錦川鉄道錦川清流線は、山口県の川西と錦町との間の32.7kmを錦川に沿って運行する路線である。1960年に国鉄岩日線として川西から河山までが開業、1963年に錦町まで延伸した。国鉄岩日線は、岩国と島根県の日原を結ぶ路線として計画されていた。日原は山口線の駅で、「山陰の小京都」と言われる津和野から益田方へ2つ進んだところである。ただ、錦町より先は開通することはなく、1987年に第三セクター鉄道の錦川鉄道に経営移換され、現在に至っている。
現在、錦川鉄道の列車はすべて川西でJR岩徳線に乗り入れ、岩国~錦町間を1日10往復運行する。
2023/9/8:錦川鉄道錦川清流線:岩国→錦町
宮島口から乗車したJR山陽本線の列車は、岩国に14時04分に到着した、ここで14時25分発の錦町行きに乗り換える。
錦川清流線の列車は、岩国駅では0番線からの出発である。
車両はNT3000形である。新潟トランシス製の気動車で、地方ではよく見かける顔つきの車両である。錦川鉄道には4編成が在籍しており、定期列車はこの車両で運行される。4編成とも塗装は異なり、今回乗車したNT3001は青色の「せせらぎ号」であった。車体には錦川を泳ぐ魚だろうか、そのようなイラストが描かれている。
ドアは半自動式である。
車内。(写真の一部は後ほど錦町で撮影)
車内中程は転換クロスシートとなっている。
小型のテーブルが用意されている。
枕カバーは2種類あった。1つには錦川清流線の路線図が書かれていた。
もう1つは、錦町駅から雙津峡温泉までを土日祝日に走る「とことこトレイン」の案内であった。この「とことこトレイン」は、錦町駅を出ると、その先の鉄道開通を見越して整備されていた路盤を活用した道を走るらしい。
ドア付近はロングシートとなっている。
トイレは車いす対応の洋式トイレである。
消臭用だろうか、炭が置かれていた。
車内側から見たドア。
列車は定刻14時25分に岩国を出発した。乗客は10名ほどであった。
岩国を出ると、列車はJR岩徳線を川西まで走る。
岩国の次は西岩国に停車する。自動案内で駅の案内が入る。西岩国駅は、1929年に岩国駅として開業、駅舎は洋風建築で、外側から見ると錦帯橋をイメージしたものとなっているという。
錦川を渡る。この辺りでは川幅は広い。
川西を出ると、しばらくはJR岩徳線の線路を走り、川西駅から1.9kmのところにある森ヶ原信号所で岩徳線と分かれる。
山陽自動車道を潜ると、まもなく山陽新幹線との接続駅である清流新岩国である。
夜行バスに乗ると、決まってこの時間に眠くなる。行きは寝ていくことにした。
目を覚ますと、山中を走っていた。右側には錦川が寄りそっている。川西の手前で見た錦川と比較して、川幅はだいぶ細い。
まもなく、清流みはらし駅を通過した。清流みはらし駅は南桑と根笠の間にある臨時駅で、そもそも駅に通じる道がない。錦川清流線のイベント列車のみが停車する。列車からしかアクセスができず、錦川の風景を眺めるために作られた臨時駅である。
清流である。
まもなく錦町に到着する。
終点の錦町には15時34分に到着した。川西から錦町までの料金は980円である。車内で精算をする。
錦町駅には車庫がある。黄緑色の「こもれび号」が停車していた。
その後ろの基地の中にはピンク色の「ひだまり号」が見えた。
2017年に、もともとJR烏山線で運行していたキハ40形が導入された。現在ではイベント列車、臨時列車を中心に活躍しているという。
錦町駅のホームは高架上にある。
階段を降りて駅舎へ向かう。
錦町駅駅舎。
駅舎内。
自動券売機、窓口がある。また、写真右側には待合室があり、そこでは物産品の販売も行われている。
