現在、東京と愛媛県の松山との間では、京王グループの西東京バスと伊予鉄グループの伊予鉄バスとが、夜行高速バス「オレンジライナー」を共同で運行している。かつては毎日運行で、松山からさらに先の八幡浜まで運行していたようであるが、コロナ禍を経て、2024年5月に松山〜八幡浜間が廃止となり、運行日も繁忙期を除くと金・土・日・月曜のみの運行となっている。運賃は期間によって変動し、ホームページには運行日とその日の運賃が記載されている。
東京側では新宿高速バスターミナル(バスタ新宿)と横浜駅西口に停車する。愛媛県側では、松山室町営業所、道後温泉、大街道、松山市駅、余戸南インター、松山インター口、川内インターに停車する。全線通しで乗車すると12時間半程度で、松山行きのバスタ新宿出発時刻は19時50分、反対の東京行きの松山室町営業所出発時刻は19時30分と、夜行バスとしては比較的早い時間に両出発地を発車する。
この路線の予約は、発車オーライネットでも京王系のハイウェイバスドットコムでも可能である。
2025/9/27:西東京バス:オレンジライナー:新宿高速バスターミナル→松山室町営業所
2025年9月27日土曜日。19時50分にバスタ新宿を出発する松山行きに乗車する。今回はハイウェイバスドットコムで、新宿から松山室町営業所までの乗車券を購入した。12,300円であった。
19時半頃にバスタ新宿へ向かう。
まだ昼行バスの出発が多い時間帯であり、バスタ新宿から19時台に出発する夜行バスは、おそらく19時40分のWILLER EXPRESS運行の米子・松江・出雲市行きと、19時50分のオレンジライナー号松山行きのみである。
松山行きのバスは、A1番乗り場からの出発であった。昼間は羽田空港や成田空港へ向かうリムジンバスが出発する乗り場である。
この日の担当は西東京バスであった。西東京バスは京王グループのバス会社で、八王子市に本社を有し、八王子市をはじめ東京都西部で一般路線バスを運行している。このオレンジライナー号は、現在では西東京バスの一般路線バスの運行エリアには立ち入らず、東京側の停車地は新宿と横浜のみであるが、京王バスではなくて西東京バスが運行を担当している。
車内は夜行バスでは一般の3列独立シートである。今回の座席は、前から3列目の3Cである。すぐ後ろがトイレなので、気兼ねなくリクライニングができる席である。
オレンジ色の枕カバーと可動式枕とが目立つ。
レッグレストと足置きが備わっている。
前の座席の下にはカップホルダーがある。
各座席にはコンセントとUSBの充電設備が備わっている。
座席前のポケットには、ごみ袋、使い捨てスリッパが予め入れられている。また、車内でのWi-Fiの使用が可能であり、その案内もあった。
カーテンは厚手で、カーテンのつなぎ目はボタンではなくて磁石式であった。ボタン式だと隙間から光が漏れることもないわけではないが、この磁石式だと完全に密閉されるので、これは良いと思った。(翌朝撮影)
A席とC席には座席仕切りカーテンが備わっている。
バスタ新宿を定刻19時50分に出発した。さすがにまだ寝るには早い時間であり、車内の照明も点灯したままで、前方の運転席後ろの仕切りカーテンも開いたままである。運転手は2名で、早速、交代の運転手から挨拶の放送がある。
バスは、新宿出入口から首都高速4号新宿線に入り、三宅坂JCTで都心環状線、浜崎橋JCTで1号羽田線に移る。1号羽田線は羽田を過ぎると首都高速神奈川1号横羽線となる。
順調に走行していたが、20時25分、大師料金所を通過すると、渋滞の最後尾となり、停止する。大師料金所から浜川崎ICの間で車線規制を伴う工事が行われているようで、車線減少による渋滞だったようである。ゆっくりと進み、5分ほどするとその現場を通過し、再び速度を出す。
その後は、おそらく金港JCTで神奈川2号三ツ沢線に移り、横浜駅西口出入口で高速を降りたのだろう。
横浜駅西口22番には20時44分に到着した。ここで数名乗車する。運転手が営業所だろうか、電話をかけて乗客13名と報告しているのが聞こえた。
予約客は全員すぐに乗車したが、出発時間は20時50分なので、更に数分待つ。20時50分、横浜駅西口を出発した。
交代運転手から本日の行程の案内がある。横浜新道、保土ヶ谷バイパス、東名高速道路、新東名高速道路、伊勢湾岸自動車道、新名神・名神高速道路、山陽自動車道、瀬戸中央自動車道、高松自動車道、松山自動車道を進むとのことである。つまり、本州から四国へは、明石海峡大橋ではなく瀬戸大橋を渡る経路である。また、降車可能な休憩箇所は、夜が海老名SA、朝が豊浜SAであること、この日は、余戸南インターと大街道では降車客がいないから通過すること、順調に進めば30分程度早着することが案内された。
20時55分、保土ヶ谷出入口から横浜新道に入り、数分後に新保土ヶ谷JCTから保土ヶ谷バイパスに入る。
