プラハからウィーンへは、オーストリア連邦鉄道の高速列車レイルジェット(Railjet)で向かうことにしていた。4時間乗るので、念のため座席指定をしておいた。
オーストリア連邦鉄道の列車の座席指定は、オーストリア鉄道のホームページで行うことができる。下の画像は、オーストリア連邦鉄道公式WEBサイトの切符予約の画面であるが、日付、時刻、出発地と到着地を入力した後、Seat only (no ticket)と書かれた赤丸の箇所をクリックすると、座席指定のみを行うことができる。座席指定料金は3ユーロであった。
予約後、PDFで座席指定券を発券し、印刷して持参した。
なお、レイルジェットでは、通常の1等車(ファーストクラス)に加えて、上級のビジネスクラスがある。飛行機とは逆で、ファーストクラスよりもビジネスクラスの方が上位のクラスである。1等の乗車券を持っていると、座席指定料込みで15ユーロ支払えばビジネスクラスにアップグレードできるというので、今回はビジネスクラスにした。
2020/3/2:ReilJet:RJ373:Praha hl. n. → Wien Hbf.
16時40分発のウィーン経由グラーツ行きは、出発10分前に出発番線が決定した。4Aのホームへ向かう。
ホームには編成の書かれたモニターがある。客車7両による運行で、うち1等は26号車と27号車の2両、2等は21号車から24号車までの4両、食堂車は25号車である。
列車は16時35分に入線した。車両はシーメンス製である。
指定された27号車は進行方向一番後ろの車両であった。この車両にはビジネスクラスと1等(ファーストクラス)がある。
ビジネスクラスは、2つの4人用コンパートメント、2つの3人用コンパートメントと2つの1人掛け座席からなっていた。私の座席は51番で、1人掛け座席であった。反対側の55番も同じく1人掛けだが、頭上に棚があり、コート掛け、ゴミ箱がある。通路との仕切りもやや大きく、個室感がある。それに対して、51番はそれらがない。やや外れ座席という感がある。
51番の座席。
反対側の55番の座席。
とはいえ、座席自体は立派であった。リクライニングをすると、背もたれが後ろに倒れると共にお尻がやや下がる。いわゆるゆりかご式というのだろうか、そういった感じの座席である。また、レッグレストも展開できる。なお、座席の向きを変えることができないのは、他のヨーロッパの列車と同じである。
最初の状態。
リクライニング、レッグレストを展開した状態。
肘掛け下にリクライニングとレッグレストのつまみがある。
読書灯が壁から伸びている。
車内には、停車駅と時刻、速度を表示するモニターがある。
なお、車内ではWi-Fiが使用可能であった。
ビジネスクラスとファーストクラスの間にはドアがある(ファーストクラス側から撮影)。ファーストクラス側に簡単なギャレーがあり、客室乗務員がここで飲み物の準備を行っていた。
トイレは車端部にあった。
16時45分、列車は定刻5分遅れでプラハ本駅を出発した。ビジネスクラスは3分の2程度の座席が埋まっていた。
出発してすぐに客室乗務員が食事とドリンクの注文に来た。まだメニューを見ていなかったので、一旦ことわる。
座席には、あらかじめ食堂車のメニューが置かれていた。
チェコ発着便限定の割引のメニューもあった。
その後、車掌が検札に来た。こちらはチェコ鉄道の車掌である。レイルパスと座席指定券を見せる。車掌が座席指定券のQRコードにバーコードリーダーをかざすと、何かが発券される。2ユーロと書かれている。食堂車で使用可能な2ユーロのバウチャーであった。ビジネスクラス限定なのか1等車全体のサービスなのか、あるいはチェコ鉄道のサービスなのかは分からぬが、これは嬉しい。
55番の1人席に座っていた客は、どうやらファーストクラスの乗車券を持っていたらしい。車掌が「ここではない、向こうだ」と言っている。客は、どうやら追加料金を支払うとでも言ったようだが、結局別の車両へ移っていった。
ミネラルウォーターが配られた。先の列車でもそうであったが、チェコ鉄道の1等車ではそういうサービスがある。
森の中を走る。速度が遅い。ついには停車してしまう。車掌が放送を入れる。どうやら保線関係のメンテナンスがあったようで、列車が20分遅れるという。
改めて食事のメニューを見る。種類は豊富である。シュニッツェルがある。通常11.20ユーロのところ、チェコ発の列車に限っては5.90ユーロらしい。食堂車に行き、これとカプチーノを注文する。食堂車で食べるか座席で食べるかを聞かれたので、座席に持ってきてもらうことにした。
