福島から大阪へは、福島交通と近鉄バスが共同で運行する夜行バス「ギャラクシー号」に乗車する。ギャラクシー号は、福島側では始発が福島高速バスターミナルで、福島駅、二本松バスストップ、郡山駅前、須賀川営業所、矢吹泉崎バスストップ、西郷バスストップに停車する。京都・大阪側では、京都駅八条口、梅田、近鉄なんば駅西口、あべの橋駅に停車し、福島発便のみ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの降車が可能である。なお、停留所名は福島交通のウェブサイトの表記に従った。
ギャラクシー号の福島交通運行便では、三菱ふそうの2階建てバス「エアロキング」が使用されている。エアロキングで運行する高速バスは、かつては東京や大阪などの大都市発着の路線でしばしば見られたが、2010年に三菱ふそうが製造・販売中止を発表してから10年以上が経ち、現在ではかなり少なくなっている。JRバス系列では2階建てバスの運行自体は継続しているが、ほとんどがスカニア社のアストロメガ(J-InterCity DD)に置き換えられている。また、近時の動向を見ても、2024年には、宇都宮と大阪を結ぶ関東自動車「とちの木号」がエアロキングでの運行を終了した。逆に、2024年8月、中国JRバスがJR東海バスから購入したエアロキングを「出雲・松江・米子ドリーム名古屋号」に投入した際には話題になった。
今回、私は、ギャラクシー号を、乗車3週間前に発車オーライネットで予約した。発車オーライネットではシートマップから座席を指定することができ、シートマップで2階建てバスであることが分かった。運賃は13,000円であった。年末の夜行バスは帰省や旅行で満席になることが多く、首都圏から大阪に向かうバスは1か月前の段階で早々に満席となっていた。ただ、福島発のギャラクシー号は、比較的余裕があるようで、後に2号車が設定されたが、当日でもわずかに空席があった。
2024/12/29:福島交通「47-2」:福島駅東口→福島北警察署
ギャラクシー号は始発が福島高速バスターミナルを19時35分に出発し、福島駅を20時に出発する。時間があるので、始発の福島高速バスターミナルまで行ってみることにした。福島高速バスターミナルは東北自動車道の福島飯坂ICに近いところにあり、路線バスは停車しないが、最寄りに福島北警察署の停留所がある。ちょうど、18時55分に福島駅を出るバスが、19時12分に福島北警察署に停車するので、このバスで向かうことにした。
福島駅の8番乗り場で、福島交通「47-2」五月乙女団地行きのバスを待つ。
3分ほど前に8番乗り場にバスが到着した。福島交通のバスではクレジットカードのタッチ決済が使用可能で、乗車時に端末にタッチする。
バスは定刻18時55分に福島駅を出発した。客は私だけであった。福島から仙台に向かう高速バスに乗車した際に通る道を進む。
定刻19時12分に福島北警察署に到着した。運賃は370円であった。結局、客は私だけであった。
バスが来た道を少し戻る。
突き当りの丁字路を左に曲がり、福島北警察署の前を進む。道は街灯の明かりが乏しく、暗い。
次の交差点には、福島高速バスターミナルを示す大きな看板があった。交差点を左折して、歩道もない暗い道を進む。
まもなく、福島高速バスターミナルに到着した。
2024/12/29:福島交通:ギャラクシー号:福島高速バスターミナル→ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
かつては成田空港行きのバスもここが始発であったと記憶しているが、現在ではこのバスターミナルで発着するのはギャラクシー号だけである。ターミナル内には駐車場があり、ここで車を止めてバスに乗ることができるらしい。
小さな待合室がある。
19時半過ぎにバスが到着した。本日のギャラクシー号は2台とも福島交通のエアロキングによる運行である。運転手は各車両に2名ずつ乗車している。
1号車に乗車して、指定された2階の10Cの席に座る。
車内はすでに照明が落とされており、写真を撮るには暗い。(一部翌朝撮影)
各座席にフェイスカーテンが設置されている。
座席前の網ポケットには車内誌とスリッパが入れられている。
座席は一般的な3列独立シートのそれで、足置き、レッグレストがある。
コンセントが設置されている。
車内のテレビモニターはブラウン管である。ただ、もう使われていないのか、乗車中は起動しなかった。
1階に洋式トイレがある。真空式ではなく、青い洗浄液が流れるタイプであった。
乗ってみれば、2階建ての夜行バスというのはそこまで良いわけではない。座席自体は一般的な夜行バスの3列独立シートと同様であるが、天井は低く、頭上の荷物入れも狭い。夜行バスであるからカーテンもしっかりと閉められており、2階建てバスの最大の特徴とも言える少し高いところからの車窓も楽しめない。とはいえ、どことなく特別感はある。
