近鉄はケーブルカーを2路線運行している。1つは先ほど乗車した西信貴鋼索線(西信貴ケーブル)で、もう1つがこれから乗車する生駒鋼索線(生駒ケーブル)である。生駒鋼索線は、生駒市の鳥居前駅から山上駅までの2.0kmを結ぶ路線であるが、全線が1本の線路で繋がっているわけではなく、途中の宝山寺でケーブルカーを乗り換える必要がある。鳥居前から宝山寺までは宝山寺線、宝山寺から山上までは山上線と称され、宝山寺線の方は1918年に開通、日本最初のケーブルカーである。
始発の鳥居前駅は、近鉄奈良線・生駒線・けいはんな線の生駒駅に隣接しているため、まずは生駒駅へ向かうこととなる。
2024/7/12:近鉄奈良線:準急:布施→生駒
布施からは、14時24分発の近鉄奈良線区間準急大和西大寺行きに乗車し、生駒まで向かう。
生駒には14時47分に生駒に到着した。生駒駅には、奈良線のほか、生駒線、けいはんな線が乗り入れている。
2024/7/12:近鉄生駒鋼索線:鳥居前→宝山寺
信貴線の信貴山口駅とは異なり、生駒駅とケーブルカーの鳥居前駅は別の駅であり、生駒駅を改札を出て、ペデストリアンデッキを進み鳥居前駅へ向かう。
「グリーンヒルいこま」という商店街の中を歩くと、鳥居前駅に着く。生駒駅から僅か数分である。
鳥居前駅。
鳥居前から宝山寺までは宝山寺線と呼ばれる区間である。一般的に、ケーブルカーは、単線の上下から2本の車両が同時に出発して、ちょうど中間の複線部分で行き違いをするという構造になっている。宝山寺線もこの構造であるが、これが横並びにもう1つあるのが宝山寺線の特徴である。そのため、複線のような見た目となっている。通常は、片方のみを使用しているが、乗客が多いときは2本の線路を使い同時運行をすることもあるらしい。
写真左側を1号線といい、犬を模した「ブル」と猫を模した「ミケ」という車両が配置されている。一方、右側の2号線には、「すずらん」と「白樺」という、従来型の車両が配置されている。
宝山寺線は、宝山寺側に住宅街があることから生活路線の側面もあり、運行時間は長く、始発は6時15分、最終は23時10分となっている。朝は15分間隔、昼間は20分間隔で運行している。
2号線に停車していた「すずらん」。
このときは1号線の方で営業運行を行っており、次の15時発の宝山寺行きは「ミケ」による運行であった。
車内。
このときは使われていなかったが、ドアボタンが用意されている。一般的に車体外側のボタンは「開」のみであることが多いが、この車両は外側にも内側にも「開」「閉」のボタンがある。
車内にはアジア系の外国人が多かったが、宝山寺駅周辺の住宅へ帰ると思しき学生も何名か乗車していた。
ケーブルカーであるから上り勾配を進むが、途中まで、沿線には住宅が並んでいる。
宝山寺には15時05分に到着した。
宝山寺駅で出口に向かう客は僅かで、大半が生駒山上行きに乗り換える。
2024/7/12:近鉄生駒鋼索線:宝山寺→生駒山上
宝山寺では山上線に乗り換える。山上線は、生駒山上駅に隣接する生駒山上遊園地の開業と同じ1929年に開通した路線である。こちらは、早朝から深夜まで運行している宝山寺線とは異なり、生駒山上遊園地の営業時間に合わせて、9時09分から17時09分まで40分間隔での運行となっている。遊園地がナイター営業する際は、それに合わせて運行時間が延長されるという。
次の生駒山上行きは15時09分の出発である。
山上線の車両は、「ドレミ」と「スイート」である。15時09分に宝山寺を出る便は「ドレミ」であった。
車内(後ほど撮影)。
座席モケットには音符が描かれている。
この車両もドアは半自動式となっている。
宝山寺を15時09分に出発した。
宝山寺を出るとすぐにトンネルに入り、トンネルを出ると眼下には街が広がる。
山上線には、中間に梅屋敷、霞ヶ丘の2つの駅がある。梅屋敷は、宝山寺駅よりも宝山寺に近いという。
梅屋敷と霞ヶ丘の間で中間列車「スイーツ」がすれ違う。(写真は復路で撮影)
