宮島口から宮島までは、JR西日本グループのJR西日本宮島フェリーと、広島電鉄グループの宮島松大汽船がフェリーを運航している。乗り場の建物は同じで、乗り場も隣り合っている。料金も同じである。船会社にこだわりがなければ、次に出る方に乗れば良い。
そもそもなぜ宮島へのフェリーをJR西日本グループが運行しているのかであるが、宮島連絡船は、JR山陽本線の前身である山陽鉄道が、1903年に地元の「宮島渡船株式会社」を買収して運行を開始した。1906年に山陽鉄道が国営化されると、宮島連絡船も国鉄が運航する鉄道連絡船の一航路となった。1987年の国鉄民営化にあわせてJR西日本が宮島連絡船も引き継ぎ、その後、2009年にJR西日本完全子会社のJR西日本宮島フェリー株式会社が引き継いで今に至る。
今回、私は青春18きっぷを使っているので、JR西日本宮島フェリーの方に乗船する。こちらであれば青春18きっぷで追加料金なく乗船可能であり、青春18きっぷで乗船可能な唯一の航路である。なお、広島電鉄系のフリー乗車券を持っている場合は、宮島松大汽船が対象となる。
なお、2023年10月1日以降は、宮島への訪問に当たって宮島訪問税が徴収されることになった。青春18きっぷでの乗船の場合にも宮島口で100円の宮島訪問税切符を購入する必要があるという。
2023/9/8:JR西日本宮島フェリー:宮島口→宮島
広島駅から路面電車に乗り、宮島口に11時35分に到着した。次の予定があるので2時間しか時間がないが、宮島へ渡ることにした。宮島口旅客ターミナルは、広電宮島口停留場に隣接しており、JR宮島口駅からも1本道を徒歩5分程度である。
宮島口のフェリーターミナルから、11時40分発の宮島行きに乗車した。宮島口側には切符売り場はあるものの改札口はない。係員は、私が持っていた青春18きっぷを見て、そのまま船へどうぞと言った。
JR西日本宮島フェリーは、現在、3隻の船を運航している。この便は「みせん丸」での運航であった。船名の「みせん」は、宮島にある山「弥山」から来ている。1996年就航、3階建ての船で総トン数210トンとのことである。
客も車も同じところから乗船する。
1階が車両甲板で、階段を上がって2階が船室、3階がデッキとなっている。2階も、外側は外に面した通路となっている。3階のデッキも船室も既に客でいっぱいだったので、2階の進行方向右側の通路に立った。
11時40分、定刻に宮島口を離れる。船は前後に駆動装置を持つ両頭船であり、方向転換の必要はなく、真っ直ぐに宮島に向けて進む。
JR西日本宮島フェリーは、9時10分から16時10分の間に宮島口を出発する便を「大鳥居便」として、大鳥居に接近して運航する。宮島松大汽船ではこのサービスはなく、JR西日本宮島フェリー独自のサービスである。思うに、宮島松大汽船が鳥居の近くを通ろうとすると、JR西日本宮島フェリーの航路を横断する必要があるので、難しいのだろう。
今回は進行方向右側のデッキに立っていたので、鳥居を近くで見ることができた。
案内によると、現在の鳥居は、平清盛が創建したとされている平安時代のものから数えて9代目であり、海に埋められているのではなく置かれており、鳥居の重みで立っているのだという。
大鳥居の前を通り、宮島桟橋へ向かう。
宮島桟橋には11時50分に到着した。
宮島に来たからには、厳島神社を見ておくことにした。
海岸沿いの道を歩き、厳島神社へ向かう。修学旅行生をしばしば見かける。
宮島口側を見る。
宮島桟橋行きのJR西日本宮島フェリー「みやじま丸」。
この辺りには鹿がいた。
宮島側から見た鳥居。
厳島神社の拝観料は300円、宝物館も一緒に見学するのであれば500円である。そこまで時間はないので、神社のみを見ることにして300円払って中に入った。写真では何度も見たことのある朱色の回廊を歩く。
回廊は一方通行で、出口は入口と反対側である。15分程度で見終えて、神社の外を通って入口の方へ戻る。
歩いていると食事処があり、その入口のところでは焼牡蠣を販売していた。
2個500円であった。注文すると、その場で焼いてくれる。美味しくいただいた。
宮島桟橋へ戻る途中に、お土産物屋や食堂が並ぶ表参道商店街がある。
宮島にもスターバックスコーヒーがあった
