仙台駅を11時05分に出た山交バスの「48ライナー」は、山形県の新庄駅東口に13時半に到着した。さて、本日中には東京へ戻ろうと思っており、新庄から東京へは山形新幹線で戻るのが一般的であろうが、先日乗車したばかりである。では飛行機はと思い、山形空港からの日本航空便を調べてみたが、この日の夜便は既に満席であった。
駅の掲示物を見ていると、本日は臨時快速「湯けむり」の運行日であった。この列車は、仙台と新庄を東北本線・陸羽東線経由で結ぶ臨時快速列車で、レトロラッピングの車両で運行されるという。新庄発は15時でちょうど良い。全車指定席であるが、えきねっとで確認する限り、空席は多い。
さらに調べてみると、この列車の仙台到着は17時40分で、20分ほどの接続時間で常磐線の特急ひたち30号品川行きに接続する。新庄から東京まで新幹線を使わずに帰ることにして、えきねっとで一式を予約した。
えきねっとでの予約に際しては、乗車駅を新庄、降車駅を品川として、日時を「本日」の「15時」としたうえで、「検索オプション」を開き、「新幹線を利用する」のチェックボックスを外すと、上記のルート、列車が出てきた。えきねっとで予約・決済を済ませた上で、駅の指定席券売機で乗車券を発券した。特急ひたち30号はグリーン車、チケットレス発券を選択した。全部あわせて15,350円であった。
新庄から陸羽東線、東北本線、常磐線経由で東京までの乗車券は8,360円也。
快速湯けむりの指定席券は530円也。
新庄駅。
出発まで1時間ほど時間があるので、ここで昼食にする。駅併設の最上広域交流センター「ゆめりあ」内にある「ちぇれんこ」という喫茶店に入った。
モツ煮定食を注文した。900円也。美味しくいただいた。
さらにコーヒーをいただいた。
計1,150円也。paypayで支払った。
2024/3/24:JR陸羽東線・東北本線:快速湯けむり:新庄→仙台
陸羽東線は、宮城県の小牛田と山形県の新庄の94.1kmを結ぶ路線で、1917年に全線開通した。
現在の時刻表を見ると、鳴子温泉を境に運行本数に差があり、小牛田~鳴子温泉間は1時間から2時間に1本の間隔で列車が設定されている。また、東北新幹線の停車駅である古川と、東北本線の小牛田との間では、朝晩を中心に区間列車が設定されている。一方、県境越え区間を含む新庄~鳴子温泉間は、1日7往復のみで、昼間は3時間近く列車が来ない時間帯もある。
陸羽東線沿線には温泉が多く、駅名だけを見ても、新庄方から、瀬見温泉、赤倉温泉、宮城県に入り中山平温泉、鳴子温泉、鳴子御殿湯、川渡温泉と、温泉の最寄りとなる駅が多い。また、松尾芭蕉の『奥の細道』の旅の経路と重なるところもあることから、「奥の細道・湯けむりライン」の愛称がある。
列車は5番線からの出発である。
15時発の快速湯けむり号は、キハ110系0番台2両編成による運行である。この0番台は急行列車用の車両として1990年から1991年にかけて製造され、車内にはリクライニングシートが備わっている。かつては全て盛岡に配置され、盛岡と釜石・宮古を釜石線経由で結ぶ急行陸中に充当されていた。急行陸中が快速化されたのちは、快速はまゆりの指定席車を中心にこの車両が用いられている。
今回乗車するキハ111・112-3は、2022年3月に鉄道開業当時の客車をイメージしたレトロラッピングの車両となり、現在「快速湯けむり」に充当されている。
仙台方の先頭1号車。
新庄方の2号車
側面の行先表示器は「快速湯けむり」となっている。
車内は、急行陸中・快速はまゆりの頃と変わらず、リクライニングシートが並んでいる。座り心地は悪くないが、観光列車らしさは感じられない。
座席。
背面テーブル。
窓枠に若干のスペースがある。
