比叡山延暦寺へ公共交通機関で向かう場合は、主に京都か大津から向かうことになる。京都から向かう場合は、直行するバスに乗るか、京阪電車の終点の出町柳から叡山電車、京福電鉄鋼索線(叡山ケーブル)、叡山ロープウェイを乗り継ぐことになる。大津からは比叡山鉄道(坂本ケーブル)に乗るか、あるいは堅田・おごと温泉駅からバスで向かうことになる。
今回、私は、京都方面から叡山ケーブル、叡山ロープウェイを乗り継いで比叡山へ向かい、坂本ケーブルで大津方面へ降りることにした。
2024/9/20:京福電鉄鋼索線:ケーブル八瀬→ケーブル比叡
京福電鉄鋼索線は、叡山電鉄の八瀬比叡山口駅の近くにあるケーブル八瀬駅を起点として、ケーブル比叡駅までの1.3kmを結ぶケーブルカーで、「叡山ケーブル」と呼ばれている。ケーブル八瀬駅とケーブル比叡駅の高低差は561mで、この高低差は日本一であるという。
叡山電鉄に乗車して終点の八瀬比叡山口駅に到着したのは13時36分であった。
ここで京福電鉄鋼索線(叡山ケーブル)に乗り継ぐが、叡山ケーブルのケーブル八瀬駅までは少し歩く。
高野川に沿って、いったん国道367号まで出た。
国道に出たところで右折して、少し行くと、高野川に架かる橋がある。
ここを渡ると、京福電鉄鋼索線(叡山ケーブル)のケーブル八瀬駅がある。
京福電鉄鋼索線(叡山ケーブル)のケーブル八瀬駅。
ここから比叡山頂へは、叡山ケーブル、叡山ロープウェイを乗り継ぐことになる。
ケーブルカーは、平日は30分間隔、土休日は15分間隔で、この日は平日であったため次の便は14時発である。
交通系ICカードは使用できず、乗車券は現金で購入する。
比叡山頂まで通しで乗車券を購入することができ、比叡山頂までは片道900円である。
15分ほどここで待つ。
出発5分ほど前に改札が始まり、ホームへ向かう。
ケーブルカーの車両。
車内。
出発すると、すぐ左側に古い線路が見える。
車窓は開けてはおらず、左右には木々が連なっている。
所要時間は9分で、乗りごたえがある。14時09分にケーブル比叡駅に到着した。
ケーブル比叡駅で、叡山ロープウェイに乗り換える。ケーブルカーを降りて、そのまま前に進むとロープウェイのロープウェイ比叡駅である。
ケーブルカーとロープウェイの駅の間にある広場では、かわらけ投げをすることができる。かわらけを谷底に向かって投げて、厄除け、願掛けをするのだという。輪っかの中を通すことができればなお良いのだろう。外国人客を中心に何名か挑戦していたが、難しいようであった。
2024/9/20:叡山ロープウェイ:ロープウェイ比叡→比叡山頂
叡山ロープウェイは、叡山ケーブルのケーブル比叡駅から広場を挟んで向かい側にあるロープウェイ比叡駅を起点に、比叡山頂駅までの486mを結ぶロープウェイである。こちらは15分間隔での運行で、次の便は14時15分発である。係員にケーブルカーに乗車する際に購入した切符を渡す。
ロープウェイ比叡駅。
乗車したゴンドラ。
車内。
ゴンドラは大阪車両工業で1998年に製造されたものであった。
出発間際になると、かわらけ投げをしていた外国人も乗ってきて、14時15分に出発した。
出発してから3分ほど、14時18分に比叡山頂に到着した。
比叡山頂駅駅名標。
比叡山頂駅駅舎。
2024/9/20:江若交通:比叡山内シャトルバス:比叡山頂→中塔
ロープウェイの比叡山頂駅から比叡山延暦寺へはバスで向かうことになる。比叡山延暦寺は東塔、西塔、横川の3つに区分され、坂本ケーブルのケーブル延暦寺駅があるのは東塔エリアなので、今回は東塔に向かう。比叡山頂、東塔、西塔、横川の相互の移動には、京阪グループの江若交通が運行する「比叡山内シャトルバス」を利用することになる。閑散期の平日日中はおよそ30分間隔での運行である。
ロープウェイの比叡山頂駅から、延暦寺方面へ向かう比叡山内シャトルバスの比叡山頂停留所へは徒歩10分ほどである。
比叡山頂から、14時30分発横川行きのバスに乗車した。
比叡山頂を出ると、進行方向右側には琵琶湖が見える。カーブの多い山道を進み、途中で京都府から滋賀県に入る。
東塔には14時38分に到着した。バスは、この先、延暦寺バスセンター、西塔を経由して横川まで向かうが、今回は東塔で降りた。運賃は250円であった。
前述の通り、東塔の停留所は、比叡山鉄道(坂本ケーブル)ケーブル延暦寺駅の最寄りであるが、ここまで来たので比叡山延暦寺の東塔エリアを見ることにした。
この先にある詰所で1,000円を払って中に入る。東塔エリアは延暦寺発祥の地であるという。「平成の大改修」が行われている総本堂・根本中堂をはじめ、大講堂、阿弥陀堂、法華総持院東塔、文殊楼を40分ほどで見て回った。
