日田彦山線は、福岡県の城野と大分県の夜明の68,7kmを結ぶ路線である。もっとも、城野を始発・終着とする列車はなく、城野側ではすべての列車が日豊本線に乗り入れて小倉を始発・終着とする。添田~夜明間は2017年の九州北部豪雨で被災した後、2020年にBRTでの復旧が決定し、2023年8月から日田彦山線BRT「ひこぼしライン」として運行を再開した。
日田彦山線が走る筑豊地域は、かつて日本でも有数の石炭の産地であり、日田彦山線も、筑豊地域から北九州への石炭輸送のために敷設された路線に端を発する。1886年に豊州鉄道によって現在の田川伊田~田川後藤寺間が開業したのがその最初であるが、その後、複数の路線の開業や路線統合を経て、現在の城野~田川後藤寺~夜明の68.7kmが「日田彦山線」となったのは1960年のことである。
日田彦山線には2008年に一度通して乗車しているが、今回、BRT転換の区間も含めて改めて乗車してみることにした。
2024/12/30:JR日田彦山線:普通:小倉→添田
14時22分発の添田行きは、キハ147形2両編成であった。キハ147形は、JR九州で非電化区間のスピードアップを図るため、キハ47形の機関を換装し、高出力化改造を施した形式である。
基本は青帯のキハ147形であるが、今回乗車したのは、BRTひこぼしラインの開業を記念して2024年1月に運行を開始した、BRTひこぼしラインのロゴとラインカラーのラッピングが施された編成であった。
車内はセミクロスシートとなっている。(後程撮影)
ボックス席。
ドア横と車端部はロングシートであるが、トイレの隣はボックスになっている。
トイレは昔ながらの和式である。
ワンマン運転であり、ドア脇には整理券発行機が備わっている。
車内の窓やドア上は沿線の宣伝広告が貼られていた。
添田行きの列車は、小倉を4分遅れの14時26分に出発した。ボックスはすべて1人以上乗車しており、ドア横のロングシートに座った。
10分ほど日豊本線を走行し、14時38分に到着した城野で日田彦山線に入る。
城野から2つ目の志井公園駅は、北九州モノレールの終着駅である企救丘駅の最寄り駅である。
この辺りから、風景は長閑さを増してゆく。とはいえ、沿線には住宅も散見される。
車窓から。
15時02分に採銅所に到着した。「採銅所」という地名は、古代に香春岳で銅採掘が行われていたことに由来するという。東大寺の大仏に香春岳の銅が使われているという記録もあるらしい。
採銅所駅の駅舎は、日田彦山線の前身である小倉鉄道の開通に伴い1915年に建設されたものが、改修されたうえで使われている。
香春には15時08分に到着した。香春には日本セメント(現・太平洋セメント)の工場があり、かつては日本セメントへの専用線も敷かれ、1986年まで、日田彦山線は石灰石・セメント輸送も担っていたという。
日田彦山線は、香春を出ると、田川市の中心である田川伊田、田川後藤寺を経由して添田へ向かう。かつては、香春から添田までを添田線が比較的直線に近い経路で結んでいたが、1985年に廃線となっている。筑豊地域では、炭鉱輸送や炭鉱への通勤目的で敷設された路線の多くが、炭鉱が閉山した後、1980年代に廃線となっており、1985年4月には、添田線のほか、香月線、勝田線、室木線、矢部線が一挙に廃線となった。翌1986年4月に漆生線、国鉄民営化の後も1988年に上山田線、1989年に宮田線が廃線となり。糸田線、田川線、伊田線は、1989年に平成筑豊鉄道に転換された。
香春の付近では、車窓から太平洋セメントの工場が見える。
街に入り、彦山川を渡り、田川伊田には4分遅れの15時16分に到着した。
田川伊田は平成筑豊鉄道田川線、伊田線との接続駅である。ここで一定数の降車があり、ボックスに移った。
田川伊田を出ると、次は田川後藤寺である。
田川後藤寺には4分遅れの15時21分に到着した。後藤寺線、平成筑豊鉄道糸田線との接続駅である。ホームの向かい側には15時20分発の後藤寺線新飯塚行きが出発を待っており、そちらに乗り換える人もいる。
田川後藤寺までは、車窓から住宅も比較的多く見えたが、田川後藤寺から先は住宅も少なくなる。車内の乗客もだいぶ少なくなってきた。
終点の添田には、3分遅れの15時36分に到着した。ホームは1面1線で、対面で夜明方面のBRTに乗り換えられる構造となっていた。
【2024/12九州】(目次)
7,姫路から小倉へ:JR山陽新幹線:こだま849号(500系・ハローキティ新幹線)・のぞみ21号:2024/12/30【2024/12九州】
8,小倉から添田へ:JR日田彦山線:キハ147形:2024/12/30【2024/12九州】【←本記事】
9,添田から日田へ:日田彦山線BRT「ひこぼしライン」:2024/12/30【2024/12九州】
【キハ40系乗車記録】
(北海道)
8,苫小牧から鵡川へ:JR日高本線:キハ40形:2024/12/22【2024/12北海道】
9,五稜郭から七飯へ:JR函館本線:キハ40形:2021/3/20【2021/3北海道】
8,道南いさりび鉄道:キハ40形:2021/3/20【2021/3北海道】
(東日本)
3,JR米坂線・山形鉄道フラワー長井線:風っこ花回廊1号:2009/6/7【2009/6山形】
3,JR大湊線:快速しもきた:キハ40系:2006/7/29【2006/7北海道】
(西日本)
13,JR氷見線・城端線:キハ47形:2022/10/22【2022/10北陸】
13,長門市から下関へ:JR山陰本線:キハ40形・キハ47形:2021/12/25【2021/12西日本】
11,益田から長門市へ:JR山陰本線:キハ40形:2021/12/25【2021/12西日本】
(四国)
15,JR鳴門線:キハ47形:2023/10/21【2023/10四国】
(九州)
12,江北から長崎へ:JR長崎本線:キハ47形:2022/12/25【2022/12九州】
14,JR指宿枕崎線:キハ47形・キハ200系:2022/9/10【2022/9九州】
11,JR日南線:キハ40形・キハ47形:2022/9/10【2022/9九州】
8,JR三角線:キハ147形:2022/9/9【2022/9九州】
7,JR筑豊本線(1):2008/7/8【2008/7九州】