ポートアデレード駅の近くに、国立鉄道博物館(National Railway Museum)がある。こちらへ向かうことにしていた。
博物館は、ポートアデレード(Port Adelaide)駅から10分もかからないところにあった。道路は観光地のような雰囲気に整備されていて、明るい。ファーストフードも見かける。静かな街であり、人通りは少ないが、寂れているという感じはない。
博物館は「国立」である。大宮にある鉄道博物館のような結構立派な博物館を想像していたが、規模はそれと比較にならぬほど小さい。入口の建物も、個人商店を想起させる極めて簡素なものである。ここは、売店も兼ねている。入館料12ドルを払う。
スタッフのおじさんが、どこから来たのかと聞くので、日本と答える。鉄道が好きで、明日はメルボルンまで列車で行き、明後日はシドニーまで列車で行くと告げたら、"Great, interesting!"と言う。昨日のカンタスで隣に座ったおじさんとは正反対の反応である。
規模は小さいものの、展示車両は多い。詰めるようにして展示している。車両は、主にアデレードに関係する蒸気機関車及びディーゼル機関車が中心であったが、客車も展示され、そのうちの一部は車内に入ることもできた。
かつてジ・オーバーランドで使われていた客車。
屋外にも車両が展示されている。
目についたのが、"Tea and Suger Train"である。これに関係する車両の展示や解説が多かった。"Tea and Suger Train"は1920年頃にはじまり、まだ輸送機関が発達していなかったオーストラリアにおいて(或いは輸送機関が相当程度に発達してからも)、地方に食料や日用品等を運び、販売するのに使われたらしい。オーストラリアの特に地方の人々の生活には不可欠なシステムであったという。今でいう移動販売車であるが、スケールが違うなと思う。"bank car"、すなわち移動銀行の車両もあり、なかなか興味深かった。
1時間ほどで鉄道博物館の一連の車両を見終えた。
【2013/2オーストラリア】(目次)
14,アデレードからアウターハーバーへ:アデレード・メトロ:2013/2/21【2013/2オーストラリア】
15,アデレード:国立鉄道博物館(National Railway Museum):2013/2/21【2013/2オーストラリア】【←本記事】
16,アデレード:航空博物館(Aviation Museum):2013/2/21【2013/2オーストラリア】