新北投は温泉街である。温泉は好きだが、この日は水着を持っていない。台湾の温泉では水着が必要なところもあるようで、いまいち分からないので今回は入らない。
とりあえず北投温泉博物館を見ようと思う。駅からは近い。
道中。
何回か、浴衣を着た若い女性とカメラマンのグループとすれ違う。温泉博物館の周辺は公園になっており、そこで撮影をしているようである。いわゆるアイドルなのか、それともただの結婚写真の撮影なのかは分からないが、機材を見る限りでは結構本格的である。
道中。
北投温泉博物館は、新北投の駅から徒歩5分程度のところにあった。建物は、かつての北投温泉公衆浴場を修復したものらしい。1階がレンガ造り、2階が木造という、変わった建物である。
入口は2階である。入館料は無料であった。入口に下足箱があり、館内ではスリッパに履き替えて見学する。
2階の展示室では、おもに北投温泉の歴史や発展に関する展示がなされている。大型テレビでは、1937年に撮られた、日本向けの台湾紹介ビデオが流されている。1930年代の台北の観光地、景勝地などの紹介であり、なかなか興味深い内容であった。その他には、台湾映画の上映室、新北投の発展のパネル、展望フロア、企画展の展示室などがあった。このときの企画展は、「世代愛情」という名で、結婚や恋愛にまつわる恋文やらお菓子などが展示されていた。
階段を下りて1階に行くと、台湾の温泉を紹介するパネルがある。台湾も温泉が多く、有名どころでは台東郊外の知本温泉、宜蘭の礁溪温泉などがある。さらにその先へと進むと、当時のままの大浴場がある。大浴場は面積が広く、天井も高く、開放感がある。また、2階が和風であるのに対し、1階の温泉はヨーロッパ風のつくりである。
1階の小さな部屋では、新北投温泉に関する歴史的資料が閲覧できるようになっており、北投温泉までの鉄道についての記述もみつけた。台北から北投までは列車で30分、1日5往復だが臨時列車も走る、下等21銭、往復30銭云々。また、別のところにあったパネルによると、当時の新北投駅は、彰化県の民族村たるところで保存されているらしい。
その他、北投石と呼ばれる、放射性のラジウムを大量に含む鉱物が展示されていた。発見したのは、日本人の学者らしい。よくわからぬが、非常に貴重な物らしい。
博物館を出て、新北投駅へ戻る。工事中の建物がある。和倉温泉の老舗温泉旅館である加賀屋が、2010年に新北投に温泉旅館を開業するらしく、その建物であった。
【2010/3台湾】(目次)
8,台北捷運新北投支線:2010/3/6【2010/3台湾】
9,新北投:2010/3/6【2010/3台湾】【←本記事】