霞ヶ丘駅は辺りに何もなく、生駒山上駅と宝山寺駅を結ぶ登山道に出ることくらいしかできない。とすると、なぜ駅が作られたのかということになるが、これはケーブルカーの構造のためである。一般的なケーブルカーは、1本の長いケーブルの両端に車両を繋いでおり、下側にいる車両が山上側の引揚げ装置で引き上げられると、上側の車両が降りていくという構造になっている。この仕組みは、「交走式」、あるいは井戸の釣瓶にたとえられて「つるべ式」と言われている。この構造のため、一方の車両が梅屋敷で停車すると、他方も停車することとなり、そこが霞ヶ丘である。
梅屋敷でも霞ヶ丘でも乗降はなく、終点の生駒山上には15時16分に到着した。
生駒山上駅。
切符売り場。
改札口。
待合室。
生駒山上駅を出ると、そこが生駒山上遊園地である。
生駒山上遊園地の飛行塔は1929年の開園時からあるもので、現存する日本最古の大型遊具である。戦時中は海軍航空隊の防空監視所として利用されたため、当時の金属類回収令を免れたのだという。
2024/7/12:近鉄生駒鋼索線:生駒山上→宝山寺
生駒山上からは、15時49分発の宝山寺行きで宝山寺まで降りる。宝山寺には15時56分に到着した。
2024/7/12:近鉄生駒鋼索線:宝山寺→鳥居前
宝山寺では16時発の鳥居前行きに乗り換える。
往路で乗車した1号線の方は何か作業が行われており、2号線に誘導された。
2号線のホームには「すずらん」が停車していた。
車内(後ほど撮影)。
既に席は埋まっており、最後尾で立っていく。
中間点で「白樺」とすれ違う。
中間地点では線路が4本並ぶ。そこに踏切がある。
鳥居前側は住宅が並ぶ。
路線内に踏切は3箇所ある。
鳥居前には16時05分に到着した。
2024/7/12:近鉄奈良線:準急:生駒→大和西大寺
生駒駅に戻り、16時15分発の近鉄奈良線快速急行近鉄奈良行きで大和西大寺へ向かう。大和西大寺には16時24分に到着した。
乗車したのは、乗り入れ先の阪神1000系であった。近鉄の車両は1両の長さが20.72mで4ドアであるのに対し、阪神の方はやや短めの18.98mで3ドアである。
阪神なんば線が開通、阪神と近鉄が直通運転を開始したのは2009年のことで、今年でちょうど15周年である。
2024/7/12:近鉄橿原線:普通:大和西大寺→大和八木
大和西大寺では、向かい側から出発する16時26分発の近鉄橿原線普通橿原神宮前行きに乗車して、大和八木まで向かう。
大和八木には16時55分に到着した。
【2024/7近畿】(目次)
4,近鉄信貴線・西信貴鋼索線(西信貴ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】
5,近鉄生駒鋼索線(生駒ケーブル):2024/7/12【2024/7近畿】【←本記事】
6,近鉄橿原線(新ノ口連絡線)・京都線:30000系「ビスタEX」:2024/7/12【2024/7近畿】
【近鉄線の乗車記録】
19,伊賀神戸から近鉄四日市へ:近鉄大阪線・名古屋線:23000系「伊勢志摩ライナー」:2024/7/14【2024/7近畿】
17,大阪から伊賀神戸へ:近鉄大阪線:23000系「伊勢志摩ライナー」:デラックスシート:2024/7/14【2024/7近畿】
15,Osaka Metro中央線・近鉄けいはんな線:Osaka Metro400系:2024/7/13【2024/7近畿】
13,近鉄南大阪線・長野線・道明寺線:2024/7/13【2024/7近畿】
12,近鉄吉野線・南大阪線:観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」:2024/7/13【2024/7近畿】
9,近鉄生駒線・田原本線:2024/7/13【2024/7近畿】
3,近鉄湯の山線・鈴鹿線:2024/7/12【2024/7近畿】
2,名古屋から近鉄四日市へ:近鉄名古屋線:22000系「ACE」:2024/7/12【2024/7近畿】
3,名古屋から大阪へ:近鉄特急「ひのとり57列車」:2023/6/23【2023/6西日本】
6,近鉄志摩線・鳥羽線・山田線:近鉄特急:近鉄12410系:2022/8/27【2022/8近畿】