鹿児島~那覇航路は、マルエーフェリーとマリックスラインが共同で1日1便運航しており、所要25時間である。直行ではなく、奄美群島を経由する。鹿児島発の場合は、鹿児島を18時に出港して、奄美大島に翌朝5時、徳之島に9時10分、沖永良部島に11時30分、与論島に13時40分、沖縄本島に入り本部港に16時40分、終点の那覇港には19時に入港する。
3月9日に鹿児島を出る便は、マリックスライン社の「クイーンコーラルクロス」による運航で、このフェリーには2等室、2等寝台A、1等室(1名)、1等室(2名)、特等室が設定されている。今回は1等室(1名)を予約した。この部屋は窓付きの1人用個室で、個室内にトイレが付いている。予約は、乗船日の1ヶ月前から電話でのみ対応とのことだったので、直接マリックスライン社に電話をして予約をした。1等室(1名)は6室のみであるが、無事に確保することができた。
1等の運賃は、鹿児島から那覇まで29,760円で、これに燃料油価格変動調整金1,680円が加算されて計31,440円であった。ちなみに、一番安い2等席だと鹿児島から那覇までの運賃が14,880円であるから、1等は2等の2倍の運賃である。
2023/3/9-10:マリックスライン:クイーンコーラルクロス:鹿児島新港→那覇港
当日、16時30分に鹿児島中央駅の東5番乗り場を出る鹿児島新港行きのバス「鹿児島新港ポートライナー」に乗車して、鹿児島新港のターミナルには16時50分過ぎに到着した。
ターミナルの3階に窓口がある。
窓口の前に乗船申込書を記入するところがある。予約の有無にかかわらず記入をしなければならない。
乗船申込書を記入後、窓口でそれを提出し、料金を支払う。今回は、前述の通り1等1人部屋を予約していたので、31,440円であった。クレジットカードで支払い可能であった。
乗船券。
3階には乗船待合室がある。既に乗船開始時刻となっていたので、人はいなかった。
3階には売店コーナーがあり、4店舗中2店舗が営業をしていた。
3階から外に出る。一方には、マルエーフェリーの「フェリー波之上」が停泊していた。こちらは、この日の朝に那覇から到着し、翌日の那覇行きに充当されることとなっている。
反対側に、本日乗船するマリックスラインの「クイーンコーラルクロス」が停泊していた。総トン数8000トン、全長145m、全幅24m。2021年11月に就航を開始したばかりの、まだ新しい船である。
貨物の積み込みが行われており、貨物を持ち上げたフォークリフトが次々に船内に入っていった。
乗船は2階からである。
通路を歩き、ボーディングブリッジから船に乗る。
船の上部には、「鹿児島←→奄美群島←→沖縄」と行先が記されている。
ボーディングブリッジに入るところに係員がおり、乗船券に印が押された。
船に入ると、そこは2階であった。車両甲板脇の狭い通路を進む。絵画が飾られており、良い雰囲気である。
エスカレーターを上がり3階へ向かう。
エスカレーターを上がったところが3階である。ここに案内所があり、船員が出迎えてくれる。乗船券を見せると、乗船券と引き替えに部屋の鍵が渡され、場所を教えてくれる。
船室は3階と4階の2フロアに設置されている。3階の案内所脇の通路が、特等室、1等室の区画となっており、ここは自動ドアで仕切られている。
まずは自室に向かう。通路を進むと、最初に定員2名の特等室が2部屋あり、その次に定員1名の1等室が6部屋、定員2名の1等室が6部屋続く。定員2名の1等室のうち2部屋はコネクティングルームとなっており、4名での使用も可能とのことである。
写真左側が船室で、右側に、1等室用のシャワーブースがある。男性用2室、女性用1室である。
自室は114号室であった。照明も客室表示も洒落ている。
1名部屋である。
部屋に入る。
まず、入ったところに使い捨てのスリッパが置かれていた。
入ったところはフローリングで、奥の方が絨毯となっている。
ベッド。
ベッド上には、上下セパレートタイプの寝間着と、布団カバーが置かれていた。寝間着には「QUEEN CORAL CROSS」の刺繍があった。
ベッド下は空いており、スーツケースなどを収納することも可能である。
ベッド脇には枕灯、室内灯のスイッチとコンセントがある。
ベッドの足側の壁にテレビが据え付けられており、寝ながら見ることができるようになっている。
テレビでは、航路図を表示するチャンネルがあった。また、港にいる間は、各テレビ局の番組を見ることもできた。
別のチャンネルでは、安全ビデオが流されていた。このチャンネルでは、奄美群島の観光案内も後ほど放映されていた。
デスク周り。
デスクの下に椅子、ゴミ箱、冷蔵庫が置かれていた。
デスクの上には、ポット、ティッシュボックス、お茶セットとテレビのリモコンが置かれていた。壁にはコンセントが2つ設置されている。
ポットとティッシュボックスは、動かないように机に固定されていた。
お茶セット。
開けると、カップが入っている。ノリタケ製であった。
