2024年1月28日日曜日。この日は、神戸電鉄、北条鉄道、六甲ライナー、ポートライナーの全区間、神戸市営地下鉄の未乗区間、JR山陽本線の支線である和田岬線に乗車した後、21時05分に神戸空港を出るANAで東京へ戻る。
湊川駅近くのホテルを9時20分にチェックアウトして、神戸電鉄湊川駅へ向かう。湊川駅の駅舎は、神戸電鉄有馬線の前身である神戸有馬電気鉄道が開業した1928年に建築されたものだという。1968年に400m先の新開地まで延伸する前はこの駅が神戸電鉄の始発駅であった。
駅舎内には神戸電鉄系の旅行会社や理容室が入っている。
改札口とホームは地下にある。地下の通路で神戸市営地下鉄の湊川公園駅とも繋がっている。
窓口で、本日使用する「神戸街めぐり1dayクーポン(神鉄拡大版)」を購入した。「神戸街めぐり1dayクーポン」は、神戸市交通局西神・山手線の新神戸駅~新長田駅、神戸市交通局海岸線全線、神戸高速線全線、神戸新交通ポートライナー線全線の1日乗車券が基本となっている。それに加えて、阪急、阪神、近鉄、山陽電車、神戸電鉄の各社が、それぞれの路線の指定区間の1日乗車券も含めた「拡大版」を販売しており、今回は、神戸電鉄全線にも乗車可能な「神鉄拡大版」を購入した。1,750円也。「神鉄拡大版」の販売箇所は、神戸電鉄の湊川駅、鈴蘭台駅、志染駅のみである。
購入すると、乗車券と施設利用券が入った袋が渡された。この袋の裏には「Kobe 1-day loop bus ticket 1日乗車券割引券」がついており、切り離せるようになっている。
乗車券。
施設利用券。
2024/1/28:神戸電鉄神戸高速線:普通:湊川→新開地
神戸電鉄は5つの路線で構成されている。まず、湊川から有馬温泉の22.5kmを結ぶ有馬線があり、有馬線の有馬口を起点に三田までの12.0kmを結ぶ三田線がある。また、有馬線の途中の鈴蘭台を起点に、粟生までの29.2kmを粟生線が結んでいる。三田線の途中の横山からは、ウッディタウン中央まで5.5kmの公園都市線が伸びている。湊川と新開地の間の0.4kmは、もともと神戸高速鉄道南北線として開業した神戸高速線である。
なお、実際の運行形態を見ると、概ね、新開地~鈴蘭台~粟生(神戸高速線・有馬線・粟生線)、新開地~鈴蘭台~有馬口~三田(神戸高速線・有馬線・三田線)の2つの基幹系統と、三田~横山~ウッディタウン中央(三田線・公園都市線)、有馬口~有馬温泉(有馬線)の2つの支線系統に分けることができよう。
神戸電鉄の特徴としては、勾配が多いことが挙げられる。全線69.6kmのうち8割以上が勾配区間であり、最急勾配も50パーミルだという。パーミルとは勾配を示す単位で、50パーミルは、1km進む間に50m上るという意味である。文字だけ見てもピンとは来ないが、鉄道の最急勾配については35パーミルが1つの基準とされており、急勾配が連続する神戸電鉄では、いずれの車両にも急勾配に対応できるブレーキが装備されているという。
まずは粟生線を乗り通すが、時間があるので、一旦、次の列車の始発駅である新開地まで戻る。
9時35分発の新開地行きに乗車した。湊川から新開地までは僅か0.4kmであり、新開地には9時36分に到着した。
2024/1/28:神戸電鉄神戸高速線・有馬線・粟生線:普通:新開地→粟生
新開地から出る列車は、いずれの列車も鈴蘭台までは同じ経路で、鈴蘭台で有馬口・三田方面と粟生方面が分岐する。粟生方面へ向かう列車は昼間は1時間に2本で、うち1本は粟生行き、1本は途中の三木止まりである。
新開地から、9時52分発の普通粟生行きに乗車した。
車両は、神戸電鉄で最も新しい6500系であった。2016年以降に投入されており、18m車、片側3ドアである。
