日本三名園の一つとして知られる茨城県水戸市の偕楽園には、約100品種、3000本の梅が植えられており、2月から3月にかけて、近隣の弘道館とともに「水戸の梅まつり」の会場となる。偕楽園の脇には常磐線の線路があり、毎年、この「水戸の梅まつり」の開催にあわせて偕楽園駅が開設され、関東地方各地から偕楽園・水戸方面を結ぶ臨時特急列車も運行される。
2026年3月7日と8日には、川越と勝田を結ぶ臨時特急列車「特急水戸偕楽園川越号」が設定されたので、今回は、この列車に乗車することにした。この臨時列車は、川越を出ると、まずは川越線を大宮まで走る。川越線の定期列車は大宮駅では地下ホームに入るところ、この列車は東北貨物線に乗り入れるため地上のホームへ入る。大宮からは、東北貨物線、武蔵野線大宮支線・西浦和支線と進み、武蔵浦和に出た後、武蔵野線の本線を南流山まで進む。南流山を通過すると、定期列車の運行はない武蔵野線北小金支線に入り、北小金を経て常磐線に乗り入れて、偕楽園、水戸、勝田へと進む。往路の川越発は8時03分、勝田着は10時18分、復路の勝田発は16時07分、川越着は18時20分である。
このような特殊な経路を通る臨時列車は、本来想定されている旅行客に加えて、鉄道を趣味とする人も集まり、早い時期に満席となる傾向がある。ただ、この経路に関しては、近時は「特急夏の海浜公園川越号」「特急海浜公園コキア川越号」などでたびたび運行されているからか、1週間前の時点でも空席が散見され、乗車時も隣は空席であった。
2026/3/8:JR川越線・東北貨物線・武蔵野線・常磐線:特急水戸偕楽園川越号:川越→偕楽園
2026年3月8日日曜日。特急水戸偕楽園川越号は、川越駅を朝8時03分に出発する。川越から水戸までの特急料金は2,390円であった。

7時半過ぎに川越駅に着いた。早々に改札内に入る。

臨時列車の運行日だけなのか毎日なのかは分からないが、New Daysでは肉の万世のカツサンドが売られており、おむすび店でも朝食用のおむすびが売られていた。勝田行き特急には車内販売がない旨の案内もあり、売店は賑わっていた。

私は、駅構内のいろり庵きらくで朝食そばをいただいた。460円也。

きつねそばに温泉卵が付いたセットである。

構内には川越駅のキャラクター「ときニャン」がいる。

特急水戸偕楽園川越号は6番線からの出発である。

列車は、出発5分前の7時58分に川越駅6番線に到着した。車両はE653系7両編成である。この形式は、1997年に常磐線の特急「フレッシュひたち」として運用を開始した後、2014年に常磐線特急がE657系で置き換えられるのに伴い新潟地区に転属、現在は主に羽越本線の「特急いなほ」や信越本線の「特急しらゆき」の運用に就いている。ただ、2018年と2023年に2編成が相次いで勝田車両センターに再転入し、臨時列車や団体専用列車として運用され、今回の「特急水戸偕楽園川越号」にもこの車両が充当された。



到着してから少し時間があり、8時になってドアが開いた。

乗車位置の床には目印がつけられている。

列車の行先表示は、種別の「特急」と号車番号の表示のみである。

定刻8時03分に川越を出発した。川越線を大宮に向けて進む。

川越線内は単線であるため、対向列車との行き違いや先行列車との関係で、通過駅でもたびたび停車し、走行時の速度も遅い。

日進を通過すると、次は大宮に停車する。

川越・埼京線の大宮駅は地下ホームであるが、この列車は大宮から東北貨物線、武蔵野線へと進むため、地上ホームに到着する。このような経路を走行する定期列車はなく、この臨時列車の見どころの一つである。
鉄道博物館の脇を通過する前に、ポイントを渡り、大宮駅地下ホームへ向かう線路から分かれ、川越線と高崎線を繋ぐ短絡線に入る。



右側は川越線の大宮駅地下ホーム方面の線路である。

大宮駅には8時30分に到着した。列車は7番線に入線した。


1分ほど停車して、大宮を8時31分に出発した。大宮からは東北貨物線を進む。



与野駅の手前でポイントを渡り、武蔵野線大宮支線に入る。東北貨物線に挟まれた線路を走り、トンネルに入る。

トンネル内を抜けると、埼京線の中浦和駅の下をくぐる。ここが別所信号所である。武蔵野線大宮支線は西浦和・府中本町方面に向けて右へ曲がっていくが、この列車は、武蔵野線西浦和支線に入り、左にカーブし、武蔵野線の本線と合流し、武蔵浦和駅へ向かう。この経路は、大宮と西船橋方面とを結ぶ「しもうさ号」が本数は少ないながら毎日運行しているので、乗車難易度は低い。




