河内山本からは、近鉄信貴線と西信貴鋼索線を乗り継いで、高安山まで向かう。
近鉄信貴線は、大阪府八尾市の河内山本と信貴山口の2.8kmを結ぶ路線で、中間駅は服部川の1駅のみ、全区間の所要時間は5分である。「信貴」は「しぎ」と読む。大阪側からの信貴山毘沙門天への交通機関として、近鉄の前身の大阪電気軌道により、後述する西信貴鋼索線と共に、1930年に開通した。現在は、昼間は1時間に3本、朝晩は最大4本、線内完結の普通列車が設定されている。
近鉄西信貴鋼索線は、信貴山口と高安山の1.3kmを結ぶケーブルカーで、西信貴ケーブルとも呼ばれている。信貴山電鉄により1930年に開通、高低差は354m、最急勾配は480パーミルである。ケーブルカーは、昼間時間帯のみの運行、40分間隔で便が設定されている。
2024/7/12:近鉄信貴線:普通:河内山本→信貴山口
大和高田から乗車した大阪線の区間準急は、河内山本に12時49分に到着した。河内山本で信貴線に乗り換える。次の列車は1番線から12時54分発である。
近鉄では、いわゆるパタパタ式の案内ボードが現役の駅が多い。
車両は1430系2両編成であった。2023年11月から運行を開始した、高安山の自然、歴史などをデザインしたデコレーショントレイン「高安まなびやま」が充当されていた。
前面にはステッカーが貼られている。
車体側面。
行先表示器。
車内はロングシートである。
頭上や広告枠、ドアには、高安山の歴史、自然に関する案内が掲示されている。
列車は、定刻12時54分に出発した。河内山本を出発すると、大和八木方へ少し進んだ後、大阪線は右へカーブしていくのに対して、真っ直ぐと東側へ進む。
途中の服部川駅には12時57分に到着する。ここで少し客が降りる。この辺りで列車は90度カーブして南側へ進路を変える。
終点の信貴山口には12時59分に到着した。ここまで乗車する人は少なくなかったが、私以外の全員が出口へ向かった。後ほど駅を出て分かったが、駅の周りは住宅街となっていた。
2024/7/12:近鉄西信貴鋼索線:信貴山口→高安山
信貴山口から高安山への西信貴鋼索線(西信貴ケーブル)は40分間隔での運行で、信貴線の一部列車と接続するダイヤが組まれている。次の高安山行きは13時05分発である。
信貴線と西信貴鋼索線は改札内での乗換となる。
駅名標。
西信貴鋼索線(西信貴ケーブル)の車両は、1957年に製造されたものだという。
車内。
車内はボックス席となっている。
乗車した車両の座席モケットにはトラの柄が入れられている。虎は信貴山朝護孫子寺の守護神であるが、1400年前に聖徳太子が物部守屋討伐に先立ち信貴山で戦勝祈願をしたところ、寅の年、寅の日、寅の刻に毘沙門天を感得し、それによって物部守屋に勝利をしたことから、虎が信仰されるようになったのだという。
信貴山口側の天井の一部はガラス張りとなっている。(後ほど撮影)
定刻13時05分に信貴山口を出発した。乗車しているのは、乗務員、清掃員と私だけであった。
信貴山口を出ると、2つ踏切がある。
中間地点で対向列車とすれ違う。
短いトンネルを抜ける。
高安山駅の手前が最急勾配の480パーミルである。
終点の高安山には13時12分に到着した。
信貴山方面へは近鉄バスに乗り換えである。
高安山駅。
ケーブルカーは40分間隔での運行で、次の便は13時45分である。
駅前からは、信貴山門に行く近鉄バスが出発する。
バスは、ケーブルカーに接続して40分間隔での運行となっており、次は13時20分発である。終点の信貴山門では、奈良交通のバスも発着しており、近鉄生駒線の信貴山下駅、王寺駅へ抜けることができるという。
バス乗り場。
その停留所の手前に、信貴山電鉄(後に信貴山急行電鉄)山上鉄道線の高安山駅ホーム跡がある。山上鉄道線は、高安山駅から信貴山門駅までの2.1kmを結ぶ路線として、1930年の信貴線、鋼索線(現・西信貴鋼索線)と同時に開通した。1944年に戦時中の不要不急線として運行休止となり、ケーブルカーの方は1957年に営業再開して現在に至るが、山上鉄道線の方は廃止、バス転換となったという。
ホームが残っている。
霧が濃くなってきたが、展望台があるというので階段を上る。
展望谷は東屋のようなものがあった。
案の定、何も見えない。
2024/7/12:近鉄西信貴鋼索線:高安山→信貴山口
折返し、13時45分発の信貴山口行きで信貴山口まで降りる。帰りも、乗務員と清掃員と私だけであった。
高安山を出発すると、少し晴れてきて、遠くに大阪の市街地が見えた。
信貴山口には13時52分に到着した。
次の信貴線河内山本行きは14時02分発である。
10分ほど時間があるので、駅の外に出てみた。
信貴山口駅周辺は住宅街となっているようである。駅の横には駐輪場があり、自転車が多く止まっていた。
2024/7/12:近鉄信貴線:信貴山口→河内山本
信貴山口を14時02分に出る河内山本行きに乗車した。終点の河内山本には14時07分に到着した。
2024/7/12:近鉄大阪線:河内山本→布施
河内山本では14時09分発の大阪線区間準急大阪上本町行きに乗り換えて、布施まで向かう。布施には14時16分に到着した。
【2024/7近畿】(目次)
3,近鉄湯の山線・鈴鹿線:2024/7/12【2024/7近畿】
4,近鉄信貴線・西信貴鋼索線(西信貴ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】【←本記事】
5,近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】
【その他の近鉄線の乗車記録】
19,伊賀神戸から近鉄四日市へ:近鉄大阪線・名古屋線:23000系「伊勢志摩ライナー」:2024/7/14【2024/7近畿】
17,大阪から伊賀神戸へ:近鉄大阪線:23000系「伊勢志摩ライナー」:デラックスシート:2024/7/14【2024/7近畿】
15,Osaka Metro中央線・近鉄けいはんな線:Osaka Metro400系:2024/7/13【2024/7近畿】
13,近鉄南大阪線・長野線・道明寺線:2024/7/13【2024/7近畿】
12,近鉄吉野線・南大阪線:観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」:2024/7/13【2024/7近畿】
9,近鉄生駒線・田原本線:2024/7/13【2024/7近畿】
6,近鉄橿原線(新ノ口連絡線)・京都線:30000系「ビスタEX」:2024/7/12【2024/7近畿】
2,名古屋から近鉄四日市へ:近鉄名古屋線:22000系「ACE」:2024/7/12【2024/7近畿】
3,名古屋から大阪へ:近鉄特急「ひのとり57列車」:2023/6/23【2023/6西日本】
6,近鉄志摩線・鳥羽線・山田線:近鉄特急:近鉄12410系:2022/8/27【2022/8近畿】