小倉を14時22分に出発した日田彦山線の普通列車は、添田に15時36分に到着した。添田からは、引き続き、日田彦山線のBRTで日田まで向かう。
日田彦山線は、福岡県の城野と大分県の夜明の68.7kmを結ぶ路線であるが、県境越えを含む添田~夜明間は、2017年の九州北部豪雨で被災した後、2020年にBRTでの復旧が決定し、2023年8月から日田彦山線BRT「ひこぼしライン」として運行を再開した。BRTへの転換に当たっては、添田から夜明までの従来の日田彦山線区間のほか、夜明から日田までの久大本線の区間もBRT路線に含まれ、添田~夜明~日田が日田彦山線BRTの区間となっている。全線を通して36の駅が設置されているが、そのうち24駅はBRT化の際に新設された新駅である。
BRTの時刻表を見ると、添田から日田まで通しで運行する便が1日10往復、1時間から2時間に1本程度の頻度で設定されているほか、朝晩には区間便も数本設定されている。
BRT区間の運賃は鉄道とは別の体系が採用されているが、JRの企画乗車券も一部は使用可能で、今回は青春18きっぷで乗車する。
2024/12/30:日田彦山線BRT「ひこぼしライン」:普通:添田→日田
添田駅は、おそらく元は1面2線の構造だったのだと思うが、現在は線路は1線のみである。もともと線路があったと思われる1線は舗装され、そこが「ひこぼしライン」のホームになっている。
BRT乗り場には、既に15時40分発日田行きの「ひこぼしライン」が停車していた。こちらに乗り換える。バスの車両は、中国BYD製の小型電気バス「BYD・J6」であった。外装デザインは、「おりひめの羽衣」をイメージしているという。
バスは小型で、座席数は17、定員25名とのことであるが、この便の乗客は座席数の半分の8名であった。そのうちの1名はすぐの停留所で降りて行き、残りの7名が乗り通す客であった。
座席は路線バスタイプであるが、座席脇の壁には降車ボタンと並んでUSB充電ポートがあった。
添田駅を15時40分に出発した。
専用道区間は彦山~宝珠山間のみで、添田から彦山までは一般道を走行する。
添田駅を出ると、まず、畑川(医院前)に停車する。宮城内科胃腸科医院の敷地内に停留所がある。ここはBRT転換後にできた駅である。
彦山川を渡る。
野田。BRT転換後に新設された駅である。
歓遊舎ひこさんには15時47分に到着した。道の駅歓遊舎ひこさんの敷地内に停留所がある。
彦山川に沿って進む。
豊前桝田。ここは鉄道のときから駅があった。
彦山には15時56分に到着した。
かつてはここに線路が敷かれていた。
彦山から宝珠山までの14kmは、かつての線路跡を舗装した専用道を走行する。ゲートをくぐり、専用道区間に入る。
ゲートのすぐ先に、彦山駅がある。
深倉。専用道内にあるが、ここはBRT転換時に設置された新駅である。
一般道と交差する個所では、専用道側にバーがあり、専用道に一般車が誤進入しないようにしている。この辺りは、気仙沼線BRTや大船渡線BRTなどと共通である。
専用道区間にある深倉と筑前岩屋の間は駅間距離が5.3kmで、BRTひこぼしラインの中で最も駅間距離が長い区間である。この間で全長4.3kmの釈迦岳トンネルを通過する。
筑前岩屋には16時10分に到着した。ここで、添田行きのBRTと行き違いをする。専用道は単線の日田彦山線の線路を舗装したものであるから、1車線分のスペースしかない。専用道区間で行き違いのスペースがあるのは、彦山駅、筑前岩屋駅、宝珠山駅のみである。
車窓から。
大行司にはかつてのホームが残されていた。
大肥川を渡ると、まもなく宝珠山に到着する。
宝珠山には16時22分に到着した。駅舎があるのは福岡県側であるが、かつてのプラットホームは県境をまたぐ形で設置され、ホームの3分の2が福岡県、3分の1が大分県に位置していた。
宝珠山駅の駅舎は残されており、現在も活用されているようである。
宝珠山からは夜明までは、主に国道211号を走行する。まもなく県境を越えて、福岡県から大分県に入った。
竹本の手前で、国道から離れて細い道に入った。竹本と次の名本はBRT転換時に設置された新駅である。国道沿いよりも住宅が多いため、この辺りを通ることにしたのだろう。
国道211号に戻り、大鶴を通過した。ここは、鉄道時代からの駅である。
今山の手前では、国道から離れ、左折して細い道を進む。
大肥川を渡る。
まもなく今山駅が見えた。線路は剝がされているが、ホームは残っている。
今山駅。
かつてはここに線路が敷かれていた。日田側を見る。
再び大肥川を渡り、国道211号に戻る。
国道211号に戻ると、すぐに、BRT転換時に新設された釘原を通過する。
大分自動車道が見える。
久大本線のガードをくぐったのち、左折して、大肥川を渡り、夜明駅に向かう。
夜明には16時44分に到着した。日田彦山線の終着駅であり、久大本線との接続駅である。駅付近には商店などがなさそうな雰囲気である。BRTひこぼしラインは、引き続き久大本線に並行する形で日田まで向かう。
久大本線に乗車すると夜明と日田の間にあるのは光岡の1駅のみであるが、BRTひこぼしラインは、夜明出ると、北友田、南友田の2つの駅を経て光岡に停車する。光岡駅では、バスは久大本線の駅舎に横付けした。光岡を出ると、一部の便は、林工西口、昭和学園前、日田市役所前に停車するが、この便は通過して日田まで直行する。
終点の日田には定刻より3分早い17時10分に到着した。小倉を出たのが14時22分であるから、小倉から3時間弱であった。
日田駅。
駅前広場。
【2024/12九州】(目次)
8,小倉から添田へ:JR日田彦山線:キハ147形:2024/12/30【2024/12九州】
9,添田から日田へ:日田彦山線BRT「ひこぼしライン」:2024/12/30【2024/12九州】【←本記事】
10,日田から大分へ:JR久大本線:キハ125形:2024/12/30【2024/12九州】
【BRT(元鉄道路線)の乗車記録】
鉾田から石岡駅へ:関鉄グリーンバス「かしてつバス」:2023/6/10
4,気仙沼から大船渡へ:JR大船渡線BRT:2019/9/7【2019/9東北】
3,前谷地から気仙沼へ:JR気仙沼線BRT:2019/9/7【2019/9東北】
【電気バスの乗車記録】
4,立山黒部アルペンルート(1)扇沢から黒部ダム・黒部湖へ:関電トンネル電気バス:2024/10/25【2024/10北陸】
6,新潟空港から新潟駅へ:新潟交通「空港リムジンバス」:2024/5/18【2024/5宮城・新潟】