日本のバス バス 記録 2021その他

小田急バス「宿44」「境91」「渋26」:2021/7/23

投稿日:2021年7月27日

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小田急バスが運行する一般路線バスの最長路線は、新宿駅からよみうりランドへ向かう便である。ただ、この路線は、毎年6月の日曜日しか運行していない、すなわち1年に数本しか運行のない路線であり、知る人ぞ知る路線である。

それに対して、毎日運行の一般路線バスで最長区間を走るのは、新宿駅と武蔵境駅を吉祥寺駅経由で結ぶ「宿44系統」である。こちらは毎日2本の運行で、18.56kmを所要1時間15分で運行する路線である。今回は、こちらに乗車してみることにした。

 

新宿駅はともかく、吉祥寺駅や武蔵境駅が小田急バスの運行範囲というのは、最初、違和感があった。吉祥寺も武蔵境も、小田急線沿線からは離れた場所である。ただ、後ほど調べたところによれば、これは小田急バスの沿革に理由があった。小田急バスの起源は、1932年に設立された武蔵野乗合自動車である。この武蔵野乗合自動車は、調布に拠点を有し、調布から武蔵境や吉祥寺へとバスを運行していた。戦後、収益が上がらずに経営に苦しむ中、1949年にいったんは国際興業の傘下になるも、その翌年の1950年、自社でバス事業への進出を希望していた小田急電鉄が、国際興業と交渉のうえ武蔵野乗合自動車を買収し、小田急バスが誕生した。その後、世田谷区内で路線進出すると共に、もともとの武蔵野乗合自動車の営業範囲である吉祥寺や武蔵境に営業所を新設し、この地域でも路線を拡充し、現在に至っているようである。

ちなみに、先ほど「新宿駅はともかく」と記したが、新宿駅から出る小田急バスの一般路線バスも、宿44系統武蔵境駅行き以外は、季節運行のよみうりランド行き、若林営業所行きだけである。新宿というと小田急電車の始発駅であるが、意外にも、バスの方は影が薄いのである。

 

さて、今回は、まず宿44系統で新宿駅から武蔵境駅まで乗り通し、その後は、境91系統で調布駅へ出て、渋26系統に乗り継いで渋谷駅へ向かうことにした。調布駅と渋谷駅を結ぶ渋26系統も、宿44系統よりは短いものの、17.25kmを1時間15分ほどで運行する長距離路線である。せっかくなのでこちらも併せて乗車することにしたのである。

 

2021/7/23:小田急バス:宿44系統:新宿駅西口→武蔵境駅南口

2021年7月23日金曜日。東京オリンピック開会式の日である。

まず乗車するのは宿44系統である。宿44系統は、前述のとおり、新宿駅と武蔵境駅を吉祥寺経由で結ぶ路線で、毎日運行する小田急バスの一般路線バスの中では最長距離を走る路線である。

現在、新宿と武蔵境を通しで運行する宿44系統は1日2往復の運行で、土日祝日の新宿駅西口発は11時55分と15時45分である。今回は15時45分のバスに乗ることにして、新宿駅へ向かった。

宿44系統は、新宿駅西口35番乗り場から出発する。小田急ハルクという百貨店の前にバス停がある。

 

35番乗り場からは、小田急バスのほか、小田急シティバス・小湊鐵道の三井アウトレットパーク木更津行き、神奈川中央交通の平塚駅行き、本厚木駅行き深夜急行バスも出発する。ただ、深夜急行バスは昨今の新型コロナウイルス感染症流行のために現在は運休となっている。

武蔵境駅南口行きは1日2本の運行である。その下には、よみうりランド行き、若林営業所行きの時刻表が少し見えるが、「「6月1日~30日」の日曜・祝日のみ」と書かれている。

 

5分ほど前にバス停に着くと、バスは回送表示を出して停車していた。出発2分ほど前に、行先表示を設定して前のドアを開けた。

車両はいすゞのエルガミオであった。路線バスの中ではやや小さめの車両である。

 

運賃は220円の均一料金である。中央線の快速列車に乗車すると武蔵境まで310円であるから、武蔵境まで乗るのであればバスの方が安い。

 

バスは、12名の客を乗せ、定刻で新宿駅西口を出発した。見た限り、いずれの客も買い物帰りといった風である。

新宿駅西口を出ると、甲州街道に出て、角筈二丁目に停車する。ここで1名乗車する。

笹塚まで甲州街道を走行する。東京オペラシティは小田急バスのポールであったが、新国立劇場から笹塚駅までは京王バスの停留所を間借りしている風であった。道中、乗車客はいないが、降車客は5名ほどいた。

このあたり、京王バスは頻繁に来る。笹塚駅では10名近く待っていたが、乗車客はいない。

笹塚二丁目を出ると、右側の車線を走り、環七通りと交差する大原交差点をアンダーパスで通過する。

松原交差点を右折し、井の頭通りに入る。これで、バスは、新宿区から渋谷区、世田谷区を通り、杉並区に入った。井の頭通りに入ってすぐの水道横丁で2人降りていき、車内は6名となった。水道とは玉川上水のことだろうか、すぐ近くに玉川上水公園がある。

水道横丁の停留所は、小田急バスのポールであった。この停留所には小田急バスの宿44系統しか停車しない。すなわち、1日2便しか停車しないバス停である。たまたま信号待ちで停車したので、停留所の写真を撮ることができた。

