日本の船 2025/12西日本 記録

14,大分から大分空港へ:大分第一ホーバードライブ「Banri」:2025/12/31【2025/12西日本】

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2025年7月に、大分第一ホーバードライブ株式会社が、大分市内から大分空港まで、ホーバークラフトの運行を開始した。

大分空港は国東半島東岸に位置し、大分市内から大分空港へ陸路で向かう場合は、別府湾に沿って大きく迂回をする必要がある。そこで、1971年、大分ホーバーフェリー株式会社が、市内から空港まで別府湾を突っ切って向かうホーバークラフトの運行を開始した。ただ、1990年代以降に大分空港道路や日出バイパスなど陸路の交通網が整備されて車の便も良くなり、それに伴いホーバークラフトの利用者も減少し、2009年に運航が休止となった。

その後、2020年に大分県がホーバークラフト航路を復活させる方針を表明、2022年にタクシー事業で知られる第一交通産業が大分第一ホーバードライブ株式会社を設立、2023年以降に3隻のホーバークラフトが大分に順次到着した。訓練運行に時間をかけたとのことで、傍から見ているといつ運航を開始するのかと思っていたが、2024年11月から土日限定で別府湾周遊便の運航を開始し、2025年7月、遂に大分市と大分空港の定期便を就航させた。1日4往復で、西大分ターミナルと大分空港を40分で結ぶ。

そもそもホーバークラフトは、船体下部から高圧空気を下に噴出して浮上航行を行うもので、水上でも陸上でも航行可能である。上述の仕組みから、水や地面の抵抗を直接受けないため高速航行が可能で、大分のホーバークラフトは最高速度時速80kmだという。ただ、あのような大きな船体を浮上させるわけだから、相当エネルギーを使うであろうことは想像に難くなく、加えて、波や風が強いと影響もうけるようである。

素人的には、敢えてホーバークラフトではなくても、高速船でもよかったのではと思うが、そこは、かつてホーバークラフトを運行していた際の港湾施設を再活用できるという点、加えて、運行開始前には大分県知事が「観光の大きな魅力にもなる」と発言しており、諸々の事情が総合的に考慮されたということなのだろう。実際、ホーバークラフトによる旅客航路は、世界的にみても、イギリスのポーツマスとワイト島を結ぶ航路と、今回の大分の航路の2か所のみであり、話題性があることには疑いがない。

 

さて、今回は、大分駅から大分空港まで向かう。現在では大分空港までの高速道路も整備されており、この区間では、大分交通のバスが1日40本以上運行しており、所要時間は直行便が60分、別府経由でも70分、運賃は1,600円である。

一方のホーバークラフトは、西大分ターミナルから出発する。西大分から大分空港までは、所要時間40分、運賃は現地決済が2,500円、事前にLINE友達追加の機能や専用アプリから決済をすると2,000円である。西大分ターミナルには450台分の駐車場があり、自宅からターミナルまで車で来て、ここでホーバークラフトに乗り換えるという使い方が想定されている。大分空港側は空港ターミナルのすぐそばに到着するので、ホーバークラフトを降りてから徒歩でターミナルに向かうことができる。

大分駅からホーバークラフトに乗船する場合は、まず西大分ターミナルへ向かう必要があるが、この区間では「ホーバータクシー」という乗合タクシーが運行しており、ホーバークラフトが西大分ターミナルを出発する30分前に大分駅を出発する。したがって、大分駅から大分空港へホーバークラフトで向かう場合は、所要時間はバスよりも10分ほど長い70分となる。ホーバータクシーの運賃は1台600円で、複数人いると割り勘になる。いずれにせよ、大分駅から西大分ターミナルを経て大分空港まで、最低でも2,200円かかる。

 

2025/12/31:ホーバータクシー:大分駅→西大分ターミナル

今回は、15時35分に西大分ターミナルを出るホーバークラフトで大分空港へ向かい、16時55分のホーバークラフトで西大分へ折り返すことにした。事前にLINEを介して予約を済ませ、運賃も支払う。片道2,000円、往復なので4,000円である。

 

15時35分発のホーバークラフトに接続するホーバータクシーは、大分駅上野の森口(南口)を15時05分に出発する。

 

上野の森口(南口)を出ると、ホーバータクシーの乗り場の案内があり、タクシー乗り場の一番前に、ホーバータクシーの停留所がある。

 

15時05分になると、タクシー乗り場の一番前に止まっていたタクシーが、こちらに向かって動き出し、停留所に横付けした。第一交通のタクシーではないが、このように、この時間にタクシー乗り場の一番前に並んでいるタクシーが、ホーバータクシーを担当することになっているという。

客は私のほかにもう1名いて、相乗りとなった。タクシーは一応メーターを倒すものの、運賃は1台600円である。差額は補助金で補填されるのだという。運転手にとって、このホーバータクシーを担当するのは完全にタイミング次第であり、今回の運転手はこの日が初めてで、西大分ターミナルへ行くことも初めてとのことであった。

そのような話をしていると、10分ほどで西大分ターミナルに到着した。もう1名の客と300円ずつ支払う。

 

2025/12/31:ホーバードライブ:西大分→大分空港

西大分ターミナルは、今回のホーバークラフトの就航にあわせて作られた新しい建物である。建物内では、大分のホーバークラフトの歴史に関する展示コーナーがあり、それらを見つつ乗船時間を待つ。

 

15時35分発の大分空港行きは、15時25分に乗船開始となった。最初に手伝いが必要な人が優先的に案内されるが、該当者はおらず、そのまま全員が案内された。

 

