門司港では、まず平成筑豊鉄道の門司港レトロ観光線に乗車することにしていた。この路線は、門司港駅に隣接する九州鉄道記念館駅と、和布刈地区にあり関門トンネル人道入口にも近い関門海峡めかり駅との間の2.1kmを10分で結ぶ、平成筑豊鉄道が運行する観光路線である。鹿児島本線の貨物支線と田浦公共臨海鉄道の廃線跡を活用しており、2009年に運行を開始した。この区間を、「潮風号」と名付けられたトロッコ列車が行き来する。ちなみに、「北九州銀行レトロライン」というのは、ネーミングライツを取得した北九州銀行(当初は山口銀行)によって命名されたものである。
この路線は、現在は毎日運行ではなく、基本的の土休日のみの運行であるが、8月の夏休み期間は毎日運行である。1日11本、九州鉄道記念館駅発は10時から16時20分まで40分間隔である。
2023/7/15:平成筑豊鉄道:門司港レトロ観光線:九州鉄道記念館→関門海峡めかり
小倉を10時20分過ぎに出た門司港行きの列車は、門司港駅に10時35分に到着した。今回は、ここから、門司港レトロ観光線で関門海峡めかりまで行き、関門トンネル人道を歩いて下関側へ出て、下関側の人道入口前にある御裳川停留所からバスで唐戸へ、唐戸から船で門司へ戻ろうと思う。
次の門司港レトロ観光線は、九州鉄道記念館駅を10時40分に出発するが、時間が少ないので、その次の11時20分発の列車に乗ることにした。駅の改札を出て右側へ進み、ロータリーに沿って歩くと、平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線の九州鉄道記念館駅がある。
切符売り場で、乗車券を購入した。300円也。
なお、この窓口では、門司港レトロ観光線の乗車券、下関側の御裳川停留所から唐戸までのバスの乗車券、唐戸から門司までの渡船の乗船券がセットになった割引乗車券「関門海峡クローバー切符」が販売されている。今回はこれを購入しようかとも考えたが、巌流島へ行く可能性もあったので、通常の乗車券を購入した。
なお、乗車券は座席指定券ではないので、購入していても満席であれば乗車できない可能性もある。
出発まで30分ほど時間がある。その間に、門司港界隈を少し歩いてみた。
旧JR九州本社ビル。三井物産の三代目の門司支店として、1937年に建設されたものである。
その向かいにあるのが、旧門司三井倶楽部である。1921年に三井物産の社交クラブとして建てられたという。
ガス灯通り。土産物店が並んでいる。
その一角にあり、門司港レトロの雰囲気に馴染んでいる建物は、プレミアホテル門司港である。
門司港は、バナナの叩き売り発祥の地であるという。
暑い日であった。門司港駅に戻り、スターバックスコーヒー門司港駅店で休憩をした後、11時10分に九州鉄道記念館駅に戻ると、既に20人ほどが列を作っていた。アジア系の観光客が多い。
関門海峡めかりからの列車が到着して、客が降りると、乗車開始となる。
前後にディーゼル機関車が連結され、中間2両がトロッコ客車となっている。機関車はかつて南阿蘇鉄道で使われていたもの、トロッコ客車は島原鉄道で使われていたものであるという。
2両目のトロッコの一番後ろの席に座った。
天井には門司港レトロのイラストが描かれている。
トラ700形である。
定刻11時20分に九州鉄道記念館を出発した。
九州鉄道記念館駅を出ると、まず踏切を渡る。
列車の最高速度は15kmで、ゆっくりと走る。
最上階に門司港レトロ展望室がある高層マンション「レトロハイマート」の脇を通過する。
出光美術館駅に停車した。
出光美術館前を出ると、すぐ左側が海となる。関門橋も間近に迫る。
ノーフォーク広場駅に停車した。
ノーフォーク広場を出ると、内陸の方へ進路を向け、和布刈トンネルに入る。列車の天井には、魚のイラストが映し出される。
トンネルを抜けると、まもなく終点の関門海峡めかり駅である。
10分ほどで、終点の関門海峡めかり駅に到着した。「めかり」は漢字で書くと「和布刈」である。
関門海峡めかり駅前。
駅前にはEF30型電気機関車とオハフ33形客車が保存されている。
EF30形電気機関車は、世界初の交直両用の電気機関車で、1960年から1968年にかけて22編成製造され、関門トンネルを走行する列車の牽引に充当された。1942年に関門トンネルが開通した際にこの区間は直流電化されたが、1961年に鹿児島本線の門司港~久留米間が交流電化されたときに、九州側の門司駅構内も交流化されたため、関門トンネルを走行する機関車も、交流・直流の両方に対応することが要求された。そのときに作られたのがEF30形であるという。
関門海峡めかり駅から関門トンネル人道入口までは450m、徒歩でおよそ10分である。列車に乗ってきた客の多くが、そちらへ向けて歩き出す。
【2023/7九州】(目次)
10,小倉から門司港へ:JR鹿児島本線:811系:2023/7/15【2023/7九州】
11,平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線:北九州銀行レトロライン「潮風号」:2023/7/15【2023/7九州】【←本記事】
12,門司から下関へ:関門トンネル人道:2023/7/15【2023/7九州】
【トロッコ列車の乗車記録】
8,会津若松から会津田島へ:会津鉄道:お座トロ展望列車・会津浪漫花号:2020/10/10【2020/10東北】
10,JR釧網本線:くしろ湿原ノロッコ号:2018/8/27【2018/8北海道】
10,JR木次線:奥出雲おろち号:2009/10/4【2009/10西日本】
3,JR米坂線・山形鉄道フラワー長井線:風っこ花回廊1号:2009/6/7【2009/6山形】
10,JR富良野線:富良野・美瑛ノロッコ6号:2006/7/30【2006/7北海道】
【平成筑豊鉄道の乗車記録】
5,平成筑豊鉄道・JR後藤寺線:2008/7/8【2008/7九州】