バスは、この先、吉祥寺駅まで井の頭通りを進む。

永福町駅を出ると、京王バスの永福町営業所がある。濃尾バスや会津バスの高速バスもここが東京側の休憩所となっているようである。

このあたりから、再び京王バスを目にするようになるが、それも浜田山付近までで、そこから先は再び小田急バスの宿44系統のみの区間となる。

このあたりの井の頭通りは片側2車線の道路であるが、道幅がやや狭いように感じる。また、交通量も多く、運転に気を遣いそうな感じである

都立西高校、松庵を過ぎると、バスは杉並区から武蔵野市に入る。小田急バスの吉祥寺営業所を通過すると、ここから先は小田急バスを頻繁に目にするエリアとなる。

吉祥寺駅では8番乗り場に停車する。8番乗り場は、井の頭通りに並ぶ吉祥寺駅の停留所の中では一番奥のポールである。乗降客はおらず、16時30分に通過した。

吉祥寺駅を出ると、次の交差点を左折し、吉祥寺通りを走る。まもなく、公園入口という停留所がある。このあたりから、井の頭恩賜公園に入る。しばらくの間、左右に緑が広がる。万助橋を出て少し進むと、左に三鷹の森ジブリ美術館が見える。ここは三鷹市である。

右折して連雀通りに入る。人通りも交通量も多い、片側1車線で、広くはない。この通りを6,7分進む。

バスは再び武蔵野市に入る。右折して武蔵境通りに入ると、すぐに武蔵野赤十字病院である。バスは病院の敷地に入り、ロータリーを一周する。乗降客はおらず、そのまま武蔵境通りに戻る。

武蔵境通りは歩道もなく、歩行者や自転車を追い越すには反対車線にはみ出さなければならない。

武蔵野赤十字病院の次が終点の武蔵境駅南口である。

車内の様子。

終点の武蔵境駅南口には16時50分に到着した。

 

武蔵境駅。JR中央本線のほか、西武多摩川線が乗り入れている。

 

2021/7/23:小田急バス:境91系統:武蔵境駅南口→調布駅北口

武蔵境駅南口で、調布駅を経由して狛江駅まで向かう境91系統に乗り換える。境91系統は平日も土日祝日も昼間は1時間に3~4本の運行であり、次の出発は17時03分である。

17時03分発の境91系統狛江駅行きに乗車した。

このバスは、武蔵境駅を出ると、武蔵境営業所前を経て、天文台通りに入り、西調布まで進む。道中、富士重工の事業所や、国立天文台、調布飛行場の近くを走る。

西調布駅の手前で左折して、旧甲州街道を進み、調布駅北口に17時35分過ぎに到着した。

 

2021/7/23:小田急バス:渋26系統:調布駅南口→渋谷駅

渋26系統渋谷駅行きは、調布駅南口の3番乗り場から出発する。北口のバスターミナルと南口のバスターミナルは、歩行者用の通路を挟んで隣同士に位置しており、移動には時間がかからない。この通路の真ん中に、2012年に地下化された調布駅の入口がある。

 

調布駅南口3番乗り場。

バスの本数はそこそこあるように見えるが、渋谷駅まで行く便は平日6本、土日祝日4本のみである。

渋谷駅行きのバスは、17時40分に3番乗り場に到着した。一般的な大型路線バスの車両であるが、定員重視のようで、1人掛けの席が多く、2人掛けの席は後方2カ所のみである。

バスは、定刻17時43分に調布駅南口を出発した。15名以上の乗車である。

バスは品川通りをすすみ、布田、国領の付近を通る。このあたりで品川という文字を目にすることに違和感を覚えるが、江戸時代に使われた品川へ至る旧道に由来するらしい。

バスは、品川通りから狛江通りに入り、小田急バス狛江営業所前を通過する。このあたりは京王バスもバスを運行しているが、停留所は小田急のものを京王が間借りをしている感がある。バスは調布市から狛江市に入った。

狛江駅北口には18時頃に到着した。バスは降車用停留所で客を降ろした後、客が待つ0番乗り場へ移動した。

バスは狛江駅で時間調整を行い、18時04分に出発した。

狛江通りに戻り、小田急線の高架をくぐる。突き当たりの三叉路で左折し、世田谷通りに入る。ここから三軒茶屋までは世田谷通りを進む。

世田谷区に入り、喜多見駅入口を出て2つ先の砧中学校下で、成城学園前駅西口行きのバスと分かれる。ただ、その次の東宝前で、今度は、成城学園前駅西口始発の渋谷駅行き渋24系統と合流する。渋24系統は東急バスと小田急バスの共同運行である。

このあたりからだろうか、停留所が東急の仕様となっていた。もともと成城学園から渋谷駅に至るバスを運行していたのは東急であり、後になって、小田急バスが東急との交渉によってこの路線に参入したのだという。70年も前の話ではあるが、そういった経緯もあるのかもしれない。

宇山停留所にて。

三軒茶屋から先は玉川通りに入り、首都高速の高架下を走る。この区間では東急バスのその他の路線も合流し、バスの本数が著しく多くなる。

池尻大橋駅の一つ前に池尻という停留所があり、一つ後に大橋という停留所がある。てっきり池尻大橋という橋があるのかと思っていたが、そうではなく、世田谷区の池尻と目黒区の大橋という2つの地名を繋げて駅名にしたのだという。これはよくある話である。この大橋という地名は、目黒川に架かる玉川通り沿いの橋に由来するという。

道玄坂上から一気に坂を下ると、渋谷駅である。左折して、18時59分に渋谷駅の0番乗り場に到着した。スクランブル交差点の手前である。調布駅南口行きのバスもここからの出発である。

 

ちなみに、今回、小田急バス3路線に乗車し、料金をその都度支払ったため、計660円となった。ただ、小田急バスには1日乗車券があり、600円で購入できるので、2区間以上乗る場合はこちらを購入した方がお得であった。

 

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