2020年3月1日日曜日。この日はフランクフルトからドレスデンへ移動する。フランクフルトからドレスデンまでは直通のICEも走っており、これに乗るとおよそ5時間で到着する。しかし、レイルパスを持っているので、ミュンヘン経由で遠回りをすることにした。
まずはミュンヘンへ向かう。フランクフルトからミュンヘンまでは直通のICEが毎時1本運行されている。今回は、8時54分にフランクフルト中央駅を出るICE527列車に乗車することにした。約400kmの行程である。
ドイツでは、高速列車ICEを含め基本的に列車の座席指定は必要なく、ユーレイルパスを所持していれば自由に空席に着席をすることができる。とはいえ、この列車には3時間以上乗車するので、念のため、前日にフランクフルト中央駅の窓口で座席指定を行った。5.3ユーロであった。
窓口で聞いて気がついたのだが、座席指定は公式WEBサイトでも可能であった。下記画像は、公式WEBページのトップ画面であるが、赤く丸をつけたところが座席指定のみの予約の入り口である。
なお、ユーレイルパスは、使用開始前に鉄道会社の窓口でバリデーション手続きをする必要がある。これは、前日にフランクフルト空港駅のドイツ鉄道の窓口でお願いした。係員が、レイルパスに有効期限とパスポートナンバーを記載し、日付印を押した。これで利用可能となる。
2020/3/1:ICE527:Frankfurt (Main) Hbf.→München Hbf
ホテルを8時40分にチェックアウトして、フランクフルト中央駅へ向かう。
ICE527列車ミュンヘン行きは7番線からの出発である。
優等列車については、ホームの案内板に編成表が掲示されている。自身の乗る車両がホームのどのあたりに停車するかが分かるようになっている。
8時50分、ICE527列車ミュンヘン行きがフランクフルト中央駅7番線に到着した。この列車は、ドルトムントを朝6時20分に出発し、デュッセルドルフ、ケルン、フランクフルトを経由してミュンヘンへ向かう列車である。平日は8両編成を2編成連結した16両編成で運行されているようであるが、土日は8両編成での運行である。
ICEには、ICE 1、ICE 2、ICE 3、ICE 4、ICE T、ICE TDという車種がある。今回のICE527列車は、ICE 3の国内列車用403形という車両であった。ドイツ国内での最高速度は時速300kmである。
1等車はフランクフルト寄りの29号車と28号車である。
昨日座席指定を行った際に指定されたのは29号車の21番であった。1等車の車内は1+2の横3列配置である。座席は集団見合い式であり、半数が後ろ向きとなる。私の席は1人掛けの後ろ向きの席であった。
座席背面にはテーブルがある。また、足下にはフットレストがある。リクライニングはできないが、座面は前にスライドする。
各座席にはC型コンセントが設置されている。
28号車には横3列の開放座席の他に、コンパートメントが3つあった。
座席ごとに表示器がある。ここに何も書かれていなければ、その席は座席指定されていないから自由に座って構わない。区間が入っていれば、その区間では人が来る。下の写真のように"ggf. freigeben"と書かれている場合、空席であれば座って良いが、座席指定した人が来たら譲らなければならない。"bahn. comfort"と書かれている場合は、その席は"bahn comfort"会員の優先席らしい。
車内には大型荷物置き場がある。
新聞が置かれている。
車内ではWi-Fiが無料で利用可能であった。
デッキ。
洗面所。
列車は、フランクフルト中央駅を定刻2分遅れの8時56分に出発した。
フランクフルトからミュンヘンまでの間では停車駅が少なく、アシャッフェンブルク、ヴュルツブルク、ニュルンベルクというバイエルン州の主要都市のみに停車する。客は少なくも多くもなく、ほどよい乗車率である。
早速車掌が検札に来た。日付と列車名を事前に書いておいたレイルパスを見せると、スタンプを押してくれる。
座席には行程表が置かれていた。列車の編成案内の他、各駅での到着番線、乗り換え列車、駅施設が詳細に記載されている。
モニターでは速度が表示されている。列車は、時速120km程度でゆるゆると走る。ICEというと私には高速列車のイメージがあるのだが、時速300kmで高速走行するのはごく限られた区間のみであるという。
列車はヘッセン州からバイエルン州に入る。
アシャッフェンブルク中央駅(Aschaffenburg Hbf.)には9時24分に到着した。2分遅れである。
時速150kmまで加速し、後に時速180kmまで加速する。時速150kmを超えると、振動が少し気になるときがある。
時々街が見える。
ヴュルツブルク中央駅(Würzburg Hbf.)に10時06分に到着した。5分遅れである。
ヴュルツブルクを出発すると、時速50km程度でノロノロと走る。ヴュルツブルクを後に出たと思われる近郊列車が、高速で隣の線路を追い抜いていった。こちらは今にも止まりそうな速度にまで減速する。さすがに何かあったのかなと思ったが、その後、やっと加速を始めた。
時々街が見える。キッツィンゲン(Kitzingen)付近。
街を離れると、時には森を走り、時には平野を走る。
ニュルンベルクが近くなると、街が現れる。
各駅に到着する際に、デッキのモニターでは乗り換え案内がなされる。
この列車の運行状況も表示される。ニュルンベルクには3分遅れでの到着である。
ニュルンベルク中央駅(Nürnberg Hbf.)には3分遅れの11時03分に到着した。遅れは回復傾向にあるので、ヴュルツブルクを出た後の低速運転は計算のうちだったようである。
ニュルンベルクにはドイツ鉄道の博物館があるらしい。ここも興味はあるが、今回は行かない。ニュルンベルクでは29号車から5,6人ほど降車した。新たに乗車してくる客はいなかった。11時06分に出発する。
ニュルンベルクを出発した後、車内を見て回る。
27号車は2等車であった。2+2の横4列の座席配置である。1等車とは異なり、空席はほとんどなかった。
26号車は食堂車である。テーブル席では商品を注文せずに本を読んでいる客が多い。何か昼食を食べようかと思ったが、メニューがない。カウンターで売られている商品を見てもホットミールがないようである。ここでは買わないでおく。
モニターを見ると、速度は時速270kmに至っていた。2006年に開業した「ニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線」と呼ばれる高速線を走行しているようである。やっと速度を出し始めたかと思う。ただ、高速で走った時間は短く、再び時速200km以下となった。
12時。まもなくミュンヘン到着である。車両基地が見え始める。
終点のミュンヘン中央駅(München Hbf)には2分遅れの12時08分に到着した。頭端式ホームの駅であった。
乗車列車を29号車側から撮影。
ICEは環境保全に貢献しています、ということだろうか。両端の先頭車の半分が緑帯であった。
食堂車。
21号車側から撮影。
【2020/2ヨーロッパ】(目次)
7,フランクフルト中央駅(Frankfurt (Main) Hauptbahnhof):2020/2/29【2020/2ヨーロッパ】
8,フランクフルトからミュンヘンへ:ICE527:1等車:2020/3/1【2020/2ヨーロッパ】【←本記事】
9,ミュンヘンからホーフへ:ALX79859:1等車:2020/3/1【2020/2ヨーロッパ】
【ICEの乗車記録】
57,ケルンからフランクフルトへ:ICE819:2012/3/4【2012/2ドイツ】
43,バーゼルからフランクフルトへ:ICE374:2012/3/2【2012/2ドイツ】
35,ハンブルクからコペンハーゲンへ:ICE33(渡り鳥コース):2012/3/1【2012/2ドイツ】
34,ベルリンからハンブルクへ:ICE1616:2012/3/1【2012/2ドイツ】