長野電鉄湯田中駅。長野県下高井郡山ノ内町に位置する、長野電鉄長野線の終着駅である。標高は599.76mである。
かつての湯田中駅は、特殊なスイッチバック駅として知られていた。当時、湯田中駅は2面2線で、ホームの中ほどに本線に繋がるポイントがあった。そのため、湯田中行きの列車は、本線からホーム中ほどのポイントを経て湯田中駅のホームに進入するものの、そのままホームの先端で停車したのでは、後方車両がホームのない本線上に残ってしまうことになる。そこで、そのままホームの先端を通り過ぎて、すぐ先の県道の踏切を越えたところで停車し、ポイントが本線側からホーム後端側へ切り替わった後、バックで改めてホームに入線していたという。これは、湯田中駅が勾配を登り切ったところに位置し、また、駅のすぐ先で前述の県道と交わることから、県道側の平坦な場所でホームを延長することが困難だったためであるという。
このような特殊なスイッチバック駅であった湯田中駅だが、2006年の長野電鉄1000系「ゆけむり」の運行にあわせて改良され、現在は、1面1線のごく一般的な終着駅となっている。
湯田中駅は、湯田中・渋温泉郷の玄関駅である。列車が到着すると、ホームに音楽が流れる。「美わしの志賀高原」という曲だという。
長野を14時46分に出たA特急湯田中行きで湯田中駅に到着した際には、温泉へ向かうとおぼしき客が多く乗車しており、湯田中駅では旅館のシャトルバスが出迎えに並んでいた。
昼間は駅員がいるが、早朝と夜間は無人となる。
自動券売機が2つ設置されている。
改札口に駅員がいる時間帯は、温泉饅頭が売られていた。
後日、ここで温泉饅頭を購入した。湯田中駅で売られている温泉饅頭は、白銀屋の「元祖温泉まんぢう」である。10個入り800円で売られていた。(以下3枚の写真は2021年9月26日追加)
「温泉」という文字が入っている。皮とこし餡のバランスも良く、大変美味しい饅頭であった。
駅構内。一部は人の少ない夜間に撮影した。
反対側はバス乗り場へ繋がっている。
構内にはGOEN DELIという店がある。このご時世だからか、8月は営業を休止していた。ただ、駅の向かいにJAPANESE DINING GOENという言わば本店たるレストランがあり、8月は夕方以降のみの営業となっていたようであるが、大変賑わっていた。
GOEN DELIの隣には観光案内所と待合室がある。
自販機コーナー。飲み物とタバコの自販機があった。
観光情報が書かれたボードが置かれていた。湯田中駅は、地獄谷野猿公苑の最寄り駅である。冬に猿が温泉に浸かっている写真をよく目にするが、公苑は夏も開いている。
湯田中駅ホームには、地獄谷野猿公苑の最寄り駅ということで、猿の写真が並んでいる。
ホーム側から見た湯田中駅改札口
駅に隣接してバス乗り場がある。ここから奥志賀高原へ向かうバスが出ている。大阪方面への夜行高速バスも停車する。
長電バス湯田中営業所が隣接している。
駅の反対側へ向かうと湯田中温泉の入口を示す門がある。
「楓の館」。1927年4月28日に開業した湯田中駅旧駅舎をリニューアルした建物とのことである。登録有形文化財にも登録されているという。
木の机と椅子が並んでおり、展示室やイベント会場として使われている。
中にはレンタサイクルがある。
湯田中渋温泉郷のキャラクター「湯田中渋穂波」。「鉄道むすめ」は知っていたが、「温泉むすめ」もあるということを初めて知った。
湯田中駅旧駅舎「楓の館」の隣には、「湯田中駅前温泉 楓の湯」がある。
足湯もある。昼も夜もそこそこ人がいた。
温泉街。
温泉街を歩いてみた。駅の表側、反対側、坂を下りたところにそれぞれホテルがある。昼の時間帯、長野からの特急列車が到着したときには駅前は温泉客で賑わっていたが、いざ歩いてみると、人は少なかった。営業しているお店も少ない。
共同浴場だろうか。いくつか見かけた。温泉街らしいなと感じた。
夜にも改めて訪れた。
湯田中温泉への門。
湯田中駅旧駅舎「楓の館」。
【2021年長野電鉄乗車記録】
長野電鉄:観光案内列車「特急ゆけむり~のんびり号~」:2021/9/25
湯田中駅(長野県:長野電鉄長野線):2021/8/7
長電バス・シンリク観光「屋代須坂線」(長野電鉄屋代線代替バス):2021/9/26
【2006年長野電鉄乗車記録】