2024年12月31日火曜日。この日は、豊肥本線で熊本へ移動し、熊本で一泊するが、その前に別府に寄ることにしていた。別府には「ラクテンチ」という遊園地にある。この遊園地は立石山の中腹にあり、麓から遊園地までの260mをケーブルカーが結んでいる。ケーブルカーは1929年のラクテンチ開園と同時に開業し、戦時中は不要不急線に指定されて休止となったものの、1950年に運行を再開して現在に至る。まずはこれに乗車することにした。
2024/12/31:JR日豊本線:普通:大分→別府
9時半過ぎにホテルを出て、大分駅へ向かう。
大分から、9時58分発の日豊本線普通中津行きに乗車して、別府まで向かう。
3両編成の車内には、空席はほとんどなく、別府まで10分ほど立っていく。
大分の次の西大分を出ると、列車は別府湾に沿って運行する。
別府には10時10分に到着した。
別府駅東口(海岸口)。別府湾側で、駅前広場には足湯がある。
別府駅西口(山の手口)。
ラクテンチへのアクセスとして、ラクテンチの公式ウェブサイトを見ると、別府駅(東口)から亀の井バス16番鉄輪行きに乗車して、流川通り12丁目のバス停で降りて、そこから徒歩約10分と記されている。もっとも、別府駅からラクテンチのケーブルカー乗り場までは1.7kmで、駅から歩いても徒歩30分弱である。この日は年末年始期間でバスの時刻表も通常とは異なっており、すぐのバスが分からなかったため、歩いて向かうことにした。
別府駅西口(山の手口)から駅を出て、グーグルマップに従い、住宅街の細い道を歩く。別府市総合体育館の脇を通り、再び住宅街を進む。
立石山の麓にある雲泉寺駅(ラクテンチ下駅)には10時35分に到着した。
駅のさらに向こうにケーブルカーの線路が見える。
2024/12/31:別府ラクテンチケーブル線:雲泉寺駅(ラクテンチ下)→乙原駅(ラクテンチ上)
窓口でラクテンチの入園料1,300円をクレジットカードで支払う。ラクテンチのケーブルカーの運賃は、ラクテンチの入場料とセットになっている。
今回は窓口でチケットを購入したが、電子チケットもあったようである。
客が多く、ケーブルカーに乗るまでに少し並ぶ。ケーブルカーは、時刻表上では20分間隔での運行であるが、客が多いからか、臨時便を運行していた。切符を買ってから10分ほどでケーブルカーに乗車した。
ケーブルカーは10時50分に雲泉寺駅(ラクテンチ下駅)を出発した。
このケーブルカーの最急勾配は558パーミルとのことである。日本のケーブルカーの中で最も勾配がきついのは、最急勾配608パーミルの高尾登山鉄道であるが、ラクテンチのケーブルカーの勾配も上位に位置する。
総延長260mと短めの路線であり。途中で上からの車両とすれ違い、乙原駅(ラクテンチ上駅)にはすぐの10時53分に到着した。
これで乗るべきところは乗ったので、すぐに戻っても良いのだが、せっかくなのでラクテンチを少し散策することにした。
ケーブルカーの駅の前には、日本で唯一という二重式観覧車「フラワーかんらん車」がある。
園内には、動物園、アトラクションのほか、温泉やバーベキュー場もあるという。
まずは、吊り橋を渡り、反対側に行ってみる。
渡る前は大したことがないだろうと思っていたのだが、150mと結構長く、揺れるので、真ん中付近まで来て突如怖くなった。「立ち止まらないでください」との注意書きがあるが、言われなくても立ち止まらない。少し右を見れば別府湾が望めるのであるが、対岸に着くのに必死で、景色を見る余裕がなかった。
吊り橋を渡り終えたところに、ラクテンチ演芸場がある。その中に油屋熊八ミュージアムというのがあり、そこに行ってみた。1911年に別府に亀の井ホテルを創業した後、別府の観光事業に尽力し、別府観光の生みの親とも言われている油屋熊八の生涯を、時代ごとに漫画とパネルで紹介しており、なかなか興味深かった。
一通り見終えると、係員が話しかけてくる。少しお話をさせていただいたが、地元客や九州域内の客が多いものの、大阪から商船三井さんふらわあのフェリーが就航していることもあり、意外と大阪からの客もいるという。
2024/12/31::乙原駅(ラクテンチ上)→雲泉寺駅(ラクテンチ下)
ケーブルカーで下に降りることにする。ラクテンチ演芸場からケーブルカーの乗り場へは、吊り橋を渡ればすぐであるが、あれは怖いので、迂回する形とはなるが、吊り橋を回避して乗り場へ向かった。
ケーブルカー乗り場には、別府湾を望む展望台がある。
11時40分のケーブルカーで下に降りる。まだ早い時間であるから、行きとは異なり客は少ない。
車内。
正月仕様の飾りつけがなされていた。
車両は、アルナ工機昭和49年(1974年)製造であった。
