東京メトロ日比谷線・東武伊勢崎線：THライナー9号：2020/9/5

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2020年6月6日の東京メトロ・東武鉄道ダイヤ改正で、東京メトロ日比谷線と東武伊勢崎線を直通する座席指定制有料列車「THライナー」の運行が開始となった。

THライナーを紹介するプレスリリースによれば、「TH」には、「東武線＜TOBU＞と日比谷線＜HIBIYA＞を結ぶライナー」という意味と、「東京（都心）＜TOKYO＞とホーム（自宅）＜HOME＞を結ぶ通勤ライナー」という2つの意味が込められているという。

運行区間と本数であるが、上りは朝方に2本、東武伊勢崎線の久喜から東京メトロ日比谷線の恵比寿までの運行であり、下りは夕方以降に5本、東京メトロ日比谷線の霞ヶ関から東武伊勢崎線の久喜までの運行である。平日と土休日とではダイヤが異なるが、本数は同じである。

車両は、東武鉄道の70090型7両編成が使用される。この車両はロングシート・クロスシートの転換が可能な車両で、THライナーでの運行時はクロスシートとなるが、その他の各駅停車の運用に入るときはロングシートとなる。この種の車両は、TJライナーで使用される東武50090系、京王ライナーで使用される京王5000系、S-TRAINや拝島ライナーで使用される西武40000系など、首都圏では最近いくつか例がある。

2020/9/5：東京メトロ日比谷線・東武伊勢崎線：THライナー9号：霞ヶ関→久喜

2020年9月5日土曜日。THライナーの運行開始から3ヶ月経ったところで、乗りに行ってみた。乗車するのは、霞ヶ関を20時02分に出るTHライナー9号久喜行きである。