車内は全車指定席である。
くずもの入れ。
トイレ。
ドアは半自動式のプラグドアである。
新庄駅のホーム端に、「抑止すったが?」との山形弁の注意看板がある。結構有名なもので、「抑止したか?」という意味らしい。線路に降りる作業員に、列車を止めているかを再確認させるものだろうか。
定刻15時に新庄を出発した。空席が多い。
奥羽本線と5分ほど併走した後、左へカーブする。
車窓から。僅かではあるが雪が残っているところもあった。
列車には車内販売が乗務しており、車端部のボックスシートの区画を準備スペースとして、車内を回っていた。山形のお酒を積んでいたようであるが、その他は一般的なお菓子やソフトドリンクなどであり、列車オリジナルのグッズや地元の食材などはなさそうであった。
最初の停車駅である瀬見温泉に近づく。瀬見温泉には15時18分に到着した。観光列車らしく、車掌が温泉の紹介を行う。
次いで、最上には15時30分に到着した。最上町の中心駅である。
赤倉温泉には15時36分に到着した。松尾芭蕉の「奥の細道」で難所とされた山刀伐峠は、このあたりから尾花沢へ向かう道中にある峠である。
宮城県に入り、中山平温泉には15時52分に到着した。
鳴子峡では最徐行で列車が進む。大谷川が刻んだ渓谷で、特に紅葉シーズンは観光客で賑わうという。
鳴子温泉には16時01分に到着した。2分ほど停車する。若干の乗客の入れ替えはあるが、空席の方が多い。
鳴子温泉の次は鳴子御殿湯に停車する。東鳴子温泉の最寄り駅である。
鳴子御殿湯の次は川渡温泉である。「川渡」と書いて「かわたび」と読む。
列車は大崎平野を進む。
有備館には16時24分に到着した。有備館は、江戸時代の仙台藩家臣である岩出山伊達家が開設した郷学である。建物と庭園が現在も残されており、「旧有備館および庭園」として国指定文化財に登録されている。
岩出山には16時27分に到着した。鳴子温泉行きと行き違いをするため3分ほど停車する。
古川には16時44分に到着した。東北新幹線との接続駅である。
小牛田の一つ手前の北浦で停車した。時刻表上の停車駅ではなく、対向の古川行きとの行き違いのための停車である。
車窓から。
小牛田には16時59分に到着した。
小牛田からは東北本線に入る。松島に停車した後、終点の仙台には17時40分に到着した。新庄から2時間40分であった。
【2024/3東北】(目次)
4,仙台から新庄へ:山交バス「新庄・仙台線 48ライナー」:2024/3/24【2024/3東北】
5,新庄から仙台へ:JR陸羽東線・東北本線:快速湯けむり号:キハ110系:2024/3/24【2024/3東北】
6,仙台から品川へ:JR常磐線:特急ひたち30号:E657系:グリーン車:2024/3/24【2024/3東北】
【陸羽東線の乗車記録】
4,小牛田から酒田へ:JR陸羽東線・陸羽西線:2005/10/8【2005/10東北】
【キハ110系の乗車記録】
4,森宮野原から越後湯沢へ:JR飯山線・上越線:2022/12/18【2022/12新潟・長野】
盛岡から釜石へ:JR釜石線:快速はまゆり5号:指定席:2022/5/4
22,JR飯山線:快速「おいこっと」:2022/4/2【2022/3東日本・東海】
17,JR小海線:快速「HIGH RAIL 星空」:2022/3/26【2022/3東日本・東海】
2,JR磐越東線:快速あぶくま:2009/8/15【2009/8福島・茨城】
19,新津から仙台へ:JR磐越西線ほか:2008/7/10【2008/7九州】
6,小諸から小淵沢へ:JR小海線:2007/5/14【2007/5甲信越】
4,小牛田から酒田へ:JR陸羽東線・陸羽西線:2005/10/8【2005/10東北】