上部左右の蓋を取ると、インスタントのお茶とコーヒーが入っていた。
窓からは、進行方向右側の風景が見える。
ハンガーは2本ある。
入口のドア脇にエアコンのパネルがあった。その下は室内灯のスイッチである。「E」とあるのは客室に入ってすぐのところの照明のことであった。
客室側からドアの方を見る。
右側の少し重ためのドアを開けると、温水洗浄便座付きのトイレがある。
その反対側には洗面台がある。タオルはあるが、バスタオルの用意はない。
石鹸は下に手を翳すと自動で出るようになっている。
アメニティは歯ブラシのみである。ひげ剃りはない。
歯ブラシは竹素材で作られている。歯ブラシの持ち手には「Queen Coral」と刻まれていた。
一般的に、ホテルの客室ドアには非常時の避難経路図が掲示されているが、こちらも同様であった。ただ、船であるから、ホテルのそれよりも注意書きは多い。非常時の脱出経路図、非常の際の合図などが記されていた。
そのほか、救命胴衣着用方法の案内もあった。
出港までまだ時間があるので、少し船内を見て回ることにした。(以下、写真は空いている時に撮影)
船内中央部には吹き抜けがあり、コンパクトながら洒落た雰囲気となっている。3階のこの空間には、案内所、食堂、売店がある。
4階から見た吹き抜け。
自動販売機と給湯器も、3階、4階の中央の吹き抜けの空間にある。自動販売機の飲料の価格は市内と変わらず、手頃な値段であった。お菓子、カップ麺、酔い止めも自動販売機で購入可能である。
中央部の窓側には、ソファーやベンチが置かれた共用スペースがあった。コンセントも設置されている。航行中、いつも人がいる感じであった。
大型の荷物を収納できるロッカーが設置されていた。
レストラン、案内所、売店の営業時間が掲示されていた。案内所と売店は21時半まで開いており、翌日は主に港に停泊中に開くようであった。
「荷役による遅延について」という案内があった。2月から4月にかけての鹿児島行きでは、沖永良部島、徳之島、奄美大島の農作物の大量出荷の影響で、荷役作業に時間がかかり、遅延が生ずることもあるらしい。
3階の1等船室がある側と反対側には、2等室の大部屋があった。2等の運賃は1等の半額である。
2等室は、このほかにも小部屋が3階、4階各所にあり、定員は計451名となっている。また、2等寝台Aが17室、3階と4階に設置されており、定員は計180名となっている。
4階の最前部には、ビューシートと呼ばれるシートがあった。
前向きのベンチとソファーで構成されている。
ガラスは潮で少し汚れていたが、それでも前の様子を見るには十分であった。最前部まで貨物が積まれているのが分かる。
4階には喫煙ルームがある。この場所以外は禁煙である。
3階の案内所脇にはキッズルームが用意されていた。
【2022/3沖縄】(目次)
4,鹿児島中央駅から鹿児島新港へ:鹿児島交通「鹿児島新港ポートライナー」:2023/3/9【2023/3沖縄】
5,鹿児島から那覇へ:マリックスライン「クイーンコーラルクロス」:(1)1等室:2023/3/9【2023/3沖縄】【←本記事】
6,鹿児島から那覇へ:マリックスライン「クイーンコーラルクロス」:(2)鹿児島→:2023/3/9【2023/3沖縄】
7,鹿児島から那覇へ:マリックスライン「クイーンコーラルクロス」:(3)→奄美大島→徳之島→沖永良部島→:2023/3/10【2023/3沖縄】
8,鹿児島から那覇へ:マリックスライン「クイーンコーラルクロス」:(4)→与論島→本部→那覇:2023/3/10【2023/3沖縄】
【フェリー乗船記録】
(中距離)
10,苫小牧から八戸へ:シルバーフェリー「フェリーはちのへ」:2007/3/14【2007/3北海道】
23,苫小牧から八戸へ:シルバーフェリー「べが」:2006/8/2【2006/7北海道】
(短距離)
16,島原から熊本へ:熊本フェリー「オーシャンアロー」:2022/12/25【2022/12九州】
17,桜島フェリー「第十六櫻島丸」「第二桜島丸」:2022/9/11【2022/9九州】
12,志布志駅から鹿児島中央駅へ:鹿児島交通:鴨池・垂水フェリー:2022/9/10【2022/9九州】
4,金谷から久里浜へ:東京湾フェリー「かなや丸」:2020/10/3【2020/10千葉・神奈川】
10,メラクからバカウニへ:スンダ海峡フェリー:2017/3/10【2017/3インドネシア】
23,スラバヤからデンパサールへ(2):バリ海峡フェリー・バス:2013/3/23【2013/3インドネシア】
35,ハンブルクからコペンハーゲンへ:ICE33(渡り鳥コース):2012/3/1【2012/2ドイツ】
30,ワシントン州フェリー(Washington State Ferries):2011/8/17【2011/8アメリカ合衆国】
25,宇野から高松へ:四国フェリー「第一しょうどしま丸」:2009/9/9【2009/9西日本】