21時08分、横浜町田ICで東名高速道路に入る。
21時17分、海老名SAに到着した。ここで21時35分まで休憩となる。
今回の車両は、いすゞ・ガーラ、「八王子200か2663」であった。
出発前に22時に消灯する旨の案内がある。21時35分、運転席後ろの仕切りカーテンが閉められ、バスは出発した。21時55分に少し暗くなり、22時、完全に消灯となった。
2025年9月28日日曜日。
5時20分、香川県観音寺市にある高松自動車道の豊浜SAに到着した。ここで放送が入り、車内の照明も点灯し、15分休憩となる。
この日は半袖のシャツを着て乗車していたが、空調のせいだろう、寝ている間に少し肌寒くなった。今年の9月は厳しい残暑が続き、9月27日の東京の最高気温は28度、最低気温も22度で、外では半袖でも全く問題なかった。ただ、夜行バスで寝るにあたっては、羽織るものを一枚持ってくるべきであった。かつての夜行バスには当然のようにブランケットが用意されていたが、コロナ禍を経て、会社によって対応に差が生じ、西東京バスでは現在もブランケットのサービスを中止している。
バスを降りて、自動販売機へ向かう。冷たい飲み物のみの自動販売機も多かったが、温かいお茶が売られている販売機を1台だけ見つけて、そこでそのお茶を購入した。
豊浜SAでのオレンジライナー号。
隣には、せとうちバスが運行する今治行きのパイレーツ号が停車していた。渋谷を20時20分、二子玉川を20時50分に出発したバスで、時刻表上、今治には8時過ぎに到着する。
松山行きは、豊浜SAを5時35分に出発した。再び車内の照明が消灯する。
約1時間走行し、川内インターで一旦高速を降り、料金所を出る。最初の停留所である川内インターには6時28分に到着した。定刻が7時20分であるから、52分の早着である。ここで車内の照明が点灯する。
ここからは照明を点灯したまま走行する。再び高速に戻り、6時41分、松山インターで高速を降りた。
松山インター口には6時43分に到着した。
松山インター口を出ると、自動車専用道路である松山外環状道路インター線に入る。
6時50分、余戸南ICーから一般道に入る。
松山市駅には7時に到着した。55分の早着である。松山市駅は伊予鉄道の郊外電車の駅で、高浜線、横河原線、郡中線の三路線が合流する。そのほか、市内電車も駅前から出発しており、JR松山駅や道後温泉方面へ向かうことができる。駅ビルには「いよてつ高島屋」が入居しており、その屋上には大観覧車「くるりん」がある。
駅前には、7時10分発の大阪・京都行の伊予鉄バスが停車していた。ポンジュースのラッピングが施されていた。
松山市役所の前を通過する。
愛媛県庁の前を通過する。
ここから道後温泉までは市内電車と並走する。大街道付近を通過する。
上一万停留場付近を通過する。
道後公園付近を通過する。
道後温泉に到着する。
道後温泉停留所は敷地が狭く、まず、バスは客を乗せたまま奥の転回所に突っ込む。転回所の転車台に乗り、これで方向転換をする。
方向転換を終えた後、7時13分、道後温泉の停留所に到着した。ここで車内の客は私だけになった。
道後温泉停留場の引き込み線には「坊ちゃん列車」が停車している。
終点の松山室町営業所には7時25分に到着した。定刻が8時20分であるから、55分の早着であった。バスは営業所の敷地内に入り、一番手前の駐車スペースで停車した。私が降りると、運転手は早速洗車を開始した。
松山室町営業所は伊予鉄バスの営業所で、バス乗客用の無料駐車場もある。
松山室町営業所から最も近い駅は、伊予鉄道横河原線の石手川公園駅で、距離は約500m、徒歩6分程度である。また、市内中心部の松山市駅へもちょうど1km、徒歩15分程度で向かうことができる。
今回は、石手川公園駅へ向かうことにした。バスが来た道を戻る。
石手川公園駅は、石手川に架かる橋梁上に駅がある。
ホームは踏切から見えるが、駅の入口は、橋を渡った向こう側にある。線路の横にある歩道を進めばよい。
【2025/9広島】(目次)
2,東京から松山へ:西東京バス「オレンジライナー」:2025/9/27【2025/9広島】【←本記事】
<つづく>
【東京~四国の夜行バスの乗車記録】
2,東京から高知へ:高知駅前観光「スマイルライナー」:ソメイユプロフォン:2025/6/17【2025/6四国】
2,東京から徳島・阿南へ:海部観光「マイ・フローラ」:2023/10/19【2023/10四国】
【西東京バスの乗車記録】
八王子から四万温泉へ:西東京バス「高崎・伊香保・四万温泉号(八王子線)」:2024/11/16
新宿から高尾へ:西東京バス「通勤ライナー」:2021/11/12
2,御嶽駅から御岳登山鉄道滝本駅へ:西東京バス「御10」:2020/9/16【2020/9東京・埼玉】