3分ほどで、雲泉寺駅(ラクテンチ下駅)に戻ってきた。
帰りも徒歩で別府駅へ向かう。途中、総合体育館入口のバス停があったが、すぐのバスがなかったので、そのまま歩く。
20分ほどで別府駅西口に戻った。
改めて、別府駅の東口を見る。駅前には油屋熊八の像がある。笑顔で両手を広げた油屋熊八は、今も別府の玄関口で観光客を出迎えている。
お昼時である。別府駅に隣接するえきマチ1丁目にある、なつま屋という大分県のB級グルメを提供する店に入り、日田焼きそば、とり天、かしわめしがセットになった弁当を購入した。美味しくいただいた。
2024/12/31:JR日豊本線:普通:別府→大分
12時37分発の幸崎行きに乗車し、大分まで戻る。
反対のホームには、熊本からの「特急あそぼーい!」が到着した。「特急あそぼーい!」の運行開始は2011年であるが、このキハ183系気動車が製造されたのは1988年である。「特急あそぼーい!」として運行する前は「特急ゆふDX」として運行をしていたことがあり、その頃に乗車したことがある。
先頭車の運転台は2階にあるため、一番前まで客席となっている。
車体には犬のマスコット「くろちゃん」が描かれている。
別府を12時37分に出た幸崎行きは、大分に12時51分に到着した。
次に乗車するのは13時46分発の豊後竹田行きである。時間があるので、駅構内のシアトルズベストカフェに入り、シナボンとコーヒーで休憩にした。
【2024/12九州】(目次)
11,大分:アリストンホテル大分:スタンダードシングル:2024/12/30【2024/12九州】
12,別府ラクテンチケーブル線:2024/12/31【2024/12九州】【←本記事】
13,大分から宮地へ:JR豊肥本線:2024/12/31【2024/12九州】
【ケーブルカーの乗車記録】
(関東地方)
11,早雲山から強羅を経て小田原へ:箱根登山鉄道:箱根登山ケーブルカー・登山電車:2022/3/25【2022/3東日本・東海】
8,十国峠:十国峠ケーブルカー(十国鋼索線):2022/3/25【2022/3東日本・東海】
3,御岳登山鉄道(御岳山ケーブルカー):2020/9/16【2020/9東京・埼玉】
2,高尾登山鉄道:高尾山ケーブルカー:2019/12/8【2019/12高尾山】
3,筑波観光鉄道筑波山鋼索鉄道線(筑波山ケーブルカー):2019/12/6【2019/12筑波山】
3,大山観光鉄道大山鋼索線(大山ケーブルカー):2019/10/20【2019/10神奈川】
(中部・北陸地方)
6,立山黒部アルペンルート(3)室堂から美女平を経て立山へ:高原バス・立山ケーブルカー:2024/10/25【2024/10北陸】
5,立山黒部アルペンルート(2)黒部湖から黒部平、大観峰を経て室堂へ:黒部ケーブルカー・立山ロープウェイ・立山トンネルトロリーバス:2024/10/25【2024/10北陸】
(関西地方)
6,京阪鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル):2024/9/20【2024/9関西】
7,叡山電鉄・鞍馬山鋼索鉄道:2024/9/20【2024/9関西】
6,京阪鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル):2024/9/20【2024/9関西】
5,近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】
4,近鉄信貴線・西信貴鋼索線(西信貴ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】
13,摩耶ケーブル・摩耶ロープウェー:2024/6/22【2024/6関西】
8,大阪から高野山へ:南海高野線:観光列車「天空」:2024/6/21【2024/6関西】
6,丹後海陸交通:天橋立鋼索鉄道(天橋立ケーブルカー):2021/12/24【2021/12西日本】
(四国地方)
21,八栗ケーブル(八栗鋼索鉄道線):2023/10/22【2023/10四国】
(九州地方)
7,皿倉登山鉄道:皿倉山ケーブルカー・皿倉山スロープカー:2023/7/14【2023/7九州】
(ドイツ)
14,ドレスデン:空中鉄道ドレスデン(Schwebebahn Dresden):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】
13,ドレスデン:ドレスデン鋼索鉄道(Standseilbahn Dresden):2020/3/2【2020/2ヨーロッパ】