【前から続く】
線路状況は良い区間と悪い区間の差がはっきりとしており、悪い区間はひどく揺れる。特に、サウスオーストラリア州はひどい。数年前に乗車したマレー鉄道の東海岸線もひどかったが、それに比肩するひどさである。とても、いわゆる「先進国」の鉄道とは思えない。ただ、この路線は貨物列車が中心であり、かつ、夏場は高温になるので、保線が追いつかない、あるいは後回しにされるという事情もあるのかもしれない。
ひどく揺れる上、高速で走るから、久々に列車酔いをする。昨晩の睡眠不足もあいまったのかもしれない。
眠りを繰り返しつつ車窓を見て過ごす。車窓は開けており、道路も併行しているが、走る車は少ない。
写真の記録を見る限り、20分から30分に一度程度は起きて写真を撮っていたようであるが、車窓がほとんど変わっていないようにも感じられた。
11時55分、ウォルスレイ(Wolseley)に停車する。ヴィクトリア州に入ったため、時計の針を30分進めるようにとのアナウンスがある。12時25分になる。
13時頃になると体調も回復する。もう行程の半分をすぎている。ヴィクトリア州の方が保線状況はよい。メルボルンに近づくにつれて、揺れが少なくなる。
けだるい時間が過ぎる。最初は停車駅と時刻を逐一ノートにメモしていたが、それも面倒になって、ただぼんやりと車窓を眺めるだけになる。ただ、残っているメモによると、ストーエル(Stawell)という駅には14時59分に到着したらしい。時刻表では14時49分着だから、10分の遅れである。
車内を歩いてみるが、本を読んでいる人もいれば、ウノやトランプをやっている夫婦もいる。のんびりとした雰囲気である。車窓は単調であるが、左右にここまで開けた車窓は、日本では見られないだろう。
【2013/2オーストラリア】(目次)
19,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(1):2013/2/22【2013/2オーストラリア】
20,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(2) :2013/2/22【2013/2オーストラリア】
21,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(3):2013/2/22【2013/2オーストラリア】【←本記事】
22,アデレードからメルボルンへ:ジ・オーバーランド(The Overland)(4):2013/2/22【2013/2オーストラリア】