大分第一ホーバードライブには3隻のホーバークラフトが在籍している。いずれも英国グリフィン・ホーバーワーク製の12000TD型で、定員は80名である。3隻には、それぞれBaien、Banri、Tansoという名称がつけられており、これは、三浦梅園、帆足万里、広瀬淡窓に由来する。3名について、大分県のウェブサイトは、「江戸時代にそれぞれ現在の国東市、日出町、日田市において、西洋の天文学や医学、儒学など広く学問の研究や普及に取組んだ教育者として「豊後の三賢」と称されている方たち」と紹介している。

西大分ターミナルには格納庫があり、そこに3隻が格納できるようになっている。

 

今回の便に使われるのはBanriである。格納庫の外で出発を待っていた。

 

船内には2+4+2の配置で座席が並んでいる。座席は自由席なので、窓側が良ければ、早く並んだ方が良い。(後程撮影)

 

独特の形状だが、体を包み込むような感じで、座り心地は良い。各座席にはシートベルトがある。

 

シートポケットには安全のしおりと雑誌が入っている。

安全のしおり。

「財界九州」という雑誌が各座席に用意されていた。

 

前方には荷物置き場があり、大型の荷物を持っている人はここに置くことになる。

 

定刻15時35分に出発する。乗客は30名程度だろうか。窓側はほとんど埋まっていたが、その他は空席の方が多かった。

 

しぼんでいた黒いスカートに空気が入って膨らみ、浮上する。方向を転換して、すぐに別府湾に入る。

 

海に入るとき、水陸両用車のようにがくんとなるのかと思ったが、浮上しているため、そのような衝撃はなく、地上を走行しているときと同じような感覚で海上走行に移行した。

 

最高速度は時速80kmとのことであり、実際、速度は速く感じた。高速船よりも早い気がする。音は、静粛ではないが、耳障りではない。この程度の音は出るだろうという感じである。

時折、ぐいっと波に乗り上げる感覚があったり、横滑りする感覚があったりして、このあたりがホーバークラフト特有の乗り心地なのかなと思う。新鮮である。乗っていてなかなか楽しい乗り物である。

 

16時10分、大分空港に上陸する。

大分空港では、西大分側とは異なり、地上の走行区間が長い。S字カーブを含む誘導路で空港ターミナルの近くまで進む。ここの操縦はなかなか難しそうであるが、スムーズに横滑りしながら進んでいく。

 

16時15分、大分空港側のターミナルに到着して、スカートがしぼむ。

 

下船する。

 

大分空港のホーバーターミナルも新しい建物である。

 

空港ターミナルまではすぐである。屋根があり、横殴りの雨が降らない限りは、雨天時も心配なさそうである。

 

大分空港は、2025年4月から「大分ハローキティ空港」の愛称を有する。

 

2025/12/31:ホーバードライブ::大分空港→西大分

大分空港から大分駅までバスで向かう場合は1,600円である。空港の到着口を出たところで乗ることができる。

 

ただ、帰りもホーバークラフトに乗船する。今回はもともと16時55分発の西大分行きの乗船券を既に持っていたが、仮に持っていなくても、予定を変えてホーバークラフトにしただろう。それくらい、往路の航路が新鮮であった。

 

ターミナル内に、「タクシーのりば」「バスのりば」と並んで「ホーバーのりば」の案内がある。

大分空港で到着口を出た後は、左方向へ向かう。

 

バス乗り場の端まで来ると、まもなく大分空港のホーバーターミナルである。

 

建物に入る前のところで、ホーバークラフトを撮影した。

 

ターミナルに入ると、係員から、大分駅までのタクシーは必要ですかと聞かれる。大分空港発の場合は、ここで大分駅まで向かう人数を確認し、ホーバークラフトの西大分ターミナルの到着にあわせてタクシーを手配する運用になっているようである。タクシーをお願いする。

ターミナル内には、運行情報が記載されたボードがある。

 

16時55分発の西大分行きは、本日の最終便である。出発10分前の16時45分に乗船開始となる。

往路も乗船したBanriに乗船する。

 

定刻16時55分に大分空港を出発した。この便も30名ほどだろうか。正直なところ、空席が多いなと思う。この便には、大分空港のターミナルで接客していた係員も乗船していた。大分空港発の最終便なので、この便で大分市内に戻ることになっているのだろう。

スカートが膨らみ、浮上して、ゆっくりと方向転換をして、S字カーブの誘導路を進む。

 

海に入る。波がないと、陸も海も走行の感覚は変わらない。

 

ただ、後半は少し波があり、揺れを感じた。

 

次第に辺りは暗くなっていった。

 

西大分ターミナルには17時35分に到着した。

 

下船する。

 

西大分のターミナルから海側を見ると、神戸行きのさんふらわあが出航を待っているのが見えた。

 

2025/12/31:ホーバータクシー:西大分→大分駅

西大分ターミナルでホーバータクシーに乗り換える。第一交通のタクシーが2台待機している。

乗り換え客は4名いたが、私以外の3名は家族であった。係員が私に「600円でいいですか」と聞く。問題ないと言うと、1台が私で、もう1台が3名の家族となった。

大分駅上野の森口には17時50分に到着した。往路とは異なり西大分ターミナルでの待ち時間がなかったため、空港から大分駅までの所要時間は55分であった。

 

【2025/12西日本】(目次

13,八幡浜から臼杵を経て大分へ:宇和島運輸フェリー「おおいた」・JR日豊本線:2025/12/31【2025/12西日本】

14,大分から大分空港へ:大分第一ホーバードライブ「Banri」:2025/12/31【2025/12西日本】【←本記事】

<つづく>

 

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