まだ時間があるので、宮島名物のあなごめしを食べることにした。昼食時なのでどこも混雑していたが、たまたま客がぞろぞろと出てきて、待ち客もいなかった武田風林亭という店に入った。
あなごめしを注文した。2,280円也。そのほかにかきフライ定食、あなご柳川丼がおすすめのようである。
あなごめし。ご飯の上に穴子が敷き詰められている。美味しくいただいた。
支払いは、クレジットカードや電子マネーなど各種キャッシュレス決済にも対応していた。
2023/9/8:JR西日本宮島フェリー:宮島→宮島口
13時前に宮島桟橋に戻ってきた。
宮島桟橋でも、JR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船は同じ建物を使用している。そのほか、広島市内へ直行する高速船も出ている。
JR西日本宮島フェリー側には、駅でよく見かける自動券売機があり、宮島口経由でのJR線の切符もここで購入することができる。
改札口。
帰りは、13時10分のフェリーで宮島口まで向かう。フェリーが到着すると、改札口が開けられる。
すぐ隣からは、宮島松大汽船のフェリーが出発する。
JR西日本宮島フェリーの「ななうら丸」は、この時間帯はお休みのようである。
13時10分の宮島口行きは「みやじま丸」での運航であった。2006年就航、総トン数254トンである。
3階の展望デッキで過ごす。展望デッキにはベンチが並んでいる。(宮島口到着後に撮影)
宮島口行きは大鳥居の前を通らないが、横から見ることはできる。
宮島行きの「みせん丸」とすれ違った。
宮島口が徐々に近づく。
13時20分に宮島口に到着した。
到着すると同時に下船が開始し、ある程度落ち着くと、宮島行きの乗船も同時進行で始まる。
2023/9/8:JR山陽本線:普通:宮島口→岩国
宮島口の旅客ターミナルから宮島口駅までは1本道で徒歩5分ほどである。ターミナルを出ると、正面にJR宮島口駅が見える。
宮島口駅前の交差点は横断歩道がなく、地下道を通る必要があるのが少し面倒ではあるが、それでもすぐに着く。
宮島口駅。
改札口を通り、すぐのところが岩国方面の1番線である。
13時42分発の岩国行きの列車に乗った。
岩国には14時04分に到着した。
【2023/9九州】(目次)
4,広島から宮島口へ:広島電鉄2号線:2023/9/8【2023/9九州】
5,JR西日本宮島フェリー:宮島連絡船:2023/9/8【2023/9九州】【←本記事】
6,錦川鉄道錦川清流線:2023/9/8【2023/9九州】
【フェリー乗船記録】
(中・長距離)
15,北九州(門司)から東京へ:オーシャン東九フェリー「フェリーしまんと」:(1)2人個室:北九州→:2023/7/15【2023/7九州】
5,鹿児島から那覇へ:マリックスライン「クイーンコーラルクロス」:(1)1等室:2023/3/9【2023/3沖縄】
10,苫小牧から八戸へ:シルバーフェリー「フェリーはちのへ」:2007/3/14【2007/3北海道】
23,苫小牧から八戸へ:シルバーフェリー「べが」:2006/8/2【2006/7北海道】
(短距離)
16,島原から熊本へ:熊本フェリー「オーシャンアロー」:2022/12/25【2022/12九州】
17,桜島フェリー「第十六櫻島丸」「第二桜島丸」:2022/9/11【2022/9九州】
12,志布志駅から鹿児島中央駅へ:鹿児島交通:鴨池・垂水フェリー:2022/9/10【2022/9九州】
4,金谷から久里浜へ:東京湾フェリー「かなや丸」:2020/10/3【2020/10千葉・神奈川】
10,メラクからバカウニへ:スンダ海峡フェリー:2017/3/10【2017/3インドネシア】
23,スラバヤからデンパサールへ(2):バリ海峡フェリー・バス:2013/3/23【2013/3インドネシア】
35,ハンブルクからコペンハーゲンへ:ICE33(渡り鳥コース):2012/3/1【2012/2ドイツ】
30,ワシントン州フェリー(Washington State Ferries):2011/8/17【2011/8アメリカ合衆国】
25,宇野から高松へ:四国フェリー「第一しょうどしま丸」:2009/9/9【2009/9西日本】