鉄道 インドネシアの鉄道 スマトラ島の鉄道 記録 2018/8インドネシア

6,カユタナムからルブックアルンへ:Lembah Anai:2018/8/14【2018/8インドネシア】

投稿日:2019年9月16日

【スポンサーリンク】



今日のパダン近郊の旅客列車網は、旅行前にWikipediaで調べた限りだと、パダンからパリアマン(Pariaman)への幹線と、途中のドゥク(Duku)からパダン空港への支線、ルブックアルン(Lubuk Alung)からカユタナム(Kayutanam)への支線とから構成されているようである。パダンからパリアマンまでは1時間半、ドゥクからパダン空港までは7分、ルブックアルンからカユタナムまでは40分であるから、極めてコンパクトな鉄道網である。

パダンからパリアマンまでを結ぶ列車はシビヌアン(Sibinuang)といい、1日4往復運行している。ドゥクからパダン空港への支線を走るミナンカバウエクスプレス(Minangkabau Ekspres)は1日5往復で、いずれもパダンから乗り入れる。空港列車が1日5往復だけというのは使い勝手が悪いように思われるが、そういうことになっている。それでも、上の2つは、比較的乗りやすい。

一方で、乗りにくいのが、ルブックアルンからカユタナムへの支線を走る列車"Lembah Anai"である。どうやらこの列車は2016年11月から運行していたらしいが、つい先日までこの列車の存在に気がつかなかった。

2018年8月現在、カユタナムとルブックアルンを結ぶ"Lembah Anai"は、1日2往復運行されている。支線上にあるカユタナムを基準にダイヤが組まれており、午前の列車はカユタナムを9時に出てルブックアルンに9時40分に到着し、10時15分に折り返しカユタナム行きとなり、10時55分にカユタナムに戻る。午後は、カユタナムを14時05分に出てルブックアルンに14時45分着、15時15分に折り返しカユタナム行きとなり、カユタナムに15時55分に到着する。これで終わりである。したがって、パダンから列車だけを利用してこれに乗ろうとするのであれば、パダンを9時頃に出るパリアマン行きに乗り、ルブックアルンで10時15分のカユタナム行きを捕まえ、カユタナムで3時間ほど時間をつぶし、14時05分の列車でルブックアルンに戻るしかない。

私も、最初はこのような旅程で乗ろうかと思っていた。しかし、グーグルマップで調べると、パダン空港からカユタナム駅までは約38km、1時間程度の距離である。道路事情はよく分からないが、8時前に空港からタクシーに乗れば、カユタナム駅を9時に出る列車を捕まえられるだろう。

 

8月14日、本日のジャカルタ発パダン行きの第一便であるバティックエア8252便は、定刻を5分ほど遅れて7時40分にパダン・ミナンカバウ空港に到着した。エコノミークラスの一番前の席だったのですぐに飛行機を降りることができ、荷物も預けていないので、7時43分頃には空港の外に出ることができた。外に出たところにタクシーの窓口があり、声をかけてきた係員にカユタナムまで行きたいと告げると、タクシーに案内してくれる。ブルーバードタクシーであった。カユタナム駅までと告げる。一応簡単な地図とwikipediaのカユタナム駅の紹介ページを印刷してある。運転手にそれらを見せると、分かったと頷く。7時45分に空港を出る。

空港でタクシーに乗るときに、これを渡された。

ところで、カユタナムをインドネシア語版wikipediaで調べると"2x11 Kayu Tanam"と出てくる。これが正式な郡名のようであるが、"2x11"とはどういった意味なのだろうか。

タクシーは、時速70km程度で、西スマトラの観光地としても名高いブキティンギ(Bukittinggi)へ向かう道を進む。渋滞はほとんどなく、快調である。前の車が遅いときは、対向車線を追い越し車線として使う。ルブックアルンを8時10分頃に通過する。順調である。

やや高度を上げていくが、道路の舗装状況は大変良く、快適である。前方には高い山がそびえ立つ。位置的にシンガラン山だろうか。

 

8時35分にカユタナムの街中に到着する。小さいものの、街が形成されているのが分かる。運転手がいったん外に出て、駅の場所を聞きに行く。街道から左に曲がって少し行ったところに駅があった。8時37分にはカユタナム駅前に到着した。料金はメーターでRp173,000だったか。空港乗り入れ料とチップ込みでRp190,000を渡す。

カユタナム駅から街道の方を見る。乗ってきたタクシーの運転手が、車を止めて店で一服していた。

この建物は、貨物のホームだろうか。

 

2018/8/14:Lembah Anai:Kayutanam → Lubukalung

カユタナムからルブックアルンへ行く列車には"Lembah Anai"という名称がつけられているが、"lembah"は滝を意味するインドネシア語らしく、カユタナムの近隣にある景勝地の名前がそのまま列車名称となっている。この見地から再び時刻表を見ると、この列車のダイヤは、パダンに住む人が"Lembah Anai"へ日帰り旅行をするのに適しているように見える。

駅には、既に9時発ルブックアルン行きの"Lembah Anai"が停車しており、客も乗車していた。窓口で乗車券を買う。Rp3,000也。

 

現在、カユタナムより先は列車の運行がないが、線路自体はパダンパンジャン(Padang Panjang)、さらにそこで分岐してブキティンギおよびシンカラク湖の方へそれぞれ通じているようである。また、カユタナムからパダンパンジャンへは急勾配が続くようで、ラックレールが採用されているという。ラックレールの詳細はwikipedia等に委ねるとして、カユタナム駅からパダンパンジャン方を見ると、2本のレールの中央にレールが見える。あれがラックレールだろう。

こういった事情から、カユタナム駅では、かつては機関車の付け替えが行われていたはずである。駅構内は広い。

 

ホームから見た駅舎。

 

列車は、3両編成の小柄な連接車である。ソロからウォノギリへ行くバタラクレスナ(Bathara Kresna)で使われている車両と同じレールバスであろう。

連接台車らしい。

 

車内(ルブックアルン着後に撮影)。

窓にラッピングがされているので、座席によっては眺望は悪い。

 

連結面。

 

車内の表示器。時刻や速度が表示される。

 

出発までに車内の半分程度の席が埋まる。

8時57分、ウェストミンスターの鐘が鳴り響く。9時頃まで連続して鳴り、列車はドアを閉めて出発する。車内には、運転手、車掌の他、運転室に立ち入りしている2人の係員、さらに運輸省の係員が2人ほど乗っている。運輸省の係員は、乗客数を数えたり、車内の写真を撮ったりしている。

線路内立ち入りが多いのか、列車はやたらと警笛を鳴らす。なかなかうるさい。ただ、振動は心地よい。朝も早かったので、眠くなってくる。

9時11分、Sicincinに停車する。この列車の唯一の途中駅である。4分ほど停車する。

車窓からは水田風景が眺められる。これといった特徴はないが、落ち着いた風景である。

パリアマンからの線路が右側から近づき、合流すると、終点のルブックアルンである。ルブックアルンには定刻よりも3分ほど早く9時37分に到着した。

ルブックアルンにて。

 

【2018/8インドネシア】(目次

5,ジャカルタからパダンへ:バティック・エア8252便:2018/8/14【2018/8インドネシア】

6,カユタナムからルブックアルンへ:Lembah Anai:2018/8/14【2018/8インドネシア】【←本記事】

7,ルブックアルンからパリアマンへ:シビヌアン(Sibinuang):2018/8/14【2018/8インドネシア】

 

【スポンサーリンク】



-鉄道, インドネシアの鉄道, スマトラ島の鉄道, 記録, 2018/8インドネシア

Copyright© ピーナッツの旅行記録 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.