ベルヴュー宮殿(Schloss Bellevue)から近くの所に、やたらと高い塔が見えるので、行ってみる。塔のてっぺんには、金色の、人をかたどった物体が見える。
塔の周囲はロータリーになっており、歩道から少し入ったところには像がある。台には"BISMARCK"の文字がある。ビスマルクと言えば、プロイセン王国の宰相であり、ドイツ帝国の初代宰相である。プロイセンの宰相時代、「現下の大問題は言論や多数決によってではなく血と鉄によってのみ解決される」と演説したことは有名な話であり、「鉄血政策」と呼ばれた彼の政策は、ドイツ統一政策の別称となった。ビスマルクは、鉄血政策に基づき、ドイツ統一を巡っての普墺戦争の勝利を導き、国内でのプロイセン憲法の性格を巡っての対立(プロイセン憲法紛争)を収拾し、その後普仏戦争に勝利してドイツ統一を完成させた人物である。ドイツ帝国では、社会保険制度の導入と社会主義者鎮圧法の制定とを同時に行い、これは現在では「あめとむちの政策」などと言われている。
塔に入ることができるようなので、入ってみることにする。地下道を通ってロータリーの中央へ行き、そこの入口から中に入る。入場料は学生2.5ユーロ。
なお、塔のてっぺんの像は、勝利の女王ヴィクトリアとのことであった。
この塔は戦勝記念塔(Siegessäule:ジーゲスゾイレ)と言い、デンマーク戦争勝利を記念して1864年に建設が始められ、72年に完成したという。なお、この間、ドイツは先述したとおり普墺戦争、普仏戦争に勝利している。
下は簡単な博物館になっており、戦勝の記録の他に、塔の持つ意味、世界各国の高い建物についての展示があったのは面白かった。
さて、285段の階段を上がる。細い螺旋階段で、上っているうちに目が回ってきそうである。
上までたどり着いて外に出ると、寒い。ただ、夕暮れ時のベルリンを一望できる。
しばし風景を眺めてから、下まで降りて、バス停へ向かう。
あらためて戦勝記念塔を撮影する。だいぶ暗くなってきた。
【2012/2ドイツ】(目次)
13,ベルリン:ブランデンブルク門ほか:2012/2/26【2012/2ドイツ】
14,ベルリン:戦勝記念塔:2012/2/26【2012/2ドイツ】【←本記事】
15,ベルリン1日目の夜:2012/2/26【2012/2ドイツ】
【ベルリン観光の記録】
12,ベルリン:イーストサイドギャラリー:2012/2/26【2012/2ドイツ】
13,ベルリン:ブランデンブルク門ほか:2012/2/26【2012/2ドイツ】
14,ベルリン:戦勝記念塔:2012/2/26【2012/2ドイツ】
16,ベルリン:ヴァルシャウアー通り駅付近:2012/2/27【2012/2ドイツ】
19,ベルリン:チェックポイントチャーリー:壁の博物館:2012/2/27【2012/2ドイツ】
21,ベルリン:アレクサンダー広場付近:2012/2/27【2012/2ドイツ】
22,ベルリン:DDR博物館:2012/2/27【2012/2ドイツ】
23,ベルリン:ベルリン大聖堂:2012/2/27【2012/2ドイツ】
29,ベルリン:ドイツ技術博物館:2012/2/29【2012/2ドイツ】
30,ベルリン:シャルロッテンブルク宮殿:2012/2/29【2012/2ドイツ】
31,ベルリン:カイザーウィルヘルム記念教会:2012/2/29【2012/2ドイツ】
32,ベルリン:ニコライ地区:2012/2/29【2012/2ドイツ】