東急バスの「東98系統」は、等々力操車所と東京駅南口との約15kmを結ぶ路線バスで、東急バスの一般路線バスの中で最長距離を走る路線である。昭和20年代に開設されたこの路線は、かつては都営バスと東急バスの共同運行であったというが、2013年に都営バスが運行を撤退し、現在は東急バスが単独で運行をしている。
乗車した2021年10月現在は、等々力発で見ると平日朝ラッシュ時は毎時4本~6本、昼は毎時3本の運行であった。ただ、2021年11月1日のダイヤ改正で、昼間は途中の清水で運行系統が分かれることととなり、全線通しで運行するのは朝と夕方以降のみとなった。そのため、10月のうちに、昼間の便で全線乗車をしておくことにして、等々力へ向かった。
2021年10月26日火曜日。
東98系統の始発である等々力操車所は東急大井町線等々力駅に近く、このあたりには等々力渓谷という名所がある。恥ずかしながら、等々力に来て初めてこの渓谷の存在を知り、せっかくなので乗車前に行ってみた。
等々力駅方面から渓谷に入ると、入口はゴルフ橋のところである。かつてこのあたりにゴルフ場があったらしい。
説明書きによると、等々力渓谷は、国分寺崖線の最南端に位置する約1kmの都区内唯一の渓谷である。谷沢川が国分寺崖線に切れ込んで浸食して渓谷が構成され、台地と谷との標高差は10mあるという。地層や動植物が多く見られ、湧水も湧いているらしい。
等々力不動尊。
不動の滝。滝という感じはなかったが、滝である。
2021/10/26:東急バス:東92系統:等々力操車所→東京駅南口
さて、等々力操車所は住宅街の中にある。
その操車所から等々力駅方向へ少し進んだ等々力通り沿いに、東京駅方面へのバスの停留所がある。
等々力操車所停留所。
ダイヤ改正後の時刻表は既に準備されているようで、逆に、改正前の時刻表がその上からテープで貼られていた。
ダイヤ改正によって昼間便が途中の清水で系統分離されることから、乗継割引が設定されるという。
14時54分発の東京駅南口行きは、出発時刻に到着した。停留所は片側1車線の道路沿いにあるため、バスはここで時間調整することはできない。客を乗せたらすぐに出発となった。ここから乗車した客は私のほかにもう1人いた。
等々力操車所の次に等々力という停留所がある。等々力停留所は、大井町線等々力駅のすぐ近くである。早速、多くの客が乗車する。
等々力を出ると、まもなく目黒通りとの交差点である。ここで左折して目黒通りに入る。バスは、この後、目黒通りの終点である白金台まで、目黒通りをすすむ。
このあたりは駅から離れているところが多いからか、各停留所での乗降は多く、車内中程は立ち客も出るほどであった。
15時10分頃に都立大学駅北口に到着した。東急東横線との乗り継ぎ駅である。
碑文谷を経て、清水に到着すると、ここで運転手が交代する。近くに東急バス目黒営業所がある。客の方は、ここで入れ替わるというわけではなく、そのまま乗車する客が多い。
目黒駅前では7番乗り場に停車する。降りていく客も乗ってくる客もおり、また引き続き乗車する客も多く、車内は混雑した状況であった。目黒駅から先は、JR山手線の内側に入る。
白金台で桜田通りに入る。
魚籃坂下という停留所がある。「ぎょらんざか」と読むこの坂であるが、魚籃坂とは坂の中腹にある「魚籃寺」から名付けられた通称であるという。魚籃の「籃」は魚を入れるかごを意味する漢字であり、魚籃寺にある魚籃観音は、魚の入ったかごをもった観音であるという。
慶應義塾大を経て、東京タワーの前を通る。
西新橋2丁目は、虎ノ門ヒルズビジネスタワーの前である。
その後、経済産業省前、内幸町、馬場先門、東京国際フォーラムと進み、終点の東京駅南口に16時06分に到着した。等々力から約1時間10分であった。
【東京都内の路線バスの乗車記録】
渋谷駅から新橋駅へ:京王バス「052系統」:2021/10/26
小田急バス「宿44」「境91」「渋26」:2021/7/23
杉並区コミュニティバス(南北バス)「すぎ丸」けやき路線:2021/6/27
ジェイアールバス関東「JR竹芝 水素シャトルバス」:2021/6/19
足立区コミュニティバス「はるかぜ3号」(西新井・舎人線)・国際興業バス「西11系統」:2021/6/13
4,東青梅駅から飯能駅へ:西武バス「飯41-1」:2020/9/16【2020/9東京・埼玉】
2,御嶽駅から御岳登山鉄道滝本駅へ:西東京バス「御10」:2020/9/16【2020/9東京・埼玉】