駅弁・車内販売ほか 記録 マレーシアの鉄道 夜行列車 2010/8シンガポール・マレーシア

14,スレンバンからトゥンパへ:Senandung Wau:2010/8/14【2010/8シンガポール・マレーシア】

投稿日:2019年6月23日

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次に乗る列車は、スレンバンを21時44分に出る" Senandung Wau "である。この列車は、クアラルンプール・セントラル駅を20時30分に出る、東海岸線直通のトゥンパ(Tumpat:トゥンパッ)行き夜行急行列車である。"Senandung"は囁きだとかハミングを意味し、"Wau"は凧を意味するマレーシア語らしいが、この2つの言葉をあわせるとどういう意味になるのかはいまいち分からない。

乗車券。シンガポール駅で購入していた。

 

2010/8/14:KTM Intercity:Senandung Wau:Seremban→Tumpat

21時40分頃になると、列車到着のアナウンスが入る。駅員が鐘を鳴らし、「からんからん」という大きな音がホーム中に響き渡る。ホームにも多くの客が出てくる。荷物を持っている客も多い。

21時44分に列車は到着する。1等寝台車を先頭にして、2等寝台車が4両、さらにその後ろに2等車が何両か連結されている。私の乗車する車両は2等寝台車のE2号車である。かなり後ろの方で待っていたので、前の車両へ走る。同じようなことをしている人が多い。

車内に入ると、線路と並行に、両側に2段寝台が並んでいる。大阪と新潟を結ぶ急行きたぐにで使われている583系のA寝台車と同じ配置である。乗車券に記載された27番の寝台は上段である。梯子を使って上段に上るが、狭い。大きな荷物を置くことができない。周りの人はどうやっているのかと見ると、みな荷物を床に置いている。皆がやっているということは、盗難の心配はあまりないのだろう。現金と貴重品だけを小さなバックにうつして寝台に置き、その他の荷物は床に置く。

寝台に枕灯があるのは、日本の寝台車と同じである。

出発してすぐに車掌が検札に来る。乗車券に穴を開け、レールパスに何かを書き込む。

上段寝台にも窓はあるが、この窓から外を見るにはかなり無理な姿勢をすることが要求される。外を見たいのであれば、下段寝台を予め購入しておくべきだろう。ただ、この列車に限って言えば、上段も下段もほとんどの寝台が埋まっている。寝台券を確保できたことは幸いであった。

何もすることがないので寝る。寝台にはシーツが敷かれており、シーツと同じくらい薄い掛け布団がある。それを被って寝る。上段の寝台のサイズは、165cmでやせ形の私にちょうど良いサイズであった。平均的な身長の日本人男性にとっては狭いであろう。

グマス(Gemas)の駅で一端目が醒めたが、床に置いた荷物が無事であることを確認してまた寝る。

 

2010年8月15日日曜日。

4時45分頃、車内放送の音で目が醒めた。停車駅の案内なのか「おはよう放送」的なものなのかは分からないし、両方を兼ねているのかもしれないが、"Gua Musang"という言葉が聞き取れる。グア・ムサン(Gua Musang)駅の到着の案内でもしていたのだろうか。ただ、予め調べておいた時刻表によると、グア・ムサンには5時49分の到着予定である。よく分からない。

少し寒い。私は、半袖のポロシャツと長ズボンを着て寝ていた。列車内の冷房はさほどきつくはなく、涼しく感じる程度であったが、起きがけだから寒く感じたのだろう。とりあえず、長袖の服を羽織る。

再び寝ようとするが、ワゴンが通る音がする。カーテンの隙間から覗くと、弁当と飲み物を積んだ車内販売であった。今はラマダンのシーズンである。イスラム教徒は日が昇る前に朝飯を食べなければならない。このような早い時間にワゴンが回ってくるのはそういった理由によるのかもしれない。ここで食べておかないと、私も食いっぱぐれる可能性もある。弁当を買う。値段は4RM。中身は、目玉焼きが上にのっかった炒飯だった。美味しく食べる。

もう一度目をつむり、起きると8時30分であった。もう外も明るい。かなりの寝台が空っぽになっている。

停車駅が近づく毎に、車掌が、乗客の下車駅を書いた紙を持って車内を回る。カーテンが閉じている場合は起こしている。

下段寝台が空いていたので、そちらに腰をかけて外を見る。

向かいの寝台の男性が英語で声をかけてくる。このようなところにいる外国人が物珍しかったのだろうか。20歳で、クアラルンプールの大学に通っているとのこと。偶然にも私と年齢も大学での専攻も同じであった。実家がトゥンパで、休暇で帰省するために乗っているらしい。彼の英語はマレーシア語訛りで若干聞き取りにくいが、こちらの英語もひどい日本語訛りなので、おあいこである。英語と、マレーシア語の指さし会話帳を使って会話する。

車掌も来て、しばし3人で話をする。「何をしにトゥンパに行くんだ?」と聞かれる。「東海岸線を乗り通したいのだ」と言おうかと思ったが、なかなか説明が面倒になることが予想されるので、地球の歩き方のコピーを取り出して、涅槃仏の写真を見せ、ここに行きたいのだと告げる。トゥンパはタイ国境が近いので、仏教寺院がある。車掌が、"Sleeping Buddha"と言って頷く。トゥンパには他に見所があるのか分からないが、とりあえず涅槃仏は見てみようと思う。向かいの大学生は、「駅からタクシーで行ける」と言う。車掌が、さらに「その後はどうするんだ?」と聞いてくるので、コタバル(Kota Bharu)に行き、そこで宿泊する旨を言う。コタバルは、クランタン州の州都である。

ワカバル(Wakaf Bharu)には10時20分に着いた。コタバルに行くのであれば、ここで降りて、タクシーかバスを使うのが良い。この車両からは、向かいの大学生と私以外のすべての客が降りる。出発後、行違線に入り、対向列車を待つ。

ワカバルを出ると、緑が一面に広がるような開放的な風景が続く。

終点のトゥンパには10時40分に到着した。1時間遅れであった。

乗車した車両にはラッピングがなされていた。

 

【2010/8シンガポール・マレーシア】(目次

13,スレンバン駅:2010/8/14【2010/8シンガポール・マレーシア】

14,スレンバンからトゥンパへ:Senandung Wau:2010/8/14【2010/8シンガポール・マレーシア】【←本記事】

15,トゥンパの涅槃仏・仏教寺院:2010/8/15【2010/8シンガポール・マレーシア】

 

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【マレーシアの鉄道の乗車記録】

12,シンガポールからスレンバンへ:Ekspres Sinaran Selatan:1等車:2010/8/14【2010/8シンガポール・マレーシア】

【過去の寝台列車の乗車記録】

18,新大阪から新津へ:急行きたぐに:2008/7/9【2008/7九州】

11,弘前から青森へ:寝台特急日本海3号:2006/2/19【2006/2北東北】

9,秋田から弘前へ:寝台特急あけぼの:2006/2/19【2006/2北東北】

 

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