信濃大町駅を11時35分に出発したアルピコ交通のバスは、立山黒部アルペンルートの長野側の起点である扇沢に12時過ぎに到着した。
私は、アルペンルートの乗車券を事前に公式ウェブサイトから「秋の早割10」という割引で購入していた。扇沢から立山まで通常10,940円のところ9,800円であった。
公式ウェブサイトから予約した場合、最初に乗車する扇沢からのバスの時刻だけは指定制となっており、扇沢を13時に出るバスを予約していた。扇沢からは関電トンネル電気バスで黒部ダムへ向かい、黒部ダムから黒部湖駅まで移動した後、黒部ケーブルカーで黒部平、立山ロープウェイで大観峰、立山トンネルトロリーバスで室堂、高原バスで美女平、最後に立山ケーブルカーで立山駅へと乗り継ぐ。扇沢を13時に出ると、立山駅には最速で16時07分に到着する。
信濃大町からのバスが扇沢に到着したのは12時であるから、13時発の黒部ダム行きの関電トンネル電気バスの時間まで1時間近くある。この時間を使って、扇沢駅のすぐ近くにある扇沢総合案内センターに向かった。
センター内にはトロバス記念館がある。扇沢から黒部ダムまでの間の関電トンネル区間は、現在は電気バスによる運行であるが、1964年から2018年まではトロリーバスによる運行であった。2018年にトロリーバスの運行が終了した後、全車両が解体される予定であったところ、愛好家の熱意、解体業者の配慮もあり、大町市がクラウドファンディングにより1台を里帰りさせて、現在はこの扇沢総合案内センターに置かれている。センター内にはトロリーバスの歴史を伝えるパネルや各種部品も展示されている。
バスの周りを一周できるほか、ドアを開けて車内に入ることもできる。車内には座席も残されており、おそらくほぼ現役時代のままであろう。。
扇沢駅に戻る。
13時発の黒部ダム行きのバスを待つ。バスは30分間隔での運行である。
駅構内には売店やレストランがある。
右のキャラクターは「くろにょん」というらしい。
関電トンネル電気バスは関西電力が運行するバス路線で、扇沢から黒部ダムまでの6.1kmを16分で結ぶ。今回は全区間通しの乗車券を購入しているが、この区間の運賃は1,800円である。
12時50分過ぎに改札が始まった。
ホームには3台の電気バスが停車している。係員に誘導されて2台目のバスに乗車した。そこまで人数が多くなかったからか、全員が着席できるように誘導していたようであった。
前の座席に座る。
車内。
定刻13時に扇沢駅を出発した。
まもなく、全長5.4kmの関電トンネルに入る。関電トンネルは、黒部ダム及び黒部川第四発電所の建設のために大町トンネルとして1956年に採掘開始、1958年に開通したトンネルで、1963年に黒部ダム及び黒部川第四発電所が完成した後は、立山黒部アルペンルートの一部分に転用されて現在に至る。
トンネル内は1車線分の幅しかない。
青く光っている部分は破砕帯である。地層が軟弱で激しい出水があり、80mの区間を採掘するのに約7か月の期間を要したという。
その後、黄色の電飾が、長野県と富山県の県境である。
中間に交換地点がある。ここで、黒部ダム発扇沢行きのバスとすれ違う。
引き続きトンネル内を進む。
黒部ダムには13時15分に到着した。停留所はトンネル内にある。
黒部ダムへ行く道と、展望台へ行く道に分かれている。展望台へは、階段220段、徒歩7分とのことである。こちらへ向かった。
途中に湧き水が出ているところがある。
黒部ダムの展望台まで来た。
黒部ダムと黒部湖。
6月26日から10月15日までは観光放水を行っているという。
展望台から見た黒部湖。
ダムと反対側を見る。葉が色づき始めていた。
展望台を出て、階段で新展望広場まで降りる。
新展望広場にある特設会場では、黒部ダム建設の歴史がパネルで説明されているほか、当時の工事関係者にインタビューした映像が放映されていた。
新展望広場から見た黒部ダム。
次に乗車する黒部ケーブルカーの黒部湖駅は、黒部ダムの反対側にある。ダムの上を通って向かう。
ダムの上から見た黒部湖。
黒部湖と反対側を見る。
黒部ダムの中間地点まで来た。ダムの高さは186m、長さは492m、標高1,454mである。
関電トンネルバスの黒部ダム駅方向を振り返る。
道なりに行くと、黒部ケーブルカーの黒部湖駅である。
【2024/10北陸】(目次)
3,信濃大町から扇沢へ:アルピコ交通「扇沢線」:2024/10/25【2024/10北陸】
4,立山黒部アルペンルート(1)扇沢から黒部ダム・黒部湖へ:関電トンネル電気バス:2024/10/25【2024/10北陸】【←本記事】
<つづく>