諸堂巡拝券。
2024/9/20:比叡山鉄道(坂本ケーブル):ケーブル延暦寺→ケーブル坂本
比叡山からの下山は、大津方面へ向かう比叡山鉄道を使う。比叡山鉄道は、ケーブル坂本とケーブル延暦寺を結ぶ、現在するケーブルカーとしては日本最長の全長2kmの路線で、一般に坂本ケーブルと呼ばれている。1927年に開業し、戦時中の1945年3月に不要不急線として休止されたものの、戦後すぐの1946年8月に運行を再開し、1992年に全面リニューアル工事が行われたうえで、現在に至る。
ケーブル延暦寺駅は、延暦寺の東塔から徒歩10分ほどである。
ケーブル延暦寺駅の駅舎は1927年の開業以来の建物で、国の登録有形文化財に登録されている。
ケーブルカーは30分間隔での運行で、運賃は870円である。
乗車券。
駅前は展望台になっている。
次の便は15時30分発である。5分ほど前に乗車開始となった。
車内。
ケーブル延暦寺駅駅名標。
沿線には、もたて山とほうらい丘の2つの駅がある。この2つの駅は通常は通過し、事前に連絡があった場合のみ停車するという扱いになっている。乗車した便でも、対となっている下からの便でも、途中駅での降車、乗車はなく、終点まで無停車であった。
ケーブル坂本には15時40分過ぎに到着した。
ケーブル坂本駅も、山上のケーブル延暦寺駅と同様、駅舎は1927年の開業以来の建物で、国の登録有形文化財に登録されている。
2024/9/20:江若交通:41系統・坂本ケーブル連絡バス:ケーブル坂本駅→坂本比叡山口駅
ここから、京阪電鉄石山坂本線の坂本比叡山口駅を経由してJR湖西線の比叡山坂本駅まで、江若交通が「坂本ケーブル連絡バス」を運行している。ケーブルカーの運行に合わせて30分間隔の運行で、次の便は15時50分発である。
この後、私は坂本比叡山口駅へ向かう。ここからわずか800mとのことであるが、バスに乗車することにした。
出発時刻の少し前にバスが到着した。
坂道を下り、3分ほどで坂本比叡山口駅に到着した。
【2024/9関西】(目次)
7,叡山電鉄・鞍馬山鋼索鉄道:2024/9/20【2024/9関西】
8,京福電鉄鋼索線(叡山ケーブル)・比叡山鉄道(坂本ケーブル):2024/9/20【2024/9関西】【←本記事】
9,京阪石山坂本線・京津線:2024/9/20【2024/9関西】
【ケーブルカーの乗車記録】
(関東地方)
11,早雲山から強羅を経て小田原へ:箱根登山鉄道:箱根登山ケーブルカー・登山電車:2022/3/25【2022/3東日本・東海】
8,十国峠:十国峠ケーブルカー(十国鋼索線):2022/3/25【2022/3東日本・東海】
3,御岳登山鉄道(御岳山ケーブルカー):2020/9/16【2020/9東京・埼玉】
2,高尾登山鉄道:高尾山ケーブルカー:2019/12/8【2019/12高尾山】
3,筑波観光鉄道筑波山鋼索鉄道線(筑波山ケーブルカー):2019/12/6【2019/12筑波山】
3,大山観光鉄道大山鋼索線(大山ケーブルカー):2019/10/20【2019/10神奈川】
(関西地方)
7,叡山電鉄・鞍馬山鋼索鉄道:2024/9/20【2024/9関西】
6,京阪鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル):2024/9/20【2024/9関西】
5,近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】
4,近鉄信貴線・西信貴鋼索線(西信貴ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】
13,摩耶ケーブル・摩耶ロープウェー:2024/6/22【2024/6関西】
8,大阪から高野山へ:南海高野線:観光列車「天空」:2024/6/21【2024/6関西】
6,丹後海陸交通:天橋立鋼索鉄道(天橋立ケーブルカー):2021/12/24【2021/12西日本】
(四国地方)
21,八栗ケーブル(八栗鋼索鉄道線):2023/10/22【2023/10四国】
(九州地方)
7,皿倉登山鉄道:皿倉山ケーブルカー・皿倉山スロープカー:2023/7/14【2023/7九州】
(ドイツ)
14,ドレスデン:空中鉄道ドレスデン(Schwebebahn Dresden):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
13,ドレスデン:ドレスデン鋼索鉄道(Standseilbahn Dresden):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】