隣には2階建ての建物があり、2階に鉄道資料館がある。ジオラマと国鉄岩日線、錦川鉄道の写真が飾られていた。
錦町駅前。
2023/9/8:錦川鉄道錦川清流線:錦町→清流新岩国
折返し、16時02分発の岩国行きに乗車して、今度は山陽新幹線との接続駅である清流新岩国まで向かう。乗車券は自動券売機で購入した。890円也。
駅員による改札はなく、そのままホームへ向かう。
錦町駅の発車時刻表。
先ほどと同じ車両である。
柳瀬駅。錦川のすぐ横に位置する。
錦川に沿って走行する。
河山駅。
中国電力錦川第二発電所の脇を通過する。水力発電所である。
根笠駅。
車窓から。
清流みはらし駅を通過する。
車窓から。
南桑駅付近。住宅は錦川の向こう側に固まっており、駅と住宅の間には錦川に架かる吊り橋がある。
南桑駅と椋野駅の間に、「かじかの滝」という滝がある。車内の案内で教えてくれる。
椋野駅付近。
椋野駅を出ると、「清流の滝」という滝がある。列車は徐行をする。
車窓から。
16時37分に到着した北河内で、錦町行きと行き違いをする。
車窓が少し開けてきた。
行波駅付近。
守内かさ神駅。駅名の由来は、駅から徒歩10分のところにある「かさ神神社」であるという。
清流新岩国には16時57分に到着した。ここで降りる。
2013年まで、この駅は御庄という名であった。待合室は車掌車を流用したもので、待合室の上には「御庄駅」と書かれている。
待合室内にはベンチなどはなかった。
新岩国駅までは300mほど距離がある。乗り継ぎには10分以上見ておく必要があるだろう。
清流新岩国駅から見た新岩国駅。
清流新岩国駅の出口は1つで、川西方に下り階段がある。
階段を降りて、左へ曲がると新岩国駅への通路である。
300mほど歩くと、新岩国駅のコンコースに到着した。
2023/9/8:JR山陽新幹線:こだま855号:新岩国→徳山
新岩国からは、徳山まで新幹線で向かい、そこから山陽本線で本日の宿泊地である下関まで向かう。
新岩国駅は山陽新幹線の単独駅である。山陽本線などの在来線の乗り入れはない。駅構内は、やや古めの作りである。店も、コンビニがあるのみであった。
5連の木造アーチ橋で知られる錦帯橋の最寄り駅であり、バスで15分ほどである。
新岩国から徳山の間の新幹線特急料金は、自由席に乗車する場合に新幹線特定特急料金が適用され、870円である。乗車券は990円で、計1860円である。
17時23分発の山陽新幹線こだま855号博多行きに乗車した。700系7000番台8両編成であった。
【→山陽新幹線700系7000番台の乗車記録はこちら】
車窓に工場群が見えてくると徳山である。徳山には17時35分に到着した。
徳山駅。「ふくのふるさと」とのことである。
大分国東半島へ向かうスオーナダフェリーは徳山駅から300mほどのところにある港から出発する。
2023/9/8:JR山陽本線:普通:徳山→下関
徳山からは、17時57分発の普通下関行きに乗車した。列車は岩国始発で、通勤通学時間帯ということもあり混んでいたが、徳山で客の入れ替わりがあり、座席に座ることはできた。車両は115系3000番台4両編成であった。
終点の下関には20時04分に到着した。
【→山陽本線115系3000番台の乗車記録はこちら】
2023年3月のダイヤ改正から、山口県内の山陽本線はワンマン化された。今回乗車した列車もワンマン運転であった。
【2023/9九州】(目次)
5,JR西日本宮島フェリー:宮島連絡船:2023/9/8【2023/9九州】
6,錦川鉄道錦川清流線:2023/9/8【2023/9九州】【←本記事】
7,下関:下関ステーションホテル:スタンダード個室カプセル:2023/9/8【2023/9九州】