霞ヶ関駅の日比谷線ホーム。

5号車の乗り場付近にTHライナーの指定券券売機がある。

指定券券売機は1台であった。

20時02分発のTHライナー9号久喜行きは空席が「○」であった。平日は22時02分まであるが、土休日は20時02分が最終である。

THライナーの座席指定券。なお、日比谷線内から新越谷、せんげん台までは580円、春日部、東武動物公園、久喜までは680円である。

19時59分発の北越谷行きが出発してすぐに、THライナー到着の放送が流れる。乗車には指定券が必要であることが放送される。

まもなく、THライナー9号が入線した。

行先表示器では行き先と車両が交互に表示される。

THライナーの運用時は、各車両1つのドアしか開かない。先頭の1号車は進行方向一番後ろのドア、2号車から7号車までは進行方向一番前のドアだけが開く。

車内。

座席。座席間に肘掛けがある。見た目、座り心地共に、TJライナーの50090型から改良されているように思う。

ドア前の座席を除いて、ドリンクホルダーとコンセントが各座席にある。

車端部にはロングシートの部分もある。ここにも座席番号は振られていた。

車いすスペース。

車内ではTOBU FREE Wi-Fiが利用可能である。

指定された7Aは横に窓がなく、車窓を見るには不向きな席であった。

LCD表示器には座席指定列車である旨が表示されていた。

霞ヶ関を20時02分に出発した。霞ヶ関から乗車したのは私だけであった。

最後尾に車掌が見えるが、車内ではフェイスシールドをして携帯端末を持った乗務員がおり、各駅を出発すると車内を巡回していた。

コロナ禍であるから、車内の窓も一部開けられていた。ほどよく風が入る。

霞ヶ関駅の日比谷線ホームにある「コロット」という店でクレープを2個買っていた。小さいが、中身がぎっしりと詰まったクレープであった。

日比谷線内では銀座、茅場町、秋葉原、上野にしか停車しない。

ただ、日比谷線内には追い越し設備がなく、前に列車がいるので、常にゆっくりとした速度で走る。

日比谷を通過し、次に銀座に停車する。停車する際には、乗車専用駅のためお降りになりませんようにとの自動放送が流れた。

銀座には20時05分に到着した。ここで5号車に1人乗車した。

銀座を出ると、東銀座、築地、八丁堀をゆっくりと通過して、次に茅場町に停車する。茅場町には20時13分に到着した。茅場町でも5号車に1人乗車した。

茅場町を出ると、人形町、小伝馬町を通過して、秋葉原に20時19分に到着する。秋葉原で時間調整のため2分停車した。秋葉原から5号車に乗車する客はいなかった。

秋葉原を出ると、仲御徒町を通過して、上野に20時24分に到着した。ここで2人乗車した。

上野を20時25分に出発した。上野が最後の乗車可能駅である。5号車の乗客は私を含めて5人で確定となった。その他の車両も、客はほとんど乗っていない。

上野を出ると、車内の表示器は、早くも「次は新越谷」と表示した。

入谷、三ノ輪を通過し、地上に上がる。

南千住を通過して、20時34分に北千住に到着した。ドアは開かないが、ここで運転手と車掌が東京メトロから東武鉄道に交代する。車内を巡回する乗務員はそのままであった。

北千住では1分弱停車して、20時35分に出発した。ここから東武伊勢崎線である。北千住を出ると、はじめて車掌がマイクで車内放送を行った。

列車は、緩行線に入り、引き続き低速で走行する。携帯のアプリを見ると、時速40km程度の速度であった。

小菅を通過したところで急行南栗橋行きに抜かれる。北千住を20時36分に出発した列車である。

梅島を今にも止まりそうな速度で通過する。梅島を出ると、THライナーのために新設された渡り線を通り、急行線へ転線する。西新井を出ると速度も時速80km程度まで上がる。

草加付近で、霞ヶ関出発以来この列車の前を走っていた普通北越谷行きを追い抜く。

上野を出て28分、新越谷には20時53分に到着した。ここから先は降車専用駅である。地下鉄線内と同じく、1号車は一番後ろ、2号車以降は一番前のドアのみが開く。新越谷では2人下車した。

次の越谷は通過する。ここで、先ほど小菅でこの列車を追い抜いていった急行南栗橋行きを抜き返す。

外では雷が鳴っている。次第に雨も降ってきた。車内対応の乗務員が、窓を閉めて回る。

せんげん台には21時に到着した。ここで1人下車した。隣のホームには東武動物公園行きの各駅停車が停車していた。

春日部には21時06分に到着した。ここで1人降りて、5号車は私だけになった。

春日部駅のホームに掲示されていたTHライナーの案内。

東武動物公園には21時11分に到着した。

そのまま伊勢崎線を走り、終点の久喜には21時19分に到着した。北千住から久喜までの所要時間は44分であった。停車駅がTHライナーより多い急行列車は、この区間を41分～45分ほどで走るので、やや遅いかなと思う。

久喜駅ではすべてのドアが開いた。

新型コロナウイルス感染症の流行がまだ収束しているわけではないこと、土曜日の夜であることを差し引いても、乗客はあまりにも少なく、寂しかった。そもそも、この列車が運行を開始した6月はコロナ禍真っただ中であり、在宅勤務の企業も多くなっていた。運行開始の時期が悪すぎた感はあるし、未だ定着していないのかもしれない。

ただ、日比谷線沿線から新越谷以北の主要駅に、北千住で乗り換える必要なく早く行くことができる、という点では画期的な列車である。また、座席指定制であり、指定券が取れさえすればラッシュ時でも必ず座ることができる。需要はありそうである。

久喜駅に到着した列車は、車内点検を終えた後、すぐに回送となりホームを去った。

久喜駅駅名標。

久喜駅の改札外にはTHライナーのポスターが貼られていた。

その横はアマビエさんであった。左が東武鉄道、右がJR東日本のものらしい。

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2020/9/5：JR東北本線・湘南新宿ライン：普通：久喜→新宿

帰りはJRで東京に戻ることにした。

この日は大宮駅で人身事故があり、一部の列車でダイヤが乱れていた。21時19分発の沼津行きは、32分発の後に到着するとのことであった。

21時32分発の湘南新宿ライン経由大船行きは、定刻に到着した。グリーン車に乗車した。

4号車の2階は赤羽まで無人であった。

先ほどのTHライナーの座席は、ロングシートと比較すれば優れていることには疑いがないが、ただ、その後にJRのグリーン車に乗ると、座席、設備、料金いずれも中途半端な感がした。JRのグリーン車はリクライニングシートで、足もそこそこ伸ばすことができる。同じ有料座席ではあるが、軍配はJRのグリーン車に上がる。

東武久喜駅構内のFLOで、マスカルポーネのカフェゼリーを購入していた。291円也。美味しく頂いた。