石巻から乗車した石巻線の列車は、前谷地に14時12分に到着した。前谷地からは、14時23分発の気仙沼線BRTで気仙沼へ向かう。
JR気仙沼線は東日本大震災で甚大な被害を受け、2012年にBRT方式で仮復旧をすることとなり、2012年8月20日からBRTでの運行を開始した。BRTとは「バス・ラピット・トランジット」の略であり、バスによる高速輸送システムを意味する。BRTの説明に関してはwikipediaなどに委ねるが、気仙沼線BRTの場合、専用道の整備による定時性・速達性の確保という面が大きなポイントとなろう。専用道は、かつての気仙沼線の線路跡を活用している。専用道区間は年々その距離が長くなり、旅行時には、柳津から気仙沼までの55.3kmのうち35.8kmが専用道区間となっていた。
2019/9/7:JR気仙沼線BRT:前谷地→志津川
前谷地から出る気仙沼行きのBRTは1日5本である。このように本数が少ないのは、前谷地から柳津までは列車も運行されているからである。本来のBRTの始発が柳津であるところ、1日に5本だけ前谷地まで足を伸ばしている、というのが適切な表現であろう。
駅前のバス乗り場に行くと、既に何人か並んでいた。私の後ろにも数人並ぶ。中にはカメラで写真を撮っている客もいる。BRTとか乗りつぶし目当ての旅行客であろう。
バスは待機所で停車している。
14時23分発の気仙沼行きBRTは14時20分頃になって入線した。車両はJR東日本所有とのことだが、運行はミヤコーバスに委託しているらしい。
せっかく専用道を走るBRTに乗るのだから一番前の席に座りたかったが、前に並んでいた、やはりBRT目当てといった雰囲気の年配客が一番前の席に座った。後方の席に座る。
前谷地を出ると、次は柳津に停車する。一本道の国道か何かを走るのかと思ったが、そういうわけではなく、至る所で曲がりながら、ゆったりとした速度で走る。
柳津には14時53分に到着した。定刻である。ここから、気仙沼線の線路跡を利用した専用道に入る。
2人掛けの席が多いが、普通のバスの車内である。
志津川の手前でBRT専用道から一般道に入り、志津川には15時20分に到着した。時刻表を見ると、15時53分に志津川始発の気仙沼行きがある。そのバスに乗車しても、気仙沼で乗り換える大船渡線BRTは同じである。そこで、一旦志津川で降りることにした。
志津川駅には、プレハブながら駅舎とトイレがあった。
ミヤコーバスの仙台行き高速バスもここから出発する。
バス停の裏にはセブンイレブンがあり、また、目の前には「マルセン」というかまぼこの店があった。
この「マルセン」という店に入り、一押しらしい「たこかつバーガー」を注文した。店員は1人で、注文してから作り始めるのか、出てくるまで5分ほどかかった。「たこかつ」はぷりぷりしていてタコの食感も感じられ、美味しかった。
バーガーを食べているとちょうど良い時間になり、BRTの乗り場に戻る。
2019/9/7:JR気仙沼線BRT:志津川→気仙沼
15時53分の志津川始発気仙沼行きに乗車する。
志津川からの乗客は3名であり、一番前の席に座ることができた。他の2人の客は地元客のようで、1人は次の市民病院・役場前で、もう1人はその次の志津川中央団地で降りていき、客は私だけになった。ちなみに、市民病院・役場前と志津川中央団地はBRTになってから新たにできた駅である。
志津川中央団地を出ると、専用道区間に入る。ただ、信号が赤である。乗客は私だけなので、運転士が私に「少々お待ちください」と直接声をかける。
まもなく、前谷地行きのバスがやってきた。
前谷地行きのバスを見送って、BRT専用道に入る。
蔵内を出ると一般道になる。ただ、蔵内より先も、見た感じ専用道の整備は進んでいるようであった。後で調べたところ、今回の旅行後の11月に供用開始となったとのことである。
本吉で数名の乗車がある。本吉から専用道に入る。
この専用道は短く、小金沢の手前でまた一般道に出る。
ときおり、「ここから過去の津波浸水区間」「ここまで過去の津波浸水区間」と書かれた看板が目に入る。
大谷海岸を経て、陸前階上で専用道に入る。陸前階上駅には鉄道時代の駅のホームが残っていた。
松岩から不動の沢までは一般道であった。南気仙沼駅付近は自動車店や飲食店、洋服店など商業施設が目立つ。
不動の沢駅で再び専用道に入る。隣に大船渡線の線路が合流すると、まもなく気仙沼である。
気仙沼には17時15分に到着した。
【2019/9東北】(目次)
2,仙台から前谷地へ:仙石東北ライン・石巻線:2019/9/7【2019/9東北】
3,前谷地から気仙沼へ:JR気仙沼線BRT:2019/9/7【2019/9東北】【←本記事】
4,気仙沼から大船渡へ:JR大船渡線BRT:2019/9/7【2019/9東北】