車内はロングシートで、昨日乗車した阪急の車両と似た内装である。神戸電鉄も阪急阪神グループの会社であるから、その関係もあるのかもしれない。(粟生にて撮影)
ロングシートの中間には肘置きがある。
ドア横。
車端部。
優先席。
車いすスペースと跳ね上げ式の座席。
ドア。
横長の案内用液晶モニターが千鳥配置で設置されている。
列車は、9時52分に新開地を出発した。
湊川を出ると、トンネルから一旦外に出るが、その後も何度かトンネルを抜けつつ、高度を上げる。早速、かなりの急勾配である。このような通勤路線で、はっきりと上っているという感覚を味わう機会はなかなかない。この辺りの平均勾配は40パーミル程度とのことである。
標高0mの湊川を出ると、1.9kmで長田に到着する。神戸市営地下鉄にも長田駅があるが、全く別の場所である。長田駅の標高は70mである。
長田駅から0.7kmで、標高95mの丸山駅に到着する。丸山駅から1.0kmで、標高134mの鵯越駅に到着する。この辺りまでは住宅も多い。
鵯越駅。
鵯越駅を過ぎると山間部を走行する。鵯越から次の鈴蘭台までは3.9kmあり、神戸電鉄の中で最も長い駅間距離となっている。
街が現れると鈴蘭台であった。鈴蘭台駅の標高は278mである。10時06分に到着した。
鈴蘭台では、後続の準急三田行きの到着を待ち、10時09分に鈴蘭台を出発した。
鈴蘭台から先は粟生線である。鈴蘭台を出ると、大きな左カーブで有馬線と分かれ、最急勾配50パーミルの上り区間に入り、勾配を上り終えると鈴蘭台西口である。粟生線の標高最高地点で、304mであるという。鈴蘭台西口を出ると50パーミルの下り急勾配に入り、0.5mほどで西鈴蘭台に停車する。西鈴蘭台までは、左右に鈴蘭台の住宅街があり、新開地・鈴蘭台~西鈴蘭台の区間列車も設定されている。
西鈴蘭台を10時12分に出発すると、一気に雰囲気が変わり、山間部を進む。次の藍那駅は、付近に住宅はあるものの、のどかな田舎の駅といった風情である。木津も同様である。
車窓から。
三津車庫。
木幡付近では住宅街が見えるが、駅からはやや離れている。
押部谷を出ると、神戸市から三木市に入る。50パーミルの急勾配を上がり、三木市の最初の駅である緑が丘駅には10時30分に到着した。駅近くにはニュータウンが広がっているようである。
車窓から。
緑が丘から2つ進むと志染である。「志染」と書いて「しじみ」と読む。志染から先は勾配を下るが、ここも50パーミルとのことである。
恵比須では神姫バスの高速バスが駅前から出ていくのがチラッと見えた。ここから三宮まで、神姫バスが快速バスを運行しており、所要75分であるという。
美嚢川を渡り、三木には10時43分に到着した。ここで神戸方面へ折り返す列車も設定されている。
10時55分に小野に到着した。この辺りにも街が広がっている。朝晩はここで神戸方面へ折り返す列車もある。
小野の次の葉多を出ると、加古川を渡る。
加古川を渡った後、大きく右へカーブし、JR加古川線に寄り添うと、終点の粟生である。粟生には11時00分に到着した。
【2024/1京阪神】(目次)
11,神戸電鉄神戸高速線:2024/1/27【2024/1京阪神】
12,神戸:東横INN神戸湊川公園:シングルルーム:2024/1/27【2024/1京阪神】
13,神戸電鉄粟生線:6500系:2024/1/28【2024/1京阪神】【←本記事】
14,北条鉄道北条線:フラワ2000形:2024/1/28【2024/1京阪神】
15,神戸電鉄粟生線:3000系:2024/1/28【2024/1京阪神】
16,神戸電鉄有馬線・三田線:5000系:2024/1/28【2024/1京阪神】
17,神戸電鉄公園都市線:1000系(1150形):2024/1/28【2024/1京阪神】
18,神戸電鉄有馬線:2000系・1000系(1100形):2024/1/28【2024/1京阪神】