叡山電鉄は、京都の出町柳を起点に八瀬、鞍馬方面へ路線を有する京阪グループの鉄道会社で、「叡山電車」とも呼ばれている。出町柳から八瀬比叡山口の5.6kmを結ぶ叡山本線と、その途中の宝ケ池から鞍馬の8.8kmを結ぶ鞍馬線から構成されており、それぞれ、1925年、1928年に開業した。鞍馬線の列車は、いずれも宝ケ池で叡山本線に乗り入れ、出町柳が始発・終着となっている。
2024/9/20:叡山電鉄叡山本線・鞍馬線:出町柳→鞍馬
京阪本線・鴨東線に乗車して、出町柳には11時08分に到着した。京阪の出町柳駅は地下にあるが、叡山電鉄の出町柳駅は地上にある。
昼間は、鞍馬行きと八瀬比叡山口行きが交互に出発している。まずは鞍馬へ行くので、11時15分発の鞍馬行きに乗車した。800系2両編成であった。
車内はロングシートである(鞍馬到着後撮影)。
叡山電鉄の沿線には終点の鞍馬、貴船を含め、見どころが多い。
2両編成の車内は、ある程度混雑していた。観光客も地元客もおり、出発時には立ち客もいた。
沿線は住宅地となっており、住宅の合間を走る。宝ケ池から鞍馬線に入るころには、車内も幾分空いて、ほとんどの客が席に座っていた。住宅の密度や車窓の雰囲気から、少しずつ郊外に向かっている感はあるが、それでも市原までは家が並んでいる。市原を過ぎると、最急勾配50パーミルの山岳区間に入る。市原~二ノ瀬間には。「もみじのトンネル」と呼ばれる、両側に木々が連なる区間がある。今はまだ葉が緑色で、これはこれで悪くないが、紅葉シーズンは両側の木の葉が赤や黄色に染まるのだという。
貴船口では観光客風の客の降車が多い。駅前からは貴船神社方面へのバスが出発する。
貴船を出ると、次が終点の鞍馬である。鞍馬には11時46分に到着した。
叡山電鉄は、京都国際マンガ・アニメフェア 2024「京まふ」のオフィシャルサポーターになっており、応援企画として、この車両には、京都市交通局地下鉄・市バス応援キャラクター「太秦萌」のヘッドマークが掲出されていた。
鞍馬駅。
鞍馬駅駅舎。
2024/9/20:鞍馬山鋼索鉄道:山門→多宝塔
2024/9/20:鞍馬山鋼索鉄道:多宝塔→山門
鞍馬では、鞍馬寺の境内にある鞍馬山鋼索鉄道に乗車する。運営は宗教法人鞍馬寺で、1957年に開業した。宗教法人が運営する鉄道は全国でもここだけである。山麓の山門駅と山上の多宝塔駅を結ぶわずか0.2kmの路線で、日本で一番短い鉄道路線としても知られている。
叡山電鉄の鞍馬駅を出て、左に曲がる。
鞍馬寺までは数分である。
階段を上がったところに仁王門がある。
仁王門をくぐったところの詰所で愛山費を支払う。通常は500円であるが、今回使用していた「叡山電車・京阪電車1日観光チケット」を提示すると100円引きの400円となる。
仁王門から少し階段を上がると、普明殿という建物があり、ここにケーブル山門駅が併設されている。
運賃は無料という設定らしいが、乗車前に券売機で200円の「寄進票」を購入する必要がある。ウェブサイトには、このケーブルカーは足の弱い方や年配の方が少しでも楽に登山できるようにとのことで作られたものであり営利事業ではないこと、この200円はお寺への寄進であり、そのお礼としてケーブルカーを利用するという仕組みになっていることが記載されている。鞍馬寺としても、積極的には乗車を進めていないようである。
御寄進票。
ケーブルカーは20分間隔での運行である。12時発の多宝塔行きに乗車した。出発時間が近づくと、係員が車内に誘導する。その時に御寄進票を渡す。
座席がほとんど埋まる程度に混雑しており、一番下で立つ。定刻に山門駅を出発した。
日本のケーブルカーは、ほとんどすべて、車両を2両用意して、1本の長いケーブルの両端に車両をつなぎ、巻き上げ装置が動き出すと、一方が上から下へ向かい、もう一方が下から上へ向かい、中間地点ですれ違う「交走式(つるべ式)」という構造になっている。この鞍馬寺のケーブルカーも「交走式(つるべ式)」であるが、車両は1両のみで、もう一方はカウンターウェイト(錘)となっている。線路下を見ていると、途中でカウンターウェイトが下の方に向かっていくのが見えた。また、このケーブルカーは、鉄車輪ではなくゴムタイヤで走行するのも特徴の1つである。
3分ほどで多宝塔駅に到着した。
車両には「牛若號IV」と書かれている。「牛若丸」とは源義経の幼名であるが、義経は7歳から16歳まで鞍馬で過ごしたといわれている。最後の「IV」は4代目ということで、この車両は2016年から運用に就いている。
多宝塔駅から鞍馬寺の本殿までは、坂と階段を上がり徒歩10分弱である。本殿は塗装工事のため全体がカバーで覆われていたが、中に入ることはできた。
本殿から山麓の山門駅を経て叡山電鉄の鞍馬駅までは、徒歩の場合、九十九折りの登山道を進むこととなり、30分ほどかかるという。この日は暑かったので、帰りもケーブルカーに乗ることにして、多宝塔駅へ向かった。
寄進票を購入し、12時45分発のケーブルカーで山麓の山門駅へ戻った。
2024/9/20:叡山電鉄鞍馬線:鞍馬→宝ケ池
鞍馬駅へ戻り、13時04分発の鞍馬線出町柳行きで宝ケ池まで向かう。
鞍馬からの乗車も一定数あったが、次の貴船口で多くの観光客が乗車した。
叡山本線と合流する宝ケ池には13時26分に到着した。
宝ケ池駅は3面4線の構造で、1番線が八瀬比叡山口からの出町柳行き、2番線が八瀬比叡山口行き、3番線が鞍馬方面からの出町柳行き、4番線が鞍馬方面行となっており、2番線と3番線が島式構造となっている。
鞍馬方面。
八瀬比叡山口方面。
出町柳方面。
2024/9/20:叡山電鉄叡山本線:宝ケ池→八瀬比叡山口
宝ケ池を13時31分に出る叡山本線の八瀬比叡山口行きに乗車した。1時間に4本、およそ15分間隔で出発する。
車両は700系1両編成である。
車内は2ドア、ロングシートである。
沿線を通して住宅地の間近を走るが、三宅八幡を出ると車窓両側に木々が連なる区間がある。
13時36分に終点の八瀬比叡山口に到着した。
八瀬比叡山口駅ホーム。
八瀬比叡山口駅駅舎。
【2024/9関西】(目次)
6,京阪鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル):2024/9/20【2024/9関西】
7,叡山電鉄・鞍馬山鋼索鉄道:2024/9/20【2024/9関西】【←本記事】
8,京福電鉄鋼索線(叡山ケーブル)・比叡山鉄道(坂本ケーブル):2024/9/20【2024/9関西】