15分ほど待つと、食事が運ばれてきた。
”Wiener Schnitzel von der Hendlbrust mit Petersilerdäpfeln”。薄いチキンカツである。これは美味しかった。付け合わせのポテトも良い。大満足である。
カプチーノ。列車が揺れるので不安であったが、ソーサーに細工が施されているのだろうか、安定していた。
支払いは食事の後であった。食器が下げられてから支払いまでにはかなりの間があった。料金は5.90ユーロであり、先ほどの2ユーロの券を渡すと、3.90ユーロになった。もっとも、数字を適当に聞き流してクレジットカードを渡したので、飲み物の分が請求されていないことに後になって気がついた。ただ、ビジネスクラスでは飲み物が一杯無料との情報があったので、カプチーノは無料の扱いだったのかもしれない。
食事中の18時05分、パルドゥビツェ本駅(Pardubice hl. n.)に到着した。30分遅れである。
いつの間にか速度を出し始める。時速130kmで走る。
18時35分、25分遅れでチェスカー・トジェボヴァー(Česká Třebová)に到着した。
ブルノ本駅(Brno hl. n.)には19時39分に到着した。20分遅れである。トラムが走っているようで、車内からもちらっと見える。ブルノはチェコ第2の都市であるという。大きな街のようで、高層ビルも多い。
定刻19時21分発のところ、20分遅れて19時41分に出発した。駅を出発すると、進行方向右側の丘の上に立派な城が見える。後で地図を確認したが、大聖堂だったかもしれない。
20時13分、ブジェツラフ(Břeclav)に到着した。21分遅れである。ブジェツラフは、オーストリア、スロバキア国境の近くにあるチェコの街である。
向こうのホームにはオーストリア鉄道の近郊列車が停車していた。
また、隣のホームには、レギオジェットが停車していた。プラハを16時20分に出発したウィーン行きのようである。あちらは50分遅れとなっている。本来であればあちらがウィーンまで先着するのだが、この日はこちらが先に発車した。
ブジェツラフでチェコ鉄道からオーストリア鉄道に管轄が変わったようである。ブジェツラフを出ると、オーストリア鉄道の車掌が検札に来た。
ウィーン中央駅(Wien Hbf)には21時10分に到着した。定刻20分遅れであった。この列車は、引き続きグラーツまで向かう。数分の停車の後、グラーツに向けて出発した。
【2020/2ヨーロッパ】(目次)
16,プラハ本駅(Praha hlavní nádraží):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
17,プラハからウィーンへ:レイルジェット:RJ373:1等ビジネスクラス:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】【←本記事】
18,ウィーン:ノヴム ホテル プリンツ オイゲン(Novum Hotel Prinz Eugen):Economy:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
【国際列車の乗車記録(EU域内)】
15,ドレスデンからプラハへ:EC379:1等車:2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
43,バーゼルからフランクフルトへ:ICE374:2012/3/2【2012/2ドイツ】
40,コペンハーゲンからバーゼルへ:シティナイトラインCNL473「オーロラ」 (1):2012/3/1【2012/2ドイツ】
35,ハンブルクからコペンハーゲンへ:ICE33(渡り鳥コース):2012/3/1【2012/2ドイツ】
【国際列車の乗車記録】
22,ハルビンからハバロフスクへ:中露国際列車(1)ハルビン駅:2012/3/31【2012/3中国・ロシア】
13,シアトルからバンクーバーへ:アムトラック・カスケーズ(Amtrak Cascades)510列車(1):2011/8/14【2011/8アメリカ合衆国】
28,ワカバルからシンガポールへ:Ekspres Sinaran Timur:2010/8/17【2010/8シンガポール・マレーシア】
12,シンガポールからスレンバンへ:Ekspres Sinaran Selatan:1等車:2010/8/14【2010/8シンガポール・マレーシア】