿原ノロッコ号:2018/8/27【2018/8北海道】
10,JR富良野線:富良野・美瑛ノロッコ6号:2006/7/30【2006/7北海道】
(JR東日本)
長野から姨捨へ:JR篠ノ井線:快速ナイトビュー姨捨:2021/9/24
平泉から盛岡へ:JR東北本線:ジパング平泉3号:2017/5/5
3,JR米坂線・山形鉄道フラワー長井線:臨時快速「風っこ花回廊1号」:2009/6/7【2009/6山形】
3,三陸鉄道北リアス線・JR山田線:さんりくトレイン北山崎号:2007/8/4【2007/8岩手】
7,五所川原から秋田へ:JR五能線:快速リゾートしらかみ4号:2006/2/18【2006/2北東北】
(JR西日本)
10,JR木次線:奥出雲おろち号:2009/10/4【2009/10西日本】
(私鉄各社)
長野電鉄:観光案内列車「特急ゆけむり~のんびり号~」:2021/9/25
8,会津若松から会津田島へ:会津鉄道:お座トロ展望列車・会津浪漫花号:2020/10/10【2020/10東北】
6,津軽鉄道・ストーブ列車:2006/2/18【2006/2北東北】
(アメリカ合衆国の観光列車)
35,サンペドロ:ウォーターフロント・レッドカーライン(Waterfront Red Car):2014/9/20【2014/9コロンビア】
(オーストラリアの観光列車)
19,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(1):2013/2/22【2013/2オーストラリア】