武蔵野線の本線と合流すると、まもなく武蔵浦和駅を通過する。埼京線との接続駅で、上を埼京線が通る。


最初の停車駅である南浦和には8時44分に到着した。京浜東北線との接続駅であり、京浜東北線が地上、武蔵野線が高架で直角に交差する。

南越谷には8時53分に到着した。東武伊勢崎線新越谷駅が隣接している。

吉川美南には9時に到着した。


吉川美南を出ると、次の停車駅は常磐線の偕楽園で、1時間以上無停車で進む。
9時08分、南流山を通過する。

南流山を出ると、武蔵野線の次の停車駅は新松戸であるが、この列車は武蔵野線北小金支線に入る。右側に武蔵野線の本線が分かれていく。この北小金支線では定期列車の運行がなく、乗車するにはこのような臨時列車を探す必要がある。





高架下に見える単線の線路は流鉄流山線の線路で、幸谷駅と小金城趾駅の間である。

左側にゆるくカーブする。

常磐線の線路が右手に見えてくる。




常磐線北小金駅の脇を通過する。

常磐線に入ると、体感的に、武蔵野線を走行していた時よりさらに加速をする。ここからは、通常の常磐線の特急列車と同様である。

9時19分、我孫子を通過する。

偕楽園には定刻10時07分に到着した。

偕楽園ではほぼ全員が降りた。私もここで降りることにした。

降車客が多く時間がかかり、列車は1分程度遅れて10時09分に偕楽園を出発した。


偕楽園駅の出口は1か所のみなので、ホーム上は渋滞している。

偕楽園駅は、例年、偕楽園の梅まつりの期間に合わせて開設される臨時駅である。2026年の梅まつりは2月11日から3月22日まで開催されているが、偕楽園駅の開設日は、その中の土日祝日と、2月24日から27日、3月2日から6日の、計24日であった。開設日の開設時間は9時45分から16時35分までで、当該時間中の水戸方面への列車は、特急を含めすべて停車する。
ホームは水戸方面の下り線のみに設置されており、上り線にはホームがない。したがって、上野方面への列車に乗車するには水戸駅まで向かう必要がある。今回乗車した「特急水戸偕楽園川越号」も、川越行きの列車は偕楽園には停車しない。

改札口にはSuicaの端末があり、Suicaの使用が可能である。改札口付近では駅員が客の誘導をしているほか、ホーム上ではJRが売店を出しており、偕楽園駅のキーホルダーなどグッズの販売も行われていた。
このとき、偕楽園駅の駅名標は、アニメ「刀剣乱舞-花丸-」とのタイアップ企画で、「花丸遊印録」デザインとなっていた。



ホームには「ようこそ偕楽園へ 水戸の梅まつり」の歓迎横断幕も掲出されている。

駅のスロープを降りると、常磐神社への階段がある。偕楽園へも、この階段を上っていくことになる。ここまで来たのだから、偕楽園の梅まつりを見ることにした。


入場券を販売する窓口は並んでいたが、入場券はスマホのアプリ「アソビュー」でも購入をすることができる。320円也。こちらで購入を済ませると、待たずに園内に入ることができた。園内には約100品種、3000本の梅の木があり、花の形や色も品種によって意外と異なり、見入っていたら1時間ほど経っていた。
2026/3/8:JR常磐線:普通:偕楽園→水戸
偕楽園から水戸駅まではバスもあるが、今回は常磐線の列車を使うことにした。常磐線は運行本数にばらつきがあり、11時台の普通列車は、11時29分発の1本のみである。



11時29分発の水戸行きは、土浦始発の5両編成で、かつて運行していた401系の塗装(赤電)をイメージした記念ラッピング車両であった。
偕楽園では多くの客を降ろし、逆にここからも一定数の客が乗った。

水戸には11時33分に到着した。

【E653系の乗車記録】
鎌倉から吉川美南へ:JR横須賀線・東海道本線・武蔵野線:特急鎌倉:E653系1000番台:グリーン車:2025/8/10
8,坂町から余目へ:JR羽越本線:特急いなほ7号:E653系1000番台:2023/12/23【2023/12東北】
【夏の偕楽園駅付近の様子】
5,水戸から土浦へ:関鉄観光バス「TMライナー」:2023/7/28【2023/7福島】