バスは、19時35分に福島高速バスターミナルを出発した。始発からの客は、1号車は2名であった。
19時49分に福島駅に到着した。ここで11分ほど停車する。2階には1名乗車した。福島駅からの客が少ないのは意外であった。
東北自動車道に入り、二本松バスストップで停車した後、21時に郡山駅に到着した。ここでまとまった乗車があり、ほぼ満席となった。21時05分に出発する。
21時28分に福島交通須賀川営業所に到着した。
その後、須賀川ICから東北自動車道に入り、21時45分に矢吹泉崎バスストップ、21時58分に西郷バスストップに到着した。ここが最後の乗車停留所である。
西郷バスストップを出ると、ここでやっと運転手から詳細な行程と車内の案内がある。本日は、東北自動車道、圏央道、東名高速道路、新東名高速道路、伊勢湾岸自動車道、新名神高速道路と進んでいくという。
22時40分に栃木県の上河内SAに到着した。ここが唯一の開放休憩で、15分ほど停車する。
乗車した車両。三菱ふそう・エアロキング「福島200か322」。
前面の行先表示は、今時珍しい幕式のもので、停車地が細かく書かれている。
乗降口は車内中ほどにある。
22時55分に上河内SAを出発した。5分後の23時に消灯する。座席にはブランケットはなかったが、車内は暖かかった。
2024年12月30日月曜日。
朝6時15分に車内の照明が点灯し、交代運転手から朝の挨拶がある。あと10分ほどで京都駅に到着するという。
6時30分に京都駅八条口に到着した。
次いで、7時22分に梅田に到着した。近鉄高速バスが発着する東梅田の停留所に停車した。この辺りでほとんどの客が降りていき、だいぶ客が少なくなった。
7時40分になんばに到着した。OCATの2階にあるバスターミナルに停車した。
8時にあべの橋駅に到着した。JR天王寺駅、近鉄大阪阿部野橋駅の目の前に停車する。
あべの橋を出ると、以前に宿泊した東横INNあべの天王寺の前を通り、阿倍野入口から阪神高速に入る。
大阪の街中を走る。14号松原線をえびすJCTまで進み、1号環状線で西船場JCT、16号大阪港線で天保山JCTと進んだのだろう。
天保山大橋を渡る。ちらっとユニバーサル・スタジオ・ジャパンが見える。
北港JCTで2号淀川左岸線に入り、ユニバーサルシティ出口で高速を降りた。
改めて、客の降りた後の座席を撮影する。路線名の「ギャラクシー」とは天の川や銀河を意味する英語であるが、座席のデザインもそれに合わせたのだろうか、星がちりばめられている。
終点のユニバーサル・スタジオ・ジャパンには定刻の8時30分に到着した。ここまで乗車したのは私だけであった。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに直通する高速バスは多く、この辺りもだいぶ人が多かった。おそらく大半はユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ向かうのだろう。
私は、JR桜島線のユニバーサルシティ駅へ向かう。
道を間違えたのか、バスを降りてから約10分で、ユニバーサルシティ駅の裏口のようなところに着いた。
【2024/12九州】(目次)
3,宇都宮から福島・飯坂温泉へ:JR東北本線・福島交通飯坂線:2024/12/29【2024/12九州】
4,福島から大阪へ:福島交通「ギャラクシー号」:2024/12/29【2024/12九州】【←本記事】
5,JR桜島線・大阪環状線:323系:2024/12/30【2024/12九州】
【福島交通の乗車記録】
仙台から郡山へ:福島交通「仙台~郡山・須賀川線」:2023/2/23
【2階建てバスの乗車記録】
(三菱ふそう エアロキング)
2,東名江田から名古屋へ:ジェイアール東海バス「ドリームなごや1号」:ビジネス・シート:2023/6/22【2023/6西日本】
2,東京から名古屋へ:ジェイアール東海バス「ドリームなごや1号」:ビジネス・シート:2022/8/26【2022/8近畿】
2,東京から三宮へ:西日本ジェイアールバス「プレミアムドリーム3号」:プレミアムシート:2021/12/23【2021/12西日本】
2,東京から名古屋へ:ジェイアール東海バス「ドリームなごや1号」:2019/10/25【2019/10東海】
2,仙台駅から仙台空港へ:仙台バス「エアポートリムジンバス」:2019/7/31【2019/7インドネシア】
(スカニア・バンホール J-IntercityDD)
2,東京から名古屋へ:ジェイアール東海バス「ドリームなごや3号」:2022/10/20【2022/10北陸】
14,名古屋から東京へ:ジェイアール東海バス「東名ハイウェイバス・直行 新東名スーパーライナー12号」:2022/6/26【2022/6東海】
(ネオプラン メガライナー)
7,つくばから東京へ:ジェイアールバス関東「つくば号」:2005/11/26【2005/11関東】