先日「JR竹芝 水素シャトルバス」に乗車した際、新橋付近で「東京BRT」のバスとすれ違い、このバスの存在を思い出した。「東京BRT」は、東京都心部と臨海部を結ぶ、2020年10月1日に開業した新しいバス路線である。運行は京成バスと、京成バスが100%出資した東京BRT株式会社とが担っている。
BRTとはバス・ラピッド・トランジット(bus rapid transit)の略称で、日本語訳をするとバス高速輸送システムとなる。BRTを称する路線は、バス専用道路・専用レーンを走行したり、バスが近づくと信号が優先的に青色になる設備が整備されたりするなどの特徴を有し、それらによってバスの定時性・高速性が担保される傾向にある。
東京BRTは、現在はまだプレ運行(一次)とのことで、停留所は虎ノ門ヒルズ、新橋、勝どきBRT、晴海BRTの4箇所のみであり、専用道路などはない。それでも、本数はある程度確保されており、晴海BRT発は平日の昼間ならびに土休日が1時間4本、平日の朝ラッシュ時は1時間に5本から6本の運行である。
東京BRTでは、連節バスも導入されている。せっかくなので、今回はこれに乗車することにした。連節バスで運行する便は時刻表に記載されている。基本は新橋~晴海BRT間の運用に入っており、虎ノ門ヒルズまで来るのは平日・土休日どちらも朝の1本だけである。
2021/6/26:東京BRT:虎ノ門ヒルズ→晴海BRTターミナル
2021年6月26日土曜日。虎ノ門ヒルズを朝7時10分に出る晴海BRT行きに乗車することにした。この便が、虎ノ門ヒルズ始発便の中で連節バスが運用に入る唯一の便である。
地下鉄銀座線虎ノ門駅から、虎ノ門ヒルズ駅への地下道を進む。
地下道の途中にあるB4出口から虎ノ門ヒルズに入る。「バスターミナル」「東京BRT」の文字が所々にあるので、それに従って進めば良い。
まだ朝7時であり、店は閉まっている。
エスカレーターを上がると、バスターミナルであった。2番乗り場には、既に東京BRTの晴海BRTターミナル行き連節バスが停車していた。いすゞの「エルガデュオ」という車両である。
前面の行先表示器に出発時刻が表示されるのは珍しいように思う。
バスの車体には、東京BRTのロゴと京成バスのロゴがある。
バスは全長17.99mである。後ろには「全長18m追い越し注意」との注意喚起が書かれていた。
背面の行先案内でも、日本語、英語での行先表示に加え、出発時刻が表示されていた。
私が乗車したのは出発5分前であったが、既に2名が乗車していた。このエルガデュオの車内配置は一風変わっており、後部にはバスにしては珍しいボックスシートもあった。また、連結部のすぐ前にも後ろ向きの座席がある。
連結面。
定刻7時10分、私を含めて3名で虎ノ門ヒルズを出発した。虎ノ門ヒルズのバスターミナルを出ると、早速左に曲がる。
次いで、突き当たりの信号を右に曲がる。
左に、出発した虎ノ門ヒルズが見える。
次の信号を左に曲がり、新橋に向かう。
JR線の高架を潜り、ゆりかもめの汐留駅を右に見つつ左折する。
ゆりかもめの高架に沿って進み、さらに左折すると、新橋である。
新橋到着は7時22分であった。道は空いており、順調に進んだはずであるが、既に3分の遅れである。新橋の停留所は、ゆりかもめ新橋駅の高架下にある。進行方向前方にJR線の高架は見えるが、JR新橋駅の入口は見えず、やや距離があるようである。ここで3名乗車した。
新橋を出ると、次の信号を左折し、また次の信号を左折し、先ほどの道に戻る。この間、都合2回JR線の高架をくぐる。
汐留駅を右に見つつ、今度は直進する。右側に工事中のトンネルがある。将来的には、東京BRTもこちらの地下トンネルを走行することになるらしい。
旧青果門前交差点まで進む。
旧青果門前交差点を右折する。
築地大橋で隅田川を渡る。2018年に開通したばかりの橋である。
渡り終えた後、左側の道を進み、高架を降りると、勝どきBRTである。
勝どきBRTの到着は7時32分であった。定刻は7時26分であるから、6分遅れである。ここで私以外の全員が降車した。
勝どきBRTを出ると、すぐの交差点を左折し清澄通りに入る。
新島橋を渡り、都営大江戸線勝どき駅付近を通過する。
東京メトロ有楽町線月島駅付近を通過する。
月島駅の交差点で右折し、朝潮大橋を渡る。
突き当たりで右折し晴海通りに入ると、まもなく終点の晴海BRTターミナルである。
7時43分に終点の晴海BRTターミナルに到着した。遅れは7分にまで広がっていた。後部ドアからそそくさと降車した。
晴海BRTターミナルに到着した連節バス。
このバスは、折り返し7時42分発の新橋行きとなる。到着が遅れたので、私が降りた後、運転手はすぐに車内確認を行い、乗車停留所にバスを移動した。数名の客を乗せて、4分遅れの7時46分に出発していった。
まだプレ運行と言うことで、全線に渡って専用レーン等は用意されておらず、バスは、他の自動車と同じく一般の道路を走行した。せいぜい、停留所が少ない快速バス、という程度であり、まだBRTとまでは言えない感じである。また、休日の早朝という交通量が少ない時間帯であったにもかかわらず、5分以上の遅れが生じていたことは気になった。
晴海BRTターミナルの周辺にはタワーマンションが点在する。
晴海通り沿いには、都営バスの晴海一丁目停留所がある。
2021/6/26:東京BRT:晴海BRTターミナル→新橋
晴海BRTターミナルに戻る。
ターミナル内では、燃料電池バス「SORA」が待機していた。この日はまだ運用には入っていないようであった。
折り返しは7時56分発の虎ノ門ヒルズ行きに乗車することにした。出発時刻が近づくと3人ほど現れた。
7時56分発のバスは、よく見かける単車バスによる運行であった。
車内も見慣れた感じである。
この便も虎ノ門ヒルズ始発の折り返し便であった。虎ノ門ヒルズからの到着が数分遅れ、晴海BRTターミナルを出発したのは2分遅れの7時58分であった。
数日前の6月23日より、東京オリンピック関連の通行規制の関係で、月島警察署前の交差点を経由する経路から、勝どき駅前の交差点を経由する経路に変更となった。バスは晴海三丁目の交差点で右折、黎明橋を渡り、勝どき駅前交差点を左折して清澄通りに入り、勝どき陸橋の交差点を右折して元の経路と合流した。
勝どきBRTには8時04分に到着した。ここで定刻となった。勝どきでは14名乗車した。
新橋には8時10分に到着した。新橋で降りる客は多かった。勝どきと新橋の間の乗車率が往復とも高かった。
私も新橋で降りた。
新橋の停留所は、虎ノ門ヒルズ行きの乗り場と晴海BRTターミナル行きの乗り場が並列で設置されている。前側が晴海BRTターミナル行きの乗り場である。
【その他のBRTを称する路線の乗車記録】
4,気仙沼から大船渡へ:JR大船渡線BRT:2019/9/7【2019/9東北】
3,前谷地から気仙沼へ:JR気仙沼線BRT:2019/9/7【2019/9東北】