ホテルに戻り、9時50分にホテルをチェックアウトする。チェックアウトと言っても、フロントにいたおばさんに鍵を返すだけである。
次に、康樂にある国立台湾史前文化博物館に向かう。歴史博物館であるが、先史時台の歴史、この地の現住民族に焦点を当てている博物館らしい。街中から直通のバスもあるらしいが、都合の良い時間になかったので、列車で行くことにする。
2010/3/10:鼎東客運海線:鼎東客運海線総站→台東車站
海線総站から、10時発の台東駅に行くバスに乗る。この時間は切符売り場の窓口が開いており、窓口で乗車券を購入する。
昨日の朝のバスとは違い、乗客も多い。所々で停車し、乗客を乗せたり、荷物を載せたりしながら台東車站に向かう。台東駅には10時25分に到着した。
2010/3/10:南廻線:莒光92次:台東→康樂
駅の窓口で、隣の康樂までの乗車券を買う。わずか8分の乗車であるが、乗車列車である莒光号は全席座席指定の列車なので、丁寧に座席番号まで入れられている。
10時38分発の莒光92次豊原行きに乗車する。ただ、指定された座席の隣には既に客がいる。列車は空いていたので、人がいないところに座る。康樂には10時45分に到着した。ここで降りたのは私だけだった。
康樂駅には事業用と思しき気動車が停車していた。
康樂駅の跨線橋から。
駅員に「國立台湾史前文化博物館」と書いた手帳を見せて、どこに行けばよいのかを聞く。駅員が、駅の外に出て道案内をしてくれる。砂利道をまっすぐ行けば博物館があるとのことであった。駅から5分程度であった。
博物館の建物は大きく、立派であった。内部も吹き抜けの構造で、開放感があり、明るく、近代的な建物である。カウンターで入館券を買おうとするが、掲示を見ると水曜日は学生の入館料が無料らしい。国際学生証を提示する。日本語のパンフレットをくれる。荷物を預かってくれるというので、大きな荷物を預ける。
本日はこの博物館で「2010世界原住民廣電大會」というイベントがあるようで、様々な民族衣装を着けた、様々な人種の人が歩いていた。ただ、一般客は少なく、特に展示フロアにはいると、ほとんど客がいない。せっかくの施設がもったいないようにも感じる。
展示フロアに入るところのカウンターで、日本語の音声ガイドを借りる。身分証を預けないといけないとのことで、国際学生証を預ける。館内の展示だが、台湾の地質的な成り立ちからはじまり、古代の地質、動植物のモデルの展示と続いていく。また、石器や壺、漁具など、古代の人々が使ったとされる道具の展示、遺跡の分布状況などのパネルなどもある。基本的に、日本の各地にある歴史博物館と、展示されているジャンルはほとんど同じである。
また、特別展として、日本人の岩佐嘉親氏がこの博物館に寄贈した南太平洋の島々の文芸品を展示した「南海樂園」の展示があった。他には、アイヌと卑南族の交流の写真を展示したスペースもあった。
台湾の歴史に興味があるのであれば、一度は足を運んでみると良いかもしれないと思わせる博物館であった。
最後に、ミュージアムショップを見る。本棚には、この博物館に全く関係の無いような書籍も並んでいる。洪致文氏の『臺灣鐵道印象』という本があった。せっかくなので購入する。上・下巻あわせて1,200元也。台東のホテル2泊分の値段である。
なお、洪致文氏は、日本の鉄道に関して『青春晃舞.日本鐵道紀行』という紀行文も出していて、こちらは既に持っている。中国語を読むことはできないが、写真も多いので楽しむことはできる。
【2010/3台湾】(目次)
26,台東鉄道芸術村:2010/3/10【2010/3台湾】
27,国立台湾史前文化博物館:2010/3/10【2010/3台湾】【←本記事】
28,康樂から高雄へ:南廻線・屏東線:莒光94次:2